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第16章 13話

 翌日も朝から多くの方が『ペナンダンジョン』の大部屋を訪れており、順調にポイントが貯まっているようだ。そして、どうやら2日目にして家畜の屠殺実験が行われたのだった。どうやらレベルアップの基準を調べているようだった。


「鳥と牛だね」


「豚はいないのかしら?」


「豚は宗教上の理由とかがあるんじゃないかな」


「豚の甘い脂の味を知らない宗教なんて、なんだか可哀想だわ。豚骨ラーメンも焼豚もない人生なんて考えられないかしら」


「水竜のお姉さんは豚肉が好きなんですね。アイシャはイスラム教の家庭で育ったので、豚肉を食べたことがありません。なので、ちょっとだけ興味があります。でもなんとなく食べたら負けのような気もしてるんですよね」


「アイシャ、豚は凄いのよ。日本には伝説のスタミナ丼と呼ばれる最強飯があるの。豚バラを秘伝のニンニク醤油ソースで炒めた、とある天才が考えた丼よ。肉増しで2杯も食べればあっという間に3千キロカロリーね」


「そ、それは、さすがにカロリー摂りすぎなのでは……」


「馬鹿ね。カロリーと美味しさは比例するの。私が食の探求で学んだことはね、日持ちがしないもの、カロリーが高いもの、プリン体が多く含まれているものは間違いなく美味しいわ」


 なんだその謎理論は。なぜだか痛風や糖尿病を心配させるコメントだよね。ティア先生の将来がとても不安だ。


「それにしても、今日は昨日よりも順調にポイントが貯まってますね。タカシさん、これならそろそろ『ブラックシャーク』さんを召喚しても大丈夫ではないでしょうか」


「そうだね。帰る前に『ブラックシャーク』を見れそうでよかったよ」


「はい、それはよかったです。では早速、召喚しちゃいましょう! 『ブラックシャーク』召喚っ!」


 ドバッシャアアアーン!!!!


 物凄い音とともに海の中へ大量の水飛沫を飛ばしながら『ブラックシャーク』は落ちていった。これは相当にデカそうだ。体長10メートル、横幅も2メートルはあろうかという巨体。人とかあっさり呑みこむであろうメガマウスと破壊力のありそうな大きくて鋭い歯。『ブラックタイガー』の数って30万匹で足りるのかな……。



ブラックシャーク(闇魚系)

レベルなし

体力200

魔力0

攻撃力280

守備力180

素早さ240

餌消費30万/1日


「ステータス、ヤバいです。『ブラックシャーク』さん最強です! こ、これはもう勝ちですね。海の王者ですよっ!」


「凄いなぁ……これって、初期ステータスは水竜とそう変わらないんじゃないかな。魔力が無いのがちょっと残念だけどね」


「あ、あれっ? これ、どういうことなのかな。タカシさん、『ブラックシャーク』さんにレベルがないんです」


 画面を見せてもらったが、確かにレベルなしの表記。代わりに餌消費なんて項目がある。まさかとは思うが、レベルアップしないモンスターなのだろうか……。


「レベルが上がらないのかな?」


「レベルが上がらなくても、既にかなり強いので構わないのですけど、少し残念ではありますね」


 『ブラックシャーク』は何度もジャンプをしては腹ばいに着水しては水飛沫を飛ばしている。何か訴えがあるような暴れぶりである。


「アイシャちゃん、『ブラックシャーク』とは意志疎通がとれるのかな?」


「ちょっと待ってくださいね。えーっとですね、どうやらかなりお腹が減っているみたいですね。昨日召喚した『ブラックタイガー』さんはかなり遠くまで散らばってしまっているのでお腹が満たされないとのことです」


「よかった。意志疎通がとれるんだね。ポイントも大丈夫そうだし、餌をあげたらいいんじゃない?」


「そうですね。『ブラックタイガー』召喚っ!」


 空から降り注ぐ30万匹の『ブラックタイガー』を海面から大口を開けてひと飲みにしていく。とんでもないモグモグタイムを見せられている。サヨナラ、ブラックタイガー。ここが水族館だったらいっぱいお金を稼げる気がするのが残念でならない。


「大丈夫そう?」


「あ、あのですね、『ブラックシャーク』さんがおかわりをよこせと言ってます。よこさないならアイシャを食べると……」


 おっ、どこまで本気なのやら。ダンジョンモンスターらしからぬ行動をとるのかな。


「ティア、ちょっと殺さない程度に遊んであげて」


「しょうがないですわね。遊び相手になってもらえるかしら」


 なんとなく理解したのだろう。ティア先生は水竜になると『ブラックシャーク』へ向かって飛び掛かった。

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