1話 神様との出会い
1話 神様との出会い
痛みを意識する前にいつの間にか意識は無くなり、そして目が覚めた。
目に入ってきたのは真っ白な景色。
遮るものもない、ただ真っ白な景色に、あぁ無事に死ねたのだと、不思議と納得してしまった。
んっ?
私 死んだんだよね?
なんで思考があるのかしら?
まさか閻魔様に天国と地獄の審判をされるんじゃないわよね‼︎
って まさかね。
そこでふと自分の姿が気になって、キョロキョロしても下を見ても、何もない。
手も身体も。
って、死んだんだから当たり前か。
う〜ん、身体はないのに、なんで思考できるんだろう?
『死後の世界じゃからな』
「なるほど!だからなんだ〜」
んっ?
誰?誰かいるの?
見回しても誰もいないのに。
「空耳かな?」
『ほっほっほっ、居るぞ』
ポンっと、目の前には 某魔法学校の校長先生みたいなおじいさんが‼︎
錆色のローブに、同色の先っぽの曲がった三角帽子、背丈より長い杖。
でもあの校長先生の杖はこんなに長くなかったかも。
う〜ん、真っ白な景色の中に、なんだか違和感があるようなないような。
まっいっか、答えてくれるなら。
「耳が無いはずなのに、聞こえたので 頭がおかしくなったかと思いました。
って頭もないか。でも思考はあるから、やっぱりあるのかなぁ?
話せているから口もあるみたいですし、どうしてだと思います?」
『変わった娘さんだのぅ。そんなに不思議ならまずは仮の身体をあげるかのぅ』
おじいさんが杖を軽く浮かすと…
さっきキョロキョロと見回してもなかった、鼻先が手が足が‼︎
「うわ〜、ファンタジー‼︎」
やっぱりこのおじいさん、魔法使いなんだわ。
『ちがうぞ、神様じゃ』
「って、今のは口に出してないわよ」
『わし神様じゃもん。心の声くらい聞こえるわい』
「なるほど〜‼︎魔法使いじゃないの〜。すごい神様って魔法使いのおじいさんなんだ〜」