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第二十四話:【過去編Ⅰ】捕らわれた者たちへ THIRD

約束は・・・・・・守ったぞ!

「全く。アリサからの連絡を受けて転移してきてみれば、死が鼻先まで迫っているなんて、もう少し自分を大切にしてください」

「あ、はい・・・すいません・・・・・・」

登場してからいきなりの説教に、リュージは思わず素直に謝ってしまう。

「はぁ・・・・・・。まあ、今はいいです。とにかくリュージは休んでいてください。彼の相手は、私が引き受けます」

そういって、リリアは顔を伏せる。

そして、上げる。


ただそれだけの行動で、いや。そもそもそんな行動すら必要ないのだが、まあ雰囲気作りというやつだ。

まあ、とにもかくにも。そんな彼女の行動により。


新たな世界が生まれる。

正確には、指定した範囲だけを結界で覆い、その中だけの風景を変転させる。

「なッ!?」

突然の現象に困惑を隠せない男。

「あぁ、お気になさらず。これ以上学校を破壊されてはと思っての簡単な措置ですので」

世界を1つ創りだす。それを簡単な措置と言ってのけるその天使は。


なんとなんと。さぁ皆さん驚きたまえ!

ついにリリアが。あの天使天使マジ天使と言われてきたリリアが!


背中に翼を出現させました!!!


まあ、生えたわけではなくて、身体からわずかに離れているんですけどね。だから、服が破けるとかそんなことはない。お色気シーン?なにそれ美味しいの?

「さて。ではお相手しましょうか」

何の気も無しに呟くリリアに、威圧感を感じつつも怒りを覚えた男は。

「上等だ!意味わかんねぇ力ぁ使いやがって。灰にしてやるぜ!」

そういった男は、炎の巨人にさらに魔力を送り込み、なお一層強大にする。すでに全長は5メートル以上、纏った炎は摂氏1万度を誇る巨大な炎の壁は。

それでもなお。リリアに恐怖を与えるには至らない。

「なるほど。確かにこれは、リュージには不利ですね。人の身でここまでの力とは」

リリアは、感心したようにそう呟くと、腕を軽く振るう。


それだけで、炎の巨人は消滅した。

「なッ!一体何が!?」

困惑する男に対し、しかし全く説明する気のないリリアは、構わずに歩き進む。

「これでも私、怒ってますからね?」

何の気なしに呟くリリアの背後、そして右手には。

魔法が存在するこの世界の人間にも理解できないほどに洗練され、高度化された、複雑怪奇な魔方陣が現れる。そして背後のそれは、まるでガラスに銃弾をぶち込んだように、空間に漆黒の亀裂が四方八方へ広がし、世界を侵食する。

だが、そんな現象すらも、なんてことはないとでも言いたげに、事の大きさが理解できない子供のように、自分の扱っている力が、当然の出来事のように。リリアは続ける。

「あんな人ですけど、あれでも一応、私の主なので。主が傷つけられたのですから、従者たる私が落とし前をつけませんと。ねぇ?」

あくまで笑顔。そのままにリリアは。

「そんなわけで。神に創られし戦闘兵器である私の力。お見せしましょう」

そういって、術を発動させた。


それは。世界が崩壊した報せだったのかもしれない。もしくは、命が尽きる合図だったのかもしれない。

ただただ。音にならない何かが響き渡り、そして消えた。

男が記憶に留めておけたのは、そこまでだった。




気絶した男を拘束し結界を解いた私の目に入ったのは。

廊下の床で爆睡しているリュージだった。

「・・・・・・はぁ~」

まあ、期待していたわけではありませんが。あのリュージが、まさか私の帰りを今か今かと心配している絵なんて想像できませんし。

しかし、完全に安心しきったように熟睡って、なかなか出来ませんよね。私のことは眼中になかったとしか思えませんね。気にしてませんけど。

えぇまったく気にしていません気にする要素がありませんからねリュージがいつどこで爆睡しようが関係ないですし!


「・・・・・・・・・んぁ?あぁ、リリア。お疲れ」

なにがお疲れですか。その顔面をぶん殴って眠気を吹き飛ばして差し上げたい。

「えぇ、お疲れ様です」

私は、なるべくこの怒りがリュージに気付かれないように、極めて平常心を努めたのだが、しかしリュージには一瞬でバレてしまったようで。寝ぼけているくせに、なんて鋭い。

「えーと・・・・・・あれ?なんか怒ってる?」

「怒ってないです」

「いやだってなんか「怒ってないです」・・・・・・そうですか」

やっぱ怒ってるじゃん、とか呟いて、それでもしぶしぶ追求を止めたリュージ。まったく、調子を狂わされる。

もういっそ言ってしまいましょうか。このよく分からない苛立ちを。言えばいくらかスッキリするかもしれませんし。

「怒ってはないですよ。ただ、まだ私が戦っていたにもかかわらず、よくもまぁ熟睡できましたね、という嫌味です」

一方、そんなことを言われても未だ頭が眠っているリュージは。いまいち理解できずに、寝ぼけたままに答える。

「そりゃー、リリアのことは完全に信じきってるからな」

「・・・・・・へ?」

一瞬、言われたことが理解出来ずに呆けてしまう。

「いや~、戦ってたのがリリアだったから、安心して寝られた。完全に熟睡しちゃったよ」

「はぁ・・・安心ですか」

そんな私の様子に気が付いた様子もなく、ただただ笑って続ける。

「あぁ。だってリリアが負けるわけないもんな。信頼の成せる力だ。愛だね愛」

「愛は関係ないでしょう」

と、一応のツッコミは入れるものの、私は思わず苦笑いを浮かべてしまった。

まったく。私のような、作り物の天使に、いったい何を言っているんだろう。という気持ちも、確かにあった。が、それ以上に。

自分が信頼されて、完全に安心される。

その事実に、思わず笑ってしまったのだ。

そして。それを当然のことだとでも言いたげなリュージに、温かさを感じた。

「・・・・・・リュージ」

「うん?」

いったいどうして、そんな間抜けな表情で、あんなことが言えるのか。未だに笑顔を浮かべながら、とりあえず、思ったことを伝える。

「よだれ、拭いてください」

「え。・・・・・・うおっ、ホントだ」


作者「・・・・・・えぇ、わかっています。わかっていますとも」

リリア「それでは・・・・・・皆様の前で、どうぞ」


作者「・・・・・・すいませんでしたー!」


リリア「えぇえぇ。自分でよーくわかっていますよね。では、自らの犯した罪を、ご自分の口から発表してください?」

作者「え、いや、それはちょっと・・・・・・」

リリア「・・・・・・さあ。どうぞ」


作者「私かわまさは、皆様の前で年内に1本更新する、という出来もしない公約を宣言してしまい、それを守るためだけに、愚かにも自らの信念を捻じ曲げ、本来2本でお送りする予定だった話を、あまつさえ4分割する結果となってしまいました。えぇ、本来は今日、今回の話を終わらせるつもりだったんですよ。それを今回は無理矢理切ってしまいまして。しかも、なんとか今日中にということで、もう駄文も駄文。とりあえず文字を連ねてみたという感じです。大変申し訳ございませんでした!」


リリア「へえ。たったそれだけ。ただ事実を告げたただの言い訳で、この場を生きて切り抜けられるとでも?えぇそんな甘い考えをお持ちのようで」

作者「ふふふ。リリアちゃん、めっちゃ怒ってるー」

リリア「ふふふ。えぇ私とても怒ってますからねー。数少ない私の見せ場が、まさかこのような内容とは」

作者「・・・・・・。皆様。今年も残るは最後の1日となってしまいました。この年の瀬を迎えるにあたって、なにかやり残したことはございませんでしょうか。最後の大晦日。ぜひ、今年中にやっておくべきことにチャレンジしてみてください。え?私はもう無理ですよ。えぇだって私の今年の目標は『可愛い美少女の彼女を作って周りが恨むくらいにイチャイチャする』でしたので。可愛いも美少女も関係なく。えぇ彼女すら出来ない状況で、いったい何とイチャイチャすればいいんでしょうね。あれですか、美少女の画像とでもイチャイチャしてましょうかね。あれスゲー寂しいの。楽しいんだけどね。終わった後がね。

はい。まあ私のことなんてどうでもいいですね。それでは、皆様にはラスト1日、良いお年を過ごしていただきたいものです。では皆様、良いお年を。そして来年もよろしくお願いいたします」

リリア「私からも、みなを代表して。読者の皆様。一年間大変お世話になりました。このような作者の道楽にお付き合いいただき、大変ありがたく思っております。今作ももう1年以上を経過いたしまして、これからもよりよい作品を提供することを目標に、日々邁進していきたい所存でございます。それでは皆様」

全員『2014年も、よろしくお願いいたします!』


リリア「・・・・・・新年の挨拶はいつになるんでしょうね」

作者「リリアちゃん。それは禁句」

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