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第9章 14話

 『佐賀ダンジョン』に到着すると、『オークソルジャー』のブーちゃんとイノシシを操る『てんとう虫』さんがお出迎えしてくれた。


「ブヒブヒッ?」


 どうやら食材やバーベキューセットは? と聞いているらしい。闇属性魔法で保管してあるから大丈夫だよと伝えたら了解してくれた。


 どうやら荷物持ちも兼ねてのお出迎えだったらしい。気持ちだけ受け取っておこう。ブーちゃんありがとう。


 ダンジョンに入るとミサキさんとコウジさん、リナちゃんにサクラちゃんもいるではないか。あれっ、食材足りるかな?


「タカシ君、お疲れさま。みんなに話したらタカシ君のことが心配だったり、復活組のことを知りたいからって集まっちゃったのよ。とにかく無事でよかったわ」


「師匠、『新潟ダンジョン』からは美味しいお米を持って来てるから安心してよ」


「タカシ君、山形からは芋煮を準備してきましたよ」


 もちろん、チラチラとサクラちゃんを見ながらの発言である。このロリコンめ。


「し、静岡からは夜のお菓子『ウナギパイ』を大量に持ってきたわ。こ、これで徹夜でバーベキューできる?」


 リナちゃんは何故徹夜でバーベキューをしたいのだろうか。人見知りの癖に頑張っているな……。ちなみにそれは食材ではないけど。


「そっかぁ。みんな久し振り! 心配お掛けしました。話はバーベキューをしながら、ということで準備を始めちゃおっか!」


 僕とコウジさんでバーベキューコンロを組み立てて、着火材を使って炭に火を着けていく。その間に女性陣で食材のカットや炊飯の準備をして、オーク達がテーブルや椅子を持ってきてくれた。


「タカシ君、それで『熊本ダンジョン』にはどんなモンスターがいたんだい?」


 イケメンがメガネをクイッと上げながら聞いてきた。目線がサクラちゃんを追っているのはご愛嬌だ。


「一階層はゾンビ。二階層にウィッチ。三階層がカボチャ。四階層で白いお化けだったよ」


「なんだかお化け屋敷みたいだね。是非サクラちゃんと一緒に行ってみたいな。勿論暗闇なんだろうね?」


 とうとう言葉からも本心が漏れ出してきている。これは、サクラちゃんの魔法の指導を本格的に強化する必要があるかもしれない。


「そこまで暗くないですよ。月明かりで少し明るい感じかな」


「そ、そうか。それは残念だね」


 そうだね。僕はコウジさんに残念だよ。そんな話をしていたら食材の下ごしらえが終わったらしい。ミサキさんとリナちゃんが大量の肉と野菜を持ってきた。


「炭は大丈夫そうね。じゃんじゃん焼いちゃいましょうねー」


 ミサキさんがトングを片手にやる気満々だ。元気になってくれてよかった。リリアさんが攻略に来た時に責任を感じていたようだったからね。安心させてあげられたようだ。


「タ、タカシ! こ、これは私のサーロインよ。焦がさないでよ」


 心配なら自分で焼きなさい。僕がジト目でリナちゃんを見ると、そっと『ウナギパイ』を渡しながら言い訳を始めた。


「あ、熱い場所は苦手なの。汗をかきたくないし、ローパーのひんやりぷよぷよがないと調子が上がらないのよ」


 人見知りで引きこもりのリナちゃんだ。きっと本来なら来たくないだろうに、僕を心配して来てくれたのだろう。


「しょうがないなぁ。野菜もちゃんと食べるんだよ」


「キ、キノコは形が可愛いから好きよ」


「し、下ネタか!」



 それにしても国産和牛でやるバーベキューとかとっても贅沢だよね。脂が甘くて美味しい。和牛万歳。和牛最高!


「サクラちゃんが丁寧に筋切りをしてくれたから柔らかい和牛が更に美味しくなったよ」


「以前は生肉しか食べてなかったけど、筋のところは歯に引っ掛かるから避けてたのよね」


さすが三面六臂の怪物『ゲリュオン』。ワイルドなのか繊細なのかよくわからないね。



 一応、みんなに『熊本ダンジョン』のマスターのリリアさんと協力関係を築けたことと、窓口が『佐賀ダンジョン』になることを伝えた。


「タカシ君、リリアさんと連絡とかってどうやってとるの? 復活組とは会談が出来ないのよね?」


「うん。ミサキさん。連絡はスマホでやり取りしようと思う。お互いのダンジョンの入口に『てんとう虫』さんを配置するから何か連絡があったら伝えるようにしておく。リリアさんにも話は通してあるから」


「なるほどね。了解したわ」


 その後、ミサキさんがオーク達に焼けたお肉や野菜で餌付けしたり、コウジさんがサクラちゃんを離れた所からジーっと見てたり、リナちゃんがオーク達に『ウナギパイ』をバラまいたりしていた。


 さて、明日は大阪を視察しがてら帰ろう。

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