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閑話 11

 お久し振りでございます。レヴィの双子の姉、水竜のティアでございます。


 今日は九州で訪れた食い倒れツアーのご紹介をみなさんにしたいと思いますの。


 そもそも、本当はタカシ様と食い倒れツアーに行きたかったのですけど、タカシ様はやることが多すぎるのですわ。


 カモメ退治から『てんとう虫』さんとの打ち合わせ、特異魔法の練習に『熊本ダンジョン』へのニワトリ厩舎の設置、リリアなんちゃらとの打ち合わせ。せっかくの九州ですのに遊ぶ暇が全くありませんわ!


 頑張ってお仕事を減らそうとニワトリ厩舎のお手伝いに行ってきたのですけど、エディと話をしていて諦めましたわ。トラックをチャーターするのに時間がかかってもう夕方になってしまいましたの。


「出来る女って、つい仕事を増やしてしまうのかしら」


「ティアちゃん。あなた別に何もしてないじゃない。やったのって牛を選んだだけでしょ」


 ふっ、全く何を言ってるのかしらエディは。全然わかってないわね。牛の選別が一番重要なんじゃない。


「おい、水竜の。俺はいったんリリア様のいる『佐賀ダンジョン』に戻るが、お前はどうするんだ?」


「あら、狼さん早いのね。もう厩舎の設置を完了しちゃったのね。私は熊本の牛を持っていくことになったから、あなたは先に行っていいわ。そうねぇ、タカシ様には遅くなる。夜食もいらないとお伝えいただけますかしら」


「そうか、伝えておこう。じゃあ先に戻ってるぞ」


 しょうがないわね。忙しいタカシ様には悪いけど一人で食い倒れツアーしちゃいましょう。お仕事も手伝ったしいいわよね。中洲の屋台が私を待っているわ。


「じゃあエディ、あとは頼むわよ。私には次の仕事があるの」


「どこか食べに行くつもりね」


「ち、違うわよ! ちょ、ちょっと市場調査かしら」


「中洲の屋台マップよ。持って行きなさい」


「エ、エディ! 愛してるわ」


「こんな時だけまったく。もういいから、後は私に任せて行ってらっしゃい」


 さすがエディね。乙女の気持ちが理解できる漢だけあるわ。なんて頼りになるのかしら。


 とはいっても私一人では中洲にいけない。電車とかよくわからないし、車はもちろんのこと運転出来ない。ひょっとしたら気合いでなんとか運転できるかもしれないと思うのだけど見つかったらタカシ様に怒られそうなのでやめておくわ。


 まぁ、私には本当に頼りになる『てんとう虫』さんがいるわ。電話一本で全てを叶えてくれるものね。さて、『てんとう虫』さんの運転で中洲に行きましょう。



「ここが中洲なのね! どうしましょう屋台がいっぱいあるわ。どれも小さい屋台なのね。すぐ売り切れにならないのかとても心配になるわ」


 私はパンフレットに載っていた焼きラーメンの屋台に入ることにした。豚骨の香りが強烈に臭くていい。ここは美味しい屋台ね。


「おやじ、空いてるかしら?」


「へいらっしゃい。奥詰めて。ほら入んな!」


「まぁ、ありがとう。早速だけど焼きラーメン五皿と焼き鳥を十本ちょうだい」


「なんだい、お土産かい?」


「違うわ。私が今ここで食べるのよ」


 お土産にしたら冷めちゃうじゃない。このおやじ何を言ってるのかしら。


「そ……そうかい」


 微妙なリアクションね。一体何を気にしているのかしら? わ、私、何か目立つようなことしてるのかしら? あっ!


「お金ならたっぷりあるから大丈夫よ」


 札束をこれでもかと見せてあげたのだけど、反応はいまいち。むしろ引いている気がする。


「い、いやそうじゃなくてだね……はいよー、焼き鳥十本どうぞ! 焼きラーメンは一杯ずつがいいかい?」


「一気にちょうだい。大皿にまとめても構わないわ」


「そ、そうかい。あ、あれっお嬢ちゃん、さっき渡した焼き鳥はどこに消えた!?」


「あー、焼き鳥ね。とても美味しかったわ。串を返すわね」


「お、おぅ。じ、じゃあ、焼きラーメン五人前だ!」


 ズッジュルー!! ジュルジュルー!!!!


「ふぅー、やはり当たりね。いい豚骨だったわ! おやじ、お会計」


「へ、へい」


 屋台は狭いのが難点ね。大量注文しづらいから面倒ね。えーっと、次に向かう屋台は鉄板餃子ね。


「鉄板餃子を十皿ちょうだい」


「おうおう、そんな食べれるのかい? ほらとりあえず先に二皿だ!」


「思っていたよりサイズが小さいのね。追加でもう十皿よ!」


 野菜や香辛料が入ったあんに豚ではなく牛肉を使用しながらもあっさりとした味わいに仕上がっている。この屋台も当たりだわ!


 締めはやっぱり長浜ラーメンよね。目当てのお店でベタカタネギオオメで替玉十杯、替肉五杯いただいたわ。


 もう、食い倒れ最高かしら!

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