UDL(Urano Dream Land)
「わ、わっけわかんねー!」
あなたは大声を上げると、裏野ラビットのニッケルさんから逃げ出しました。
よーいどん!で振りかぶられた斧は、先ほどまであなたがいた地面に、深々と突き刺さっています。
大急ぎで、その建物を抜け出して。
ふと上を見上げると、いつの間にか空は真っ黒になっています。
そのまま辺りへ目を移すと、眩いばかりの電飾が満ち満ちていました。
あなたは、その風景に少しだけ見覚えがありました。
その昔、一度だけいった遊園地。
裏野ドリームランドにそっくりだったのです!
「ぎゃあああああ!」
「ぐええええええ!」
突然、周りから悲鳴が聞こえました。
よくよく見ると、自分の他にも少年や少女が遊園地内を走り回っていたのです。
彼ら、彼女らも、いわゆる犯罪者……『いじめられっ子を自殺させた犯罪者』、なのでしょうか。
そして、そんな彼ら、彼女らに向かって。
「待て待て~」
「捕まえた~」
ゆる~い掛け声とともに、複数いる裏野ラビットのニッケルさんが、次々と凶器を振り下ろしていきます。
「ぎゃあああああ!」
「ぐええええええ!」
おや?
彼ら、彼女らは真っ二つになったにもかかわらず、未だに苦痛を伴う悲鳴を上げていました。
あなたは思わずその光景から目を逸らすと。
「安いよ安いよ~」
「生きがいいよ~」
辺りには、煌々とランプに照らされた露店が広がっていました。
露天商はもちろん、裏野ラビットのニッケルさんです。
「ppppppppppppppppppppppppppppppppppppppp」
「@;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::」
店先に吊るされた首たちが、声にならない声を上げて泣いています。
「裏野パーク内で犯罪者は、なかなか死なないような仕組みになっているんだよ」
振り返ると、いつの間にか。
先ほどあなたに説明した裏野ラビットのニッケルさんが立っていました。
「ほらほら、急いで施設を選ばないと、君も店先に並ぶことになるよ~」
そして振りかぶった斧を、躊躇することなく叩き付けます。
あなたはそれを辛うじて交わすと、大急ぎであさっての方向に駆け出しました。
「こ、こんな茶番に付き合ってられっか!」
わざわざ、施設に飛び込む必要はない、出口を見つけてここから脱出しよう、と考えたのでしょうか。
無駄なことなのに。
20分ほど走り回ったあなたは、やっと気がつきました。
「なんだここ……出口が、ない!?」
息を切らして前を見ると、遊園地で一番大きい建物である観覧車が……どこまでも向こうにまで、いくつもいくつも、見えました。
鏡と鏡を向かい合わせた様な風景に、あなたは言葉を失います。
「し……施設の中に入るしか、ない、のか……」
体力も限界になったあなたは、他に方法が無いと判断し、配布された資料……『廃園になった遊園地のウワサ』に目を通します。
「待て待て~」
遠くから、裏野ラビットのニッケルさんの声が聞こえました。
もう、あまり時間はありません!
あなたは。
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