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第12章 13話

 木製の部屋を出ると外は高い壁に囲まれた建物の中であることがわかった。部屋全体を囲うように外側には魔方陣が書かれており魔方陣の中心に部屋がある。そして、魔方陣の周りを囲うように見た目にも筋肉のすごい屈強な兵達が武器を片手に睨みを効かせていた。


「あー、ご苦労っす!」


 ピースケが右手を上げて合図を送ると兵達は武器を下げて片膝をついた。


「ピースケ、これは?」


「たまに調子に乗ったダンジョンマスターがお痛をする時があるっすよ。一応、端とはいえ城の中になるから念には念をってやつっす」


「な、なんか強そうだね。レベルいくつ位なの?」


「城兵はレベル20以上からなれるっす。ここにいるのはレベル30以上っす」


 つまり、『千葉ダンジョン』のボスモンスター級が周りを囲んでいるということか。それは確かに怖いね。というか、ここが王城なら当たり前か。


「レヴィ、レイコさん、みんなのことを頼むね。ティアはミルさんに迷惑かけちゃダメだからね」


「ちょ、ちょっと私だけぇ! これでもお姉さまなんですのよ!」


「うん、じゃあよろしく頼むね」


 さすがに知らない場所で『てんとう虫』さんもいないので無茶は出来ないと思うけど、ミルさんという王族関係者を味方につけてはっちゃける可能性は無いとは言い難い。


 僕がアイコンタクトでレヴィとレイコさんにティア先生のことをお願いすると二人とも苦い笑顔を返してきた。苦労をお掛けします。


「じゃあピースケ行こうか」




◇◇◇◆◆



 城兵の後方の隠し部屋ではピースケ達の様子を伺う貴族達が数名でその姿を観察をしていた。


「さすがは魔王様のご子息様でございますな。カーキ様に続いて早々にポイントクリアされるとは」


「カーキ様のダンジョンマスターは第二世界の勇者に相討ちとはいえ解放されてしまっているのだろう。ならば必然的にピース様の方が実績的に上ということになるのか?」


「まだ早い。カーキ様は第三世界で更なる功績を持ち帰るであろう」


「それはピース様とて同じこと。ところでレベルの計測は出来たのか?」


「そ、それが……ダンジョンマスターのレベルは……72です」


「はあぁぁぁ!?」

「そんな馬鹿な!」

「本当なのか?」


「ま、間違いございません。数回測り直しましたが結果は同じでした。歴代の記録を大幅に更新しています」


「付き添いのものはどうなのだ?」


「青い髪の二名はレベル38で、水竜……」


「ド、ドラゴンだと!?」

「今までにドラゴンをボスモンスターにしたダンジョンマスターは?」

「い、いるわけがありません!」


「ほ、他はどうなのだ?」


「大海蛇に精霊と元ダンジョンマスターの人間です」


「嘘だぁぁぁぁ!!!」

「水竜もだが、大海蛇に精霊など伝説的なモンスターを召喚出来るとは……」

「元ダンジョンマスターの人間は?」


「な、流れが大きく変わるぞ!」

「こ、これは攻勢に出られるのではないか!?」

「さすがはピース様だ!」


フレイ(万歳)、ハイポージア!!」

フレイ(万歳)、ハイポージア!!」

フレイ(万歳)、ハイポージア!!」




◇◇◇◆◆



「なんだか、騒がしいようだけど何かあったのかな? ピースケ大丈夫なの?」


「問題ないっす。そろそろ研究棟が見えてきたっす。あの三つの塔がある建物が研究塔でダンジョン協会っすよ。」


「あれがダンジョン協会。お、大きいね。そもそもこの王城自体がとんでもない広さなんじゃないのかな?」


「そうっすね。マザー牧場4つ分ぐらいっすかね」


「何それ。いや、微妙に分かりづらいんだけど。広いってのは伝わるんだけど、普通の人はマザー牧場がどのくらいの広さか知らないからね!」


「えー、知らないっすか!? まぁいいっす。東京ドーム12個分っすよ」


「広っ! 王城めっちゃ広っ! 端から端まですげー時間掛かりそう」


「着いたっすよ。お出迎えしてくれてるあの三人が各研究所のグループ長っすよ」


 塔の入口には黒いローブを纏った初老の男性が三名並んで膝まずいていた。


「出迎えご苦労っす」

「ピース様、ご無事のおかえり何よりでございます。ご活躍拝見しておりました」


「記録更新ずくめの帰還は魔王様もお喜びのことでしょう」


「立ち話もなんです。紅茶を用意しております。さっそくではございますが、タカシ殿の所属先を決める打ち合わせをしましょう。ささ、こちらへ」


 進められるままに僕とピースケはダンジョン協会の研究塔へと入っていった。

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