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第18章 5話

「ちちうえ、ボワーヌ産のチーズを発見しました。今日は当たりですね! おそらく積み荷が届いたばかりなのでしょう」


「よく見つけた息子よ! チーズは全て回収するぞ!」


「あなた、そろそろ麦も減ってきたから……」


「そうだな……。タカシさん、ちょっとお願いがあるのですけど聞いてもらえますか?」


「はい。何でしょうか?」


「タカシさんは闇の門(シャドウゲート)の魔法をお持ちでしたよね。私たちは使えないので、ここにある食料品を回収してもらいたいのです」


「なるほど、問題ないですよ。でも、やりすぎてバレたりしないのですか?」


「誰がとったかわからないから大丈夫です。それにとるのは貴族向けの高価なものを中心なので配給にも影響が出ませんよ」


 そういうと、侯爵一家は手分けして高級食材をあさりにいった。出会ってから一番のハイテンションをみせている。侯爵様たちはしばらくは食料回収で忙しそうなので、ちょっとレヴィと今後の相談でもしてみようかと思う。


「レヴィ、ここまでで何か使えそうだなと思ったところとか何かあった?」


「そうですね。お兄さまの鎧をとおっしゃってましたけど、わざわざ危険を冒して姿を見せるより透明化でいいのではないかと思います。あとは指揮権を持つ師団長、もしくはそれに準じる人に私が変身することでいろいろと混乱させられるのではないかなとか考えていました」


 さすがレヴィ。しっかり考えているところがティア先生と違うところだ。ティア先生が感覚派ならばレヴィは理論派なのだろう。双子なのに考え方が全然違うというか、天真爛漫な姉を支えるがためにそうなっていったのかもしれない。


「うん、それ採用だね。とてもいい案だと思うよ」


「ありがとうございます! あとは、この食糧倉庫と炊事場ですかね」


「見た感じこの規模の炊事場が用意されているということは近衛師団の食事はここで作られているといって間違いない。食材、もしくは調理中の料理に毒を仕込んだりするのは効果的かもしれないね」


「はい、おっしゃる通りですね。食中毒を起こさせるだけで戦力は半減させられるでしょう」


 そんな話をしていたら食糧集めは完了していたようだ。息子さんが大量のチーズを、奥さんは大量の小麦粉を積み上げ終わっていて、娘さんは両手いっぱいにお菓子の袋を抱えていた。


「タカシさん! 荷物を集めたのでこちらを闇の門(シャドウゲート)にしまって頂けますか」


「了解しました。ここにあるのを全部ですね……」


「し、しまった……奴らが来たっ! フォーメンションBに移行する。タカシさん、レヴィさん失礼いたします」


 僕を挟むようにして侯爵様と息子君が、レヴィを挟むようにして奥さんと娘さんが密着する。これがフォーメーションBとのことだが、Aよりもより気配を消せるということなのだろうか……。


「侯爵様、こ、これは一体どうしたのですか?」


「し、静かに! 奴らが通り過ぎるまで声は出さないでください」

「あいつらだけは、僕たちの方を振り向く時があるんだ。油断は出来ないんです」


 グルグルゥー、グルグルゥー


 そうして現れたのは、久し振りに会った四足歩行のキメラだった。サイズも一番大きいと思われるライオンサイズになっている。倉庫の前を散歩でもするかのようにゆっくりと歩いている様子は、警備でもしているつもりなのだろうか。倉庫の入り口の前で一瞬立ち止まるもすぐにまた歩き始めてそのまま通過していった。


「ふぅー、やっと行きましたか。奴らは一週間ぐらい前から突如現れましてその数を徐々に増やしているのです」

「僕たちも奴らには、いつか気づかれるんじゃないかと思って最大限の注意を払っているんだ」


「キメラですね。奴らのことはよく知っています。奴らのことを追っている味方がおりますので伝えておきましょう」


 あとでカイトさんと連絡をとってみよう。ひょっとしたら王都に入って来ているかもしれないしね。近衛師団もそうだが、キメラを内戦に参加させるわけにはいかない。奴らは率先して叩いていこう。


 また根本を叩かないとどうしようもない。唯一キメラを造り出せるメルキオールの居場所を突きとめるのが最優先事項になりそうだ。あと、白い変異種のジルサンダーも必ずここにいるだろうからね。

今日は活動報告にピースケのキャラデザをご紹介しておりますので、是非いらしてください。


あっ、平成最後の更新になりますね。

次回は令和初の更新になります。

引き続き、変わらず定期的に更新していきますのでよろしくお願いします。

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