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第8章 8話

 その日、大阪では突然のモンスター出現に慌てふためいていた。ダンジョンを飛び出たガルーダの群れは潮の匂いを感じながら海を目指していた。


「ちょ、ちょっと、何あれ! 人間が空飛んでない? うけるー」


「何言ってるのよ。そんな訳……ぶはぁっ!?」


 飲んでいたフラペチーノが驚きで吹き飛んだ。飛んでいたのは人間ではなくモンスターなのだから。


「は、羽が生えてる! あ、あれは、モンスターだぁぁぁ!!!!!」

 

「に、逃げろー!!! 早く建物の中に入るんだ!!」


 突如現れたモンスターは淀川沿いに集結するとそのまま大阪湾に向かって空を駆け抜けていく。


 それは人間の体に鷲の頭と翼を持つモンスターだった。モンスターはまるで使命があるかの如く、人間には見向きもせずにテーマパークの上空を通り越すとそのまま海に飛び込んでいき見えなくなった。


 観光客で賑わうテーマパークは阿鼻叫喚の騒ぎとなっていた。緊急停止するアトラクション。乗客からは悲鳴が上がる。空を飛び交うモンスターを見て、建物の中に逃げる者、危険を省みず動画や画像を撮っている者と様々だ。少し離れた天保山大観覧車からは真横を通過するモンスターに身動きのとれない乗客は震え上がっていた。


 その日、緊急ニュース速報により、その異様な光景は日本列島を駆け抜けた。関西地方を中心にむやみな外出禁止が促され、八尾駐屯地から自衛隊と特侵隊が緊急派遣されたが、その日モンスターは再びその姿を現すことはなかった。


 その後、情報提供者からの連絡で『大阪ダンジョン』の場所が発見される。高槻市のポンポン山にモンスターが戻っていく姿が目撃されていた。


 それから定期的に海に向かうモンスターが目撃されるものの、人間への被害はまったくなかった。特侵隊によって攻撃や捕獲を試みるものの、モンスターの素早い機動力によりすべて回避されてしまった。




◇◇◇◆◆



 その頃、『熊本ダンジョン』では。


 情報収集に出たリリアの眷属であるコウモリ達がダンジョンに戻ってきていた。すぐにミイラ男のカールが情報をまとめていく。


「それで、近くにダンジョンはあったのか?」


「姫様、残念ながら今回の調査では見つけられませんでした。通常は、ダンジョンを中心に街の開発が進められるはずなのですが、その法則が通用しないようです」


「そうか、それで他に何か収穫はあったか?」


「はい、前の世界よりもかなり文明の発達した世界のようです。なんでも空を飛ぶ鉄の筒や陸を連なって走る鉄の箱があったとか」


「な、なっ! まさか、錬金術なのか」


「わ、わかりません。しかしながら、人間を甘くみない方がいいのかもしれませんね」


「ダンジョンの数があまりにも少ないからおかしいと思っておったのだ。カール、敵は人間かもしれんぞ」


「しばらくは情報収集に時間をかけましょう」


「う、うむ。ダンジョンが見つかってしまうのも悪手かもしれん。ガルフとフランケンに入口をカモフラージュするように伝えよ」


「はっ、かしこまりました」


 鉄の筒が空を飛ぶだと。まったく意味がわからん。ひとまず、飛ぶのは善しとしよう。だが、着地はどうするのだ。地面にぶつかるではないか。ま、まさか、わかったぞ、あれかっ! 大きな蜘蛛の糸で勢いを抑えるのだな。そうに違いない。くっ、恐るべし錬金術……。


「リリア、どうしたの? 難しい顔して」


「蓮子か、この世界がどんな世界なのか気になってな。蓮子は何かわかるか?」


「そうね。聞いたことあるのは、この世界の馬は食べられるらしいわ。刺身とかでもペロッと食べるらしいわ」


「野蛮、なんて野蛮なのだ! 馬は人を助ける動物のはずではなかったのか」


「姫様、おそらくですが使役動物を必要としていないのでしょう。農作業などにも鉄の箱が使われるのかもしれません」


「ま、また、錬金術なのか!」


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