長生きしたいなあ
「長生きしたいなあ」
と、あるとき僕はそう思った。
なので健康に気をつけて生活した。
でも肉の体は100年くらいでガタが来て動かなくなり始めた。
「う~ん、もっと長生きしたいなあ」
100年の間に地球では戦争が起きていた。
地球ではこれ以上長生きできそうになかったので、僕は戦争が起こした技術競争のおかげで発明された宇宙船に乗って地球を出た。
僕が月の裏側に行くとそこには地球よりずっと進んだ文明が広がっていた。
僕はそこで『機械の体』をもらった。
機械の体は肉の体とは比べ物にならないくらい丈夫だった。
僕は1000年ほど長生きした。
でも1000年すると機械の体は錆びてきて、動かなくなり始めた。
『う~ん、もっと長生きしたいなあ』
僕はその時、太陽系の外に出ていた。
修理のために月の裏側に戻ろうかと思ったけど、どうやら地球との戦争で文明は滅んでしまったらしいのでやめにした。
僕はアンドロメダ星雲に行った。
そこには月の裏側よりもずっと進んだ文明が広がっていた。
僕はそこで《エネルギー体の体》をもらった。
エネルギー体の体は機械の体とは比べ物にならないほど長持ちした。
僕は1万年ほど長生きした。
でも1万年すると、体の中のエネルギーが尽きて動かなくなり始めた。
《う~ん、もっと長生きしたいなあ》
僕は外宇宙にいた。
エネルギー補充のためにアンドロメダ星雲に戻ろうかと思ったけど、地球率いる太陽系軍との戦争で文明が滅んでしまったらしいのでやめにした。
僕はもっと外に行って旧支配者と呼ばれる人たちの所へ行った。
旧支配者たちは人間には理解もできないような進んだ科学力を持っていた。
僕はそこで【惑星と繋がった体】をもらった。
惑星と繋がった体は驚くほど、僕と繋がった惑星が死ぬまで生きた。
僕は100億年ほど長生きした。
でも100億年すると、僕と繋がっていた惑星が弱って体も動かなくなり始めた。
【う~ん、もっと長生きしたいなあ】
僕は惑星が爆発する衝撃に乗って太陽系に帰った。
地球はもう滅んでいた。
でも大きな小惑星が地球にぶつかって新しい原始地球が生まれるのを僕は宇宙から見ていた。
しばらくすると人間が生まれたので僕は地球に帰った。
地球ではこれまでに訪れたどんな星よりも幼い科学が広がっていた。
仕方がないので、僕はそこで「肉の体」をもらった。
肉の体はやっぱりもろくて、100年足らずでガタが来て動かなくなり始めた。
「う~ん、もっと長生きしたいなあ」
僕は病院にいた。
僕のベッドを何人もの肉の体を持った人が囲んでいた。
「何言ってるの。もう100年も生きたじゃない」
ベッドを囲む人たちは僕に言った。彼らは僕が肉の体で作った家族だった。
家族は笑いながら涙を流していた。
その時、僕は初めて体が壊れることに幸福を覚えた。
「そうだね。僕は長生きしすぎたかもなあ」
思えば100億と1万飛んで200年生きてきたけど、こんな気持ちは初めてだった。
「もう長生きはやめにするよ。おやすみ」
僕は静かに目を閉じた。
幽霊の体はどれくらい長生きできるのかなあ、とふと思った。
オチをください→ないです。
あっ、ない。じゃあ(書いた)理由を→ないです。
文才→ない。
あほくさ、やめたら? この趣味……