第1章 10話
チュドーン!!
ヒュンヒュンヒュン~チュドーン!!
僕の治癒もあれから改善されて変な成分は抜けたようだ。そして、かなり効果の高い魔法だとわかった。お腹に穴が開いてても、すぐにふさがり元通りにするレベルとか。
怖いからまだ試してないけど大丈夫だよね。ティア先生と、レヴィちゃんが若干、寂しそうにこちらをうかがっているがもうあの治癒は使わない方がいいだろう。おもに僕の精神が持たなそうだ。
チュドーン!!
ヒュンヒュンヒュン~チュドーン!!
うん。水弾もかなり操れるようになってきました。
今現在、僕の水弾は『水の神殿』のまわりをヒュンヒュンとハイスピードで動き回っていて、その内のひとつが壁を豪快に破壊している。
通常は真っ直ぐにしか飛ばないそうだが、今ではティア先生もレヴィちゃんも少しなら動かせるようになってきた。頑張って練習してね。
ちなみに、僕は水弾常時10個ぐらいなら操作可能になっている。あと、自動追尾機能も搭載しておりスピードは時速100キロメートルを超える。さらにいうと同じスピードなら5メートルサイズの大きさまで動かせる。それはもうブルンブルン回ってた。
「『土棘』!」
そうそう、土属性の初級魔法覚えました。
地面から侵入者の足元を狙う魔法である。基本的に敵の後ろから、ふくらはぎをめがけて土の槍を発動させるという、かなり辛辣な魔法なのだが、初見の人はみな刺されるのではなかろうか。魔法こわい。魔法使いエゲつない!
もう1つ覚えたのがこの魔法。
「『土壁』!」防御とっても大事です。
「お姉さま、土壁は普通、土の壁のはずなのに。何で透明の壁なのでしょうか。しかも透明なのに土の壁より数倍強度があるのです」
「それはタカシ様だからですわ」
ティア先生。妹に説明できないくやしさを微塵もみせず、まるで全部知っているかのように堂々としていらっしゃいます。あたふたしたティア先生もラブリーですが、この凛とした佇まいの先生もまた素敵です。
「流石はお兄さまです」
レヴィちゃんもそれで納得したらダメだからね。特にお姉さまのことを無条件に信頼しちゃうチョロさはティア先生と一緒に教祖プレイが実現しそうでとても危険です。
僕の土壁は、防弾強化ガラスをイメージしている。戦闘中に土壁で敵が見えないとかありえないよね。もちろん強度は拳銃や小銃、機関銃を防ぐことを前提にしている。
ダンジョンへの外部からのミサイル攻撃は見えない透明の壁により意味をなさないらしい。おそらくダンジョンと現実の世界は同じ次元にないのではというのが僕なりの解釈です。
ともかく、空爆やミサイルで終了とはならず、ダンジョン内も通路幅をせまくしていることにより、戦車も入ることができない。注意すべきは化学兵器関係だと思うので、見つけ次第水弾させていただきます。
もうひとつ、取得したかった魔法があるのだけど、ポイントが足りないため断念せざるを得なかった。
そう。みんな大好き『稲妻』の雷属性である。稲妻はもちろんなのだけど、この属性で身体強化魔法が使えるのです。
ティア先生いわく、身体の動きをイメージ通りにし筋肉を刺激させ動かしていく補助的な魔法。その際、骨格等の内部器官を強化しスムーズな動きをもたらすらしい。
ポイントに余裕ができたら最初に雷属性を習得しよう。
男は黙ってサンダーボルト。
少しうつむき加減でおでこに手を置き指の隙間からクールに見つめ、無詠唱サンダーボルト撃ちたい!
ポイントないけど。とりあえず貯めよう。
それまでは、じっくり無理せず命大事に!




