ジェットコースターへ行く→
カンカンカン、とあなたが金属の階段を走って上ると、そこにはジェットコースター乗り場の入り口がありました。
「ひっ!」
突然目の前に裏野ラビットのニッケルさんが現れ、驚いたあなたですが。
よくよく見ると、それはただの看板、でした。
おどけたポーズで
『僕より身長が高い子は、進んでね!』
と書いてあります。
身長制限は100cm、くらいでしょうか。
「……っざっけんなよ!!」
あなたは看板を派手に蹴飛ばすと、更に上へと向かいます。
ジェットコースターがあるのは階段を4つ上った先です。
その手前に現れる裏野ラビットのニッケルさんの看板に、あなたは再度蹴りを入れようとして、思いとどまります。
なぜなら、その看板には……問題が、書いてあったのですから。
『死なない席が、一個だけあるよ。
ど~こだ?』
裏野ラビットのニッケルさんは、先ほどと全く同じおどけたポーズでそんな台詞を書かれています。
「……死なない、席?」
ふと、横を見ると。
ジェットコースターが、しゅんしゅんと音を立てて出発を待っていました。
席の数は全部で12。
3人横並びで4列設定の、少し珍しいタイプです。
恐る恐るジェットコースターに近づくあなた。
こんこん、とジェットコースターを数箇所叩いて見ますが。
もちろん部位によって材料が違うということは無いみたいです。
……ということは、問題に、何か意味があるのでしょう。
「しなない……471の、どれか?
ジェットコースターは9には止まれない、とかいうギャグか?」
いろいろな可能性を考えますが、コレといった結論は出ません。
……やがて。
plllllllllllllllllllll!!
ジェットコースター出発前のベルが鳴り響き。
『ジェットコースター、まもなく発車します。
お乗りの方は、お急ぎご乗車ください』
放送室から、裏野ラビットのニッケルさんの声が響き渡ります。
もう、あまり時間がありません!
「わからん……わからんけど……もう、ここぐらいしか考えられん!」
あなたは、覚悟を決めて、その席へと飛び込みます。
しばらくして、落下防止用……いえ、逃亡防止用のバーが、降りました。
……ちなみに、問題の答えは、『ジェットコースター、放送室の席』。
まあ、そこには、裏野ラビットのニッケルさんが座っているのですが。
そして同時に。
ジェットコースターの席の、床が抜けました。
「う、うお!?」
思わず、胸元のバーを両手で掴んで、ぶら下がった状態になるあなた。
危ない、危ない。
あと少し気づくのが遅れたら、5階の高さから地面に真っ逆さま、でした。
「た、助かった……。
……え?」
そして。
その状態で、進みだす、ジェットコースター。
ここであなたは、やっと、ジェットコースターでのウワサを思い出します。
『ウワサ2 ジェットコースターで謎の事故
ジェットコースターで起こった
事故のこと知ってるか?
「事故があった」とは聞くのに、
どんな事故だったのか誰に聞いても
答えが違うんだ』
どんな事故だったのか誰に聞いても、答えが違う。
……理由は、簡単。
落下地点が違うから、いろんな事故に、なっちゃうんです。
……その人の、握力次第で。
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