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2話 微睡みからの覚醒には賑やかな叫び

2話 微睡みからの覚醒には賑やかな叫び


届いた…

と感じた途端に、身体に引き寄せられて魂が肉体に宿った。

あぁ、間違いなく私は、サラになった。


今初めて触れた肉体なのに違和感はなく、完璧に正確に動かせると自信も持って言える。


サラは私になった。

私はサラになった。


ゆっくりと、私は瞼を開く。

そこには…

「きゃ〜、姫様が〜」

騒々しく叫ぶメイド服を着た女の子が部屋を飛び出し出て行った後ろ姿。


あれっ、感動の瞬間を返して…

最初に目にした光景があれなの〜…


感慨に耽っていると、今度はバタバタと近づいてくる足音。

う〜ん、起き上がった方がいいかしら。

でも、ずっと眠り続けていたのに、急激に動くのはきっと負担になるし、周りも驚くわよね。

ここは大人しく、足音の主人たちの到着を待つのが正解よね、きっと。


「サラ、目が覚めたのか‼︎」


声と同時に最初に飛び込んで来たのは、輝く金髪に濃緑色の瞳の持ち主。

多分20歳くらい?

背が高く実は隠れ細マッチョかなっていうスタイルも良い美形。

目鼻立ってあんなにバランス良く配置できるのね。

黄金律 あっぱれだわ。

いきなりベットを覗き込まれて、はたして未婚(?)の女性の部屋にいいのかしら。と余計なことまで考えてしまった。


「サラ、本当に目が覚めたんだね。あぁ、ずっとこの日を待ちわびていたんだよ」



バタバタバタ。

またしても足音。

金髪美形さんに返答する前に、第2陣到着。


「サラ」


この声は聞き覚えがある。

確か誕生日のお祝いに制服が届くと口にしていた男性。

30代半ば位の栗毛に水色の瞳。

なんだかとても安心感を与えてくれる雰囲気。



「サラっ…、本当にサラが目を覚ましたのね」


今にも泣きそうな声。

この声も聞き覚えがある。

ばあやに長生きして欲しいと口にしていた女性の声。

淡い金髪に新緑色の瞳。



私はいよいよ、ゆっくりと身を起こす。

慎重に。



「ご心配をお掛けしました」


とりあえず、まずはこの一言よね、きっと。








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