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第8章 3話

「マスター、『香川ダンジョン』の場所っすけど、どうやら特定できたようっす」


「さすが『てんとう虫』さん。思っていたより随分と早かったね。ミクちゃんも会談断られたらしいからね。敵対する可能性があるのか、ちょっと気になってたんだよ」


「どうやらダンジョン内をイノシシの親子が棲みかにしているようっす。餌を取りに外に出た時に催眠で乗っ取れないかチャレンジしているみたいっすね」


「イノシシが棲みかにしてるってどういうことだろうね。討伐をしない理由が何かあるのかな」


「コウモリやニワトリ的な扱いってことはないっすか?」


「イノシシのようなエンゲル係数の塊みたいなのを飼育するのも考えられないしな。いや、イノシシは餌は外に取りにいってるのか。ただ寝場所を与えているだけ?」


「ダンジョン側のメリットがたいしてないっすね」


 すると僕たちの話を聞いていたティア先生が話に参加してきた。


「わかりましたわ、タカシ様。きっと丸々と肥るのを待っているのではないかしら?」


「それが既にとんでもないビッグサイズらしいっす」


「まぁ、欲張りさんなのね!」


 いや、食べるつもりならもう食べてるんじゃないかな。イノシシはダンジョンモンスターと共存しているのか? 聞けば聞くほどよくわからない。


「とりあえず、イノシシを麻酔銃で眠らせて手っ取り早く乗っ取っちゃってよ」


「麻酔銃はアレックス准将にお願いするっすね」


「うん。よろしくね」


「タカシ様。私はイノシシとやらを食べてみたいですわ」


「僕も食べたことないんだけど、美味しいのかな? 牛や豚の方が美味しいんじゃない?」


「タカシ様、知らないということはそれだけで罪ですわ。知っているからこそ、正しい判断が出来るのです」


 ティア先生が急にまともなことを言い出すとドキッとしてしまうが、間違いなく頭の中はイノシシ肉で埋め尽くされているに違いない。


「それじゃあ今夜はボタン鍋にしようか」


「さすがタカシ様ですわ!」




◇◇◇◆◆



 翌日、麻酔銃を撃たれた次男坊イノシシを深い催眠状態にして『てんとう虫』さんによる乗っ取りが無事成功する。


 次男坊イノシシの記憶を探るも、単純に洞窟内を寝床として使用しているぐらいのことしかわからなかった。やはり知識レベルにより仕入れられる情報にも限界がある。


 とりあえずダンジョン内に入ってみると中は初期ダンジョンのまま。イノシシの寝床は最奥の寝室であった。そして寝室から少し離れた場所に壁の上部を居住スペースに改造し、『えびせんべい』をポリポリ食べているダンジョンマスターと案内人を発見した。


「お、おい! 何見てやがる! さっきリンゴをあげたばかりだろう」


「リンゴをあげたのは長女イノシシの方だよ。あいつは次男坊イノシシじゃないかな」


「そうか。じゃあ、お前にもリンゴをやろう」


 リンゴをポイント交換したダンジョンマスターは次男坊イノシシの方に投げて寄越した。イノシシとの関係性がわからないが、なんとなくムカついたためリンゴをスルー。


「なっ! 食わないならこっち見るなよ! 2ポイント返せ! こらー!」


 これはどう考えてみてもマスターの敵ではないな。念のためしばらく様子を見るか。


「それにしてもマスターは他のダンジョンマスターと手を組むつもりとかないの? 『新潟ダンジョン』の女の子の話も断るしさ」


「勇者がダンジョンマスターと仲良く出来るか。それに新潟のはなんか嫌な感じがしたんだ」


「マスターも今はダンジョンマスターだけどね」


「お前のせいだろ!」


 とはいえ、イノシシの餌やりも飽きたしな。ちょっと他のダンジョンをみてみるのも一興か。


「おい、釜揚げ。うちのダンジョンを見せるつもりはないが、『新潟ダンジョン』を見に行ってやろうか。うちと同じくらいに開通したらしいじゃないか。ちょっとしたアドバイスくらいならしてやらないでもない」


「『新潟ダンジョン』でなら会ってもいいと伝えればいいんだね? 了解だよ」


 こうして、前の世界で殺しあった者達が姿を変え再び相見えることになるのだった。

 なんと『ダンジョンの管理人はじめました。』の書籍化が決まりました。


 自分でも驚いておりますが、これも今まで応援いただいた皆様のお陰だと思っています。


 これから書籍化の作業に取り掛かることになりますが、引き続き更新は出来る限り頑張っていきたいと思います。


 引き続き応援よろしくお願いします。

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