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第11章 10話

「さて、お腹も膨れただろうから少し休憩を挟んでから魔法の練習にしましょうか。最初に魔力適正があるか確認したいのでステータスを表示して魔力を教えてください」


 確認したところ、一人ぐらい魔力適正の無いダンジョンマスターがいるかもとか思ったけど全員、数値に差はあれ魔力持ちであることがわかった。


 ここからは手分けして得意属性を調べてグループを割り振っていく。


「毎度のことながらなんでタカシ君が魔臓を刺激すると、あーなってしまうのかな?」


 『北海道ダンジョン』のマユさん、『三重ダンジョン』のナナミさんが頬を赤く染めていて息も荒い。二人とも地面に座り込んでいて目も虚ろに見える。まるでヤバい薬でも打たれた後のようだ。


「コ、コウジ。タ、タカシの魔力は変態なんだから、やる前からわかりきっていたことでしょ」


「ま、まさか、サクラちゃんもタカシ君の毒牙に! な、なんて……」


 雪蘭さんがアイシャちゃんを抱きしめながら僕のことを睨み付けている気がする。海外組同士とても仲がいいようだね。コウジさんにいたっては若干羨ましそうに見ているような気がしないでもない。


「へー、魔法っていろんなことが出来るんだー。これは頑張るしかないっしょ!」


 ニコル(花子)ちゃんのやる気がアップしたようだ。


「ほら、早く次に進むっしょ!」


「ふぁ、ま、まだ、身体に触れちゃダメぇぇぇぇ!!!!」


 マユさんの悲鳴が響くなか、何事もなかったかのようにグループ分けをしていく。


 それぞれの属性を元にして土、雷属性のコウジさんグループにニコル(花子)ちゃんとナナミさん。


 風、水属性のリナちゃんグループにマユさんとナオキさん。


 その他属性のサクラちゃんグループにユウタさんとアイシャちゃんに雪蘭さんと分かれてもらった。


「今日のところは切りのいいところで終了して、いったん自分のダンジョンに戻ってくださいねー。続きはまた明日の朝ね!」


 各々、案内人と相談したりすることもあるだろう。今後のスケジュールとしては、明日から三日間は引き続き『千葉ダンジョン』で合同練習を行い、以降はグループ毎に各リーダーのダンジョンで指導を継続してもらう流れを考えている。相性の良し悪しもあるかもしれないので、この三日間で様子を見たいとは思う。


 みんなピースケがチョイスした千葉のお土産セットとお弁当を一緒に持って帰っていった。今日はデザートを渡しそびれてしまったので明日以降のお楽しみにしていただこう。


「コウジさん、リナちゃん、サクラちゃんもありがとう。助かったよ。明日からもよろしくね」


「タカシ君の力になれて嬉しいよ」


「そ、そうね。タ、タカシはもっと私たちを頼りなさい。私たちだってちゃんと成長しているんだから」


「まぁ、師匠には師匠の考えがあるんだろうけど、私たちは師匠がいないと生き残れる確率がグッと下がるからね。『大阪ダンジョン』の件だって手伝えることがあるなら言ってくれていいんだよ」


「ありがとう。もちろん頼らせてもらうよ。『大阪ダンジョン』についても情報を集めているところだから力が必要な場合は相談させてね」




◇◇◇◆◆



 それからしばらくして会議室にはレヴィ、レイコさん、ヨルムンガンドちゃん、ピースケが集まり話し合いが行われていた。


「マスターやっぱよぉ、二階層のボスモンスターに何の相談もなく新人マスターの練習場として貸しちゃうってのはないんじゃねぇのか。しかもボスの間に至っては休憩所兼食事処だぞ!」


「あ、うん、ごめん」


「ダンジョンってもっと緊張感がなきゃダメだろ。だいたいマスター、九州ってとこ何回行くつもりだよ! 次は俺もついていくからな。とりあえず今回は貸し一つで許してやる」


「あ、うん、本当ごめん」


 ヨルムンガンドちゃんに九州行きの同行許可をもぎとられた。次はレヴィも連れていかなきゃだしな……。


 言いたいことを言えて満足したのか、ヨルムンガンドちゃんはレイコさんの膝の上によじ登り引き続き会議に参加する模様だ。


「ではお兄さま、今日の時点でまとめた情報をお伝えします」


「うん。よろしくね」


「まず、ダンジョンについてですがカモメ達が許されているのは一階層までだったため階層その他情報については一階層のみとなります」


「まぁ、そんな甘くないか」


「一階層は通称『鳥かご』と言われており、カモメ達がゆっくり休めるように止まり木やロープが張り巡らされているそうです」


「レベル1のカモメが大量に出入りしている時点でダンジョンポイントに余裕がありそうだね」


「その通りのようです。一階層ではガルーダ達が捕獲した小魚はもちろん、ポイント交換された食料や水はもちろん、水浴び場なども大量に用意されている鳥天国だそうです」


「カモメ達の情報はどのように集めているのかな?」


「『大阪ダンジョン』のボスモンスター、ガルーダキングのイーグルという者が情報収集を一手に引き受けています」


「タカシさん、『大阪ダンジョン』攻略のカギはそのボスモンスターにあると思います。私にいい考えがあります!」


 レイコさんがメガネをクイっとあげた気がした。まるでクラスの委員長みたいに神々しくクイっとしているような雰囲気を醸し出している。


 で、では委員長の話を聞きたいと思う。

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