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第7章 13話

 今日から催眠のかかりが弱い隊員達が『千葉ダンジョン』にやってくる予定だ。対外的には尊い犠牲者となる方々である。申し訳ないけど、しっかり僕たちの養分になってもらおうじゃないか。


 僕自身はとりあえずレベル50を目指したい。ティア達もレベル30には乗せておきたいな。ということで、訪日観光客の方はみんなに丸投げして、レベルの稼げそうな隊員は僕が先に討伐させてもらうことにした。目標に達したらこちらもローテーションで回していこう。


 『千葉ダンジョン』にはアレックス准将が常駐となり現場の指揮を取ることが決まっており、ダンジョンの外と中に合わせて二万人規模の米軍部隊、特侵隊の面々を投入している。


 『千葉ダンジョン』の鋸山入口側には多くの物資とテントが張られていき、最終的には簡易宿泊可能な設備を整えるとのことだ。ちなみに上層部の約三千名は既に『てんとう虫』さんが操っている。



 ダンジョンの入口から米軍部隊が次から次へと入ってくる。彼らはアレックス准将から先発隊との交代要員としてダンジョン内に向かうよう指示されていた。


 「こ、ここが『千葉ダンジョン』か……。入口付近は思っていたより普通の洞窟なんだな。放射能測定器も全く無反応。本当にここで核兵器を使用したのか?」


 奥まで進むとすぐに先発隊の姿が見えてきた。負傷している隊員はいないようだ。安全はある程度確保されているのかもしれない。


 「ご苦労である。君たちの任務はこの先の二番目の通路を死守することだ。とはいっても『ゴブリン』ぐらいしか出ないがな。『ゴブリン』は見つけ次第討伐してドロップアイテムを持ち帰るように。レベルも上がって一石二鳥だぞ」


 確かにかなりの数の『傷薬』がドロップしているようだった。気を抜いてはいけないが、早くレベルアップを経験してみたい。


 「では、第一部隊と引き継ぎをして任務に加わってくれ。頼むぞ」


 「はっ!かしこまりました」


 その後、引き継ぎを終え任務についた我々はどこか浮き足立っていた。半日もしたら交代となる。それまでには何とかして『ゴブリン』を倒してレベルアップしたいのだ。引き継ぎをした部隊は全員がレベルアップしており、多くの『傷薬』を抱えていた。タイミングが悪かったのだろう。しばらくは現れないのかもしれない。


 ガサゴソッ


 「お、おい、通路の先から何か音が聞こえないか?」

 「お、俺も聞こえた!」


 ガサゴソッ


 「ちょっと様子を見てみるか?」

 「しかし、持ち場を離れる訳には!」

 「右半分は待機、残り左半分は『ゴブリン』討伐に向かう」


 「ず、ずるいぞ」


 「次はお前達の番だ。約束は必ず守るさ」


 「わ、わかった。早く行ってきやがれ」


 「あぁ。すぐ戻る。……おい、ジョーンズ! お前は右だろ」


 「い、いえ、ギリギリ半歩左側でした」


 「ダメだ! 戻るんだジョーンズ!」


 「くっ、わかりました」


 本人の知らないところで、とりあえず命の助かったジョーンズであった。


 足音を抑えながら音のする方へ近づくとそこに『ゴブリン』がいた! こちらに気づいていない。『ゴブリン』をすぐさま撃とうと構えた時、私の視界が斜めにずれていった。


 炎剣(レーヴァテイン)


 火系中級新魔法。近接戦で使い勝手の良い恐ろしく切れ味のいい炎剣である。


 ピコン!侵入者を討伐しました。


 7名討伐。討伐ポイント14万P取得。


 『ゴブリン』の気づいているけど気づいていない演技がなかなか様になっている。その内、演技スキルとか習得してもらいたい。効果はなんだろ? まぁいいか。


 僕は『透明化』スキルで彼らのすぐ隣にいた。新魔法の確認をしながら討伐させてもらったけど、かなりえげつない切れ味だった。パワースーツごと何の抵抗もなく振り抜けた。感覚としては素振りに近い。味方が近くにいる時は間違って斬らないように注意が必要だ。


 「ゴブリン、残りのやつらを呼ぶ準備よろしく」


 「ゴブッゴブゥ(任せときな旦那)


 そうして、僕らは順調にレベルアップをしていった。


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