ドリームキャッスルへ行く→
「さ、さすがにここは、大丈夫だろう……!」
息を整えながら、あなたは一人ごちます。
場所は、ドリームキャッスル。
裏野ドリームランドの中央に位置する、重要なお城です。
夜になると、エレクトリカルなパレードが、お城から出発します。
……そんな城の地下に、拷問部屋?
あるわけ、ないと、思うのですが。
「……まあ、調べなきゃ、いけないんだろう、なあ……」
調子を戻したあなたは、一度深呼吸をすると。
……ドリームキャッスルの奥へと、足を運ぶのでした。
##########################
ドリームキャッスルの奥には。
ウワサ通り、拷問部屋が、ありました。
「おいおい……マジか……よ……」
あなたは、裏野ドリームランドのウワサを、思い出します。
『ウワサ5 ドリームキャッスルの拷問部屋
ドリームキャッスルには
隠された地下室があって、
しかも拷問部屋になってるんだとさ。
遊園地にあるわけないのに。
だから今度確かめに行ってくるよ』
ふざけるな、完全に死亡フラグじゃねえか!!
ひょい、と横を見ると、裏野ラビットのニッケルさんの看板が、ありました。
『拷問用具の中で、ニセモノが一つあります。
どれでしょう?』
ニッケルさんは、おどけたポーズでそんな台詞を書かれています。
「に……ニセモノ?」
あなたは、ゆっくりと拷問部屋を眺めます。
拷問用具の横には、丁寧に、名前まで書いてありました。
『アイアン・メイデン』
『ファラリスの雄牛』
『ヘッドクラッシャー』
『苦悶の梨』
『電気椅子』
……正直、使い道がわからないものも、あります。
しばらく、呆然とそれらを眺めていると。
「さあ、どれにする?」
後ろから、そんな、声が聞こえてきました。
振り向くと、そこにいるのは、当たり前のように、裏野ラビットのニッケルさん、なのでした。
……ニセモノを、選ぶ。
……正直、遠目では、どれが正解かわかりません。
どれもこれも、禍々しい光沢を放っています。
放っています……が。
「……じゃあ、これに、するよ」
あなたは、観念して、答えます。
理由はありません、なんとなく、です。
その答えに対して。
「おお、すごい!
正解、だよ~!!」
裏野ラビットのニッケルさんは、うれしそうに手を叩きました。
答えがあたっていると思っていなかったあなたは、驚いた顔をして、その後、笑顔を浮かべます。
「そうそう、そうなんだよ。
実は、君の答えた拷問用具は、『歴史的な遺産』とか何とか言われて、ホンモノを、貸し出して貰えなかったんだよね~」
裏野ラビットのニッケルさんは、解説を加えていきます。
「だから、君の答えた拷問用具は、ただの、レプリカ、なんだ」
ぎい、と、拷問用具が、音を上げました。
顔を引き攣らせたあなたに、裏野ラビットのニッケルさんは、言葉を続けます。
「ああ、大丈夫だよ。
レプリカには違いないけど。
本物に負けないような、素晴らしい出来栄え、だからね」
コンティニューへ→