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第10章 6話

 『菜の花』&『てんとう虫』コンビによる催眠乗っ取りはとてもスムーズに行われた。まるでコックピットに乗り込むかのように堂々と『てんとう虫』さんが入っていく。催眠状況は良好なようだ。


 彼らに指示した内容はあくまでも情報収集までとした。現時点では『大阪ダンジョン』のダンジョンマスターが何をしようとしているのかがはっきりわからない。カモメ達に出していた指示は二つだけだったのだ。一つはどこにダンジョンがあるのかを調べること。二つ目は見つけたダンジョンに見張りをつけること。たったそれだけだ。


 『大阪ダンジョン』から近いダンジョンとなると『香川ダンジョン』か『静岡ダンジョン』になる。そこで、『千葉ダンジョン』としては今後の活動方針を会議で決めることにした。


「僕が『熊本ダンジョン』に向かいながら『静岡、香川、佐賀ダンジョン』を。『山形、新潟ダンジョン』にいるカモメ達を捕獲するのを……やっぱりレイコさんにお願いするしかないか」


 レイコさんも同意見のようで続けて話す。


「そうですね。ティア先生達は地理感覚がまだ微妙ですもんね」


「房総半島は知ってるわ」


 近すぎるわ!


「お兄さま、いつまでもそのままでは何も変わらないと思うのです。ですので、お姉さまをレイコさんに同行させて北部エリアを覚えてもらうというのはいかがでしょうか」


「なるほど、それはいいアイデアだね」


「ちょ、ちょっと待ちなさい。レヴィはどうするのかしら?」


「わ、私は、その、お兄さまと西部エリアのお勉強をしてこようと思います」


「却下ね。ここは将棋で勝負するわ」


 ちょ、将棋ブーム続いてるー。どうやら案内人だけのブームではなくうちのボスモンスターにも影響を与えていたようだ。でも将棋で勝負とか時間掛かりすぎるわ!


「いや、『熊本ダンジョン』にはティアと僕で行くよ」


「そ、そんなぁ……」


 レヴィが絶望の表情を浮かべている。


「ふふん。レヴィ、小賢しいことを考えるからだわ」


「いや、誰に留守番を任せられるのか考えた結果なんだけどね。うちでまともに侵入者に対して対応が出来そうなのレヴィとレイコさんしかいないから。レイコさんが外出するなら必然的にレヴィには残ってもらいたいんだ」


「信頼していただいているということですね。わかりました。ピースケ様と『千葉ダンジョン』をしっかり守ります。でも次は私とご一緒してくださいね」


「うん。そうするよ」


「タカシさん、それでは私はヨルムンガンドちゃんと北部方面ですか?」


「うん、お願いするよ。あと、『新潟ダンジョン』についてはショウ君が手伝ってくれると思うから」


「ショウ君って、あの元勇者のですか!?」


「そうそう。いろんな耐性スキルを習得していて性格は真面目で大人しく変貌してるから大丈夫だと思うよ」


「そ、そうですか。まぁ、もしもの時はヨルムンガンドちゃんもいるし何とかしますね」


「うん、よろしく」


「タカシ様、ウンディーネは連れていくのですか?」


「うーん、さすがにまだ早いかな。レヴィと一緒に留守番しながら、引き続きレベルアップしてもらおうと思う。レヴィ、ウンディーネの面倒も見てあげてね」


「はい。かしこまりました」


 さて、こんなところかな。


「それじゃあ、出発しようか」


「お兄さま、気をつけていってらっしゃいませ」


「うん、留守を頼むね。何かあったらスマホに連絡ちょうだい」


 レヴィにスマホを渡してお願いをする。ちなみにレイコさんにはすでに渡し済みである。

「はい。わかりました」


 すると、もう一つ手が出てきた。えぇ、ご想像の通りティア先生です。


「タカシ様、私のスマホはどこにあるのかしら。これがあれば遠距離で『地の物会議』をすることができるかしら」


 個人的な理由で『てんとう虫』さんを使いまくりそうなので、あんまり渡したくなかったのだがまぁしょうがない。一人だけ渡さない訳にもいくまい。


「はい、どうぞ」


「タカシ様、愛してますわ!」


 くっ、すでに目はスマホしか見ていない。言葉がスカスカに軽いわー。

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