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第18章 6話

 再び侯爵様のお屋敷地下に戻った僕たちは今後の方向性について話し合うことにした。基本的にはレヴィと話をしていた作戦に肉付けをしていき、カイトさんと連携をとってキメラの殲滅とメルキオールを倒すことを重点課題としておく。もちろん、近衛師団の動きを抑えることは最重点課題だ。


「タカシさん、カイトさんとは連絡取れたのですか?」


「うん、こちらに向かっているって」


「カイト、一週間もあったのにまだキメラ見つけられていなかったのね」


 バカンスを決めこんでいた僕たちが言えることでもないような気がするんだけどね。結果的にマレーシア行ったりしててそんなにバカンスできなかったけどさ。


「すまないね。キメラやメルキオールが王城にいるのはわかっていたんだけど、城内の警備というか人の数が多すぎて忍び込めなかったんですよ」


 いつの間にか侯爵様のお屋敷に入って来ていたカイトさんが扉を開けて入ってきた。そんな感じで城に侵入すれば誰も気づかないと思うんだけどな。あと、いくら廃墟だからって勝手に入ってきちゃダメ絶対。


「カイトさんお久し振りです」


「タカシ君、元気そうだね。あ、あれっ! アモナ姫までいるんですか!? お、驚きましたね。ところで侯爵様はご不在でしたか。ご挨拶をと思ったんだけど」


 いや侯爵様、カイトさんの目の前にいるけどね。改めてみると本当に異様な光景だな。ちょっと試してみるか。僕は侯爵様一家に近づくと、今思い浮かんだ提案をしてみた。


「なるほど、フォーメーションAでどこまで隠れられるかということですか。面白そうですね」


「えっと? タカシ君、誰と話をしているの?」


「えっとですね。今からちょっとした実験を行いますのでカイトさんは僕の質問に答えてください」


「う、うん。いきなりどうしたの? 構わないけどさ」


「では質問です。この部屋には今何人いるでしょうか?」


 フォーメーションA発動!


「えっと……。えぇ!!! ティアさんレヴィさんが消えていく……。あれっ、レイコさんとヨルムンガンドちゃんも消えた。タカシ君!? こ、これは一体?」


 カイトさんは不思議そうに全員が消えた位置に歩み寄り、そこで違和感を感じたようだ。


「こ、ここに、何人か人がいますね。手で触れているので確かにここに人がいるのはわかるんです! でも目の前には何もいない……」


 フォーメーションCにチェンジ!


 ちなみにこのフォーメーションCは侯爵一家が一列に壁となりティア先生たちを前方から見ると全く見えないようにするという技である。


「カイトさん、僕の方に来てもらっていいですか」


 カイトさんを侯爵一家が壁となっている裏側まで来てもらうと唖然とした表情をしてくれた。ようやく壁に隠れていたティア先生たちを見つけることが出来たのだ。


「あ、あれ、何で急にみなさんが見えるようになったのでしょう!?」


「実は、この部屋には侯爵様一家4名もいらっしゃいます。侯爵様一家は存在を希薄にすることが出来るスキルを持っているようなのです」


「キメラに会った時のように、少し強めに存在を消しておりました。こうすればわかるようになったのではないですか? 今、全力でスキルを抑えております。ちょっと疲れるのであまり長い時間はできませんが……」


 強めに存在を消すとかもう言葉の意味がよくわからない。というか、侯爵様そんなことも出来たのか。スキルを抑える方が疲れるとか本当に難儀な家族だ。


「見、見えます! 何で今まで気づかなかったのか不思議なくらいに……」


「明日は、侯爵様のこのスキルと私の透明化スキルの2チームに分かれて行動をしようと思っております」


「それぞれの役割を聞いてもいいかな?」


「透明化するチームは私とレヴィとアモナ姫です。こちらは近衛師団の師団長及びそれに準じる人を探します。次に侯爵様一家とともにメルキオールとキメラを探すチームにカイトさんとティアとウンディーネで向かってもらいます」


「私とヨルムンガンドちゃんはお留守番ですね」


「レイコさんとヨルムンガンドちゃんには別にお願いしたいことがあるんだ。それと侯爵様、城内のことでお聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか」


「はい、何でしょう。あ、あともうスキル抑えるの中止しますね。これちょっと疲れるんですよね。あ、あと私のこと見失わないでくださいよ」


 目の前にいるから大丈夫だとは思うけど、一応、念のため侯爵様の腕でも掴んでおこう。侯爵様も僕に腕を差し出してくるあたり慣れたものだなと思ってしまう。


「あっ、すみません。僕も腕をお借りします。ご挨拶が遅れましたがカイトと申します。よろしくお願いします」


 とりあえず、作戦のたたき台を説明して明日に備えようと思う。今日は侯爵様の奥様が腕によりをかけて手料理を作ってくださるそうだ。


 実はお手伝いでアモナ姫もキッチンにいる。侯爵夫人と姫に料理させて打ち合わせやら挨拶やらしている僕たちもどうかと思うんだけど、思いの外、アモナ姫がしっかりサポートに回ってくれているのが嬉しい。


 うちの女性陣ともぶつかるような雰囲気ではなく、一歩引いて行動しているような気がする。今はそうだね、レヴィが言っていたように少しずつお互いのことを知っていき、徐々に仲間になっていければいいかなと思う。

今日は活動報告にマヒト君とリナちゃんのキャラデザをご紹介しておりますので、是非いらしてください。

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