表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

観覧車へ行く→

「ど、ど、どういうこと、なんだよおおお!!」


 声を上げながら、あなたが入った施設は……観覧車、でした。


 一生懸命現状を整理しようとしますが、当然、出来ません。


 頭の中がぐちゃぐちゃのまま、ふと見上げると、どこまでも高く、その観覧車は見えました。


 目の前には、観覧車に乗るように、裏野ラビットのニッケルさんが、手招きをしています。


「……これに、乗れば、良いんだね?」


 あなたの言葉に、ニッケルさんは、答えます。


「これに乗れば助かるって言う訳じゃあ無いけど。


 ゴールできる可能性は(・・・・・・・・・・)あるよ(・・・)?」


「……充分」


 そう呟くと、あなたは、観覧車に、乗り込むのでした。


#########################


 観覧車は、どんどんと、その高度を上げていきます。


 窓を眺めると、驚くことに。


 どこまでも広がる、裏野ドリームランドを眺めることが、出来たのでした。


 それは、冗談でもなく、地平線いっぱいに(・・・・・・・・)広がる(・・・)遊園地(・・・)


 走って出口を目指すことは無理だろう、と、あなたは思いました。


 ふと、目の前の窓を見ると。


 そこには、小さな看板がありました。




『いま、何時?』




 裏野ラビットのニッケルさんが、おどけたポーズでそんな台詞を書かれ(しゃべっ)ています。



 看板の右側には、アナログ時計を思わせる、かわいらしい絵が。


 左側には、同じ縮尺で観覧車が描かれていました。


 何を言っているのか。


 少し考えて、あなたは気づきます。



 観覧車の数は、12。



 時計の示す数も、12。



 観覧車の示す数字が、時計の示す数字の、答え、では、ないか?






 バタン!!






 観覧車の、扉が開きました。



 扉から外をのぞくと、頂上に近い位置……時計で言うと、3時くらいの位置に、観覧車が、います。




 ……もはや、疑う必要も、ありません。


 出されたなぞなぞである……つまり。


 『いま、何時?』の、答えである、観覧車の問題は。


 その正解と(・・・・・)思われる時間に(・・・・・・・)ここから飛び降りろ(・・・・・・・・・・)というもの(・・・・・)なのです(・・・・)



 真っ暗な空を眺めて、予想をつけるあなた。



「北極星と、月の位置。


 あと、夏の星座の配置からして……」


 そして。



 12時半過ぎで、13時の前。


 なんとなくではありますが、そう、予想したあなたは。



 観覧車の、一番高い位置の、近く。



 そこに観覧車が移動すると。



 扉の向こうへ。



 ……ゆっくりと、飛び降りたの、でした。



###########################



「うん、凄いや!


 12時で正解だね」


 遠くから観覧車を眺めながら、裏野ラビットのニッケルさんは、一人事を言っています。




「……それで……それが(・・・)なに(・・)?」




 ……思い出されるのは、この遊園地の、ウワサ。


『ウワサ7 観覧車から聴こえる声


 廃園になった遊園地、


 人なんか誰もいないはずなのに……


 観覧車の近くを廻ると声がするらしい。


 小さい声で、


 『出して……』って』


「全く、言い掛かりも良いところだよ。



 裏野ドリームランドは、こんなにもオープン(・・・・・・・・・)なのに(・・・)!!」


 気味の悪い笑顔で、裏野ラビットのニッケルさんは、声を上げました。


 そして、地上高くから落下してくる人たちを見ながら。


「でも、なんだか最近、落ちてくる人が多いんだよね~。


 なんでか(・・・・)知らないけど(・・・・・・)


 と、他人事のように笑いました。


コンティニューへ→

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ