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第12章 7話

 僕のスピードでは身体強化(ストレングスン)を使ってもまだ足りないだろう。ジョナサンは雷鳥化してさらにスピードが上がっている。


 魔法攻撃を絡めながら攻撃を組み立てよう。ヨルムンガンドちゃんも援護してくれるだろうし、まずは派手な魔法で煙幕を張らせてもらおう。


 炎弾(ファイアボール)! 炎弾(ファイアボール)! 炎弾(ファイアボール)! 炎弾(ファイアボール)


 ジョナサンと僕との間で大きな爆発を起こした。これでジョナサンから僕の姿は見えない。


 ヨルムンガンドちゃんにサインを送りスキルで姿を消すと誘導場所へと移動した。わかってくれただろうか。


 逃げても逃げても追い掛けてくる雷鳥(サンダーバード)に徐々に誘導されていくジョナサンだが、スピードに余裕があるのか危機感は感じていない。ヨルムンガンドちゃんも僕のサインに気づいてくれたようで闇矢(ダークアロー)を撃って誘導に協力してくれている。うむ、ナイスな親子プレイが出来ているんじゃないだろうか。


 僕が選んだ場所は丘陵の一番高い位置。今現在、下から追い込みをかけられてジョナサンは真っ直ぐ僕のいる場所に向かってきている。上りきるまで僕の姿は見えない。


 どうやら左右後方を気にしていて前方は気にしていないようだ。



 雷の鳥を斬れるかどうかなんてわからない。


 でもなんとなくこのイメージなら斬れる気がした。


 スキルを解除して構える。


 ジョナサンが目を見開いて僕を見るがもう遅い、すでにかわせない距離まで来てしまっている。


 魔力がごっそりと持っていかれる。


 中級の枠を超えている魔法。


 きっとこれが上級魔法なのだろう。



 炎剣改(レーヴァテイン改)雷切(ライキリ)




 シャンッ!



 イメージしたのは剣のように力で叩きつけるものではなく、反りがあり斬ることに特化した日本刀。


 ジョナサンはそのまま丘を越えてしばらく羽ばたきを繰り返して進んでいくが徐々に体がずれていくとそのまま二つに分かれていった。


 まだ使い馴れていないせいだろう。斬ると同時にその魔法は霧散してしまった。


 まだまだ未完成と言わざるを得ない。この魔法を扱う品格のようなものが足りていない。技量も圧倒的に不足している。やっぱり魔法は面白い。もっと強くなれる。もっとこの魔法を使いこなせるように心と技を磨いて身体に刻み込む必要がある。



 ピコン! ダンジョンマスターを討伐しました。ダンジョンマスター討伐特典として討伐したマスターの経験値及びスキルを吸収します。


 ピコン! 『経験値』を取得しました。


 ピコン! スキル『エレメント』を取得しました。


 ピコン! レベルが72に上がりました。


 ピコン! 新規上級魔法習得特典として『ダンジョンパスポート』を入手しました。


 ピコン! 敗者復活ラウンドに伴い『大阪ダンジョン』のポイントが『千葉ダンジョン』に移行されます。


 ピコン! 『千葉ダンジョン』のポイントが10億ポイントを超えました。特典『転送キー魔操』を入手しました。



 えっと、久々にピコンピコン鳴りまくっているな。なんかいろいろ入手したりレベルが大幅に上がったり10億超えちゃったりしてるんだけど、これはピースケと話した方がよさそうだね。


「マスター! なんだよあの魔法! 超かっけーじゃねぇか。俺にも教えろよ」


「いや、あれ上級魔法だからまだヨルムンガンドちゃんには早いんじゃないかな」


「マ、マスター上級魔法使えんのかよ。すっげーな」


「ヨルムンガンドちゃん、僕は先に会議室でピースケと話があるからここは任せていいかな?」


「おぅ。俺も早くレベル上げてマスターに追いつくぞ。ここが終わったら一階層でいいんだろ」


「うん。よろしく頼むよ。あと終わったらみんなに会議室集合って伝えてね」


 空を見上げると逃げ惑う『ガルーダ』の群れもかなり数を減らしていた。『ワイバーン』が完全に空中を支配しており、二万いた『ガルーダ』も既に半分以下となっていた。ヨルムンガンドちゃんが加わればあっという間に片付くはずだ。


 ダンジョン内転移で会議室に移動するとピースケが急須に入れたお茶と湯飲みを用意してちょうど戻ってくるところだった。さっきまでモニターを観ていたのだろう。画面は三階層の『ワイバーン』とヨルムンガンドちゃんを映していた。


「マスター、話があるっすよ」


 少し思い詰めた表情のピースケ。

 何だかとても大事な話のようだ。

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