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第二十二話:【過去編Ⅰ】捕らわれた者たちへ FIRST

タイトル変更しました~。

2ヵ月ぶり?くらいかな。いやーホント、久しぶりです。

まあ、前書きなんてどうでもいいんで、すっ飛ばしちゃってください!

では、本文へ!


「さて、皆さん。戦争を、始めましょうか」

『いやでーす!』

純粋無垢な子供たちの声が、教室に響き渡る。満場一致の否定だった。

「こ、子供に・・・こんな純粋な子供たちに、純粋に嫌われた・・・・・・」

膝を抱え、教室の隅で丸くなる俺。そんな俺の背中から、今度は子供たちの笑い声が聞こえた。

「ははははは!また膝抱えてるー」

「はははは!」

「ゴメンってば~。冗談だよ。私たち、【戦争ゲーム】大好きだもん!だから泣かないでよ先生(・・)~」


そんなわけで、現在(わたくし)リュージは、インサー帝国のある学校で、暫定教師として働いている。

どうしてこうなった?


・・・・・・いやまあ、事情は知っているんだけどね。言ってみたかっただけだよ。



ある天気のいい日。何曜日かは知らん。そもそも、曜日ってあるのか?この世界。

特にすることもなかったため、本当になんとなく、インサー帝国を訪ねたのだ。本当になんでだろう。あれかな。アリサにしばらく会っていないからかな?最後に会ったのは・・・・・・確か、村に謝罪に来たときか?

ちなみに、エルクリアというのは長いからアリサと呼んでくれといわれたので、それで通している。


まあ、そんなわけで。

「よう」

「ん?あぁ、リュージさん達ではないですか。もしかして、皇帝になにか御用で?」

一言言っておくが、彼は門番である。城を守る、最初で最重要の要、最強の砦である、とてもお強い方である。まあ、門が破られたらマズイからね。

どうやら、前回俺達が侵入してから設置が本格的に決定したらしく、なぜか上層部の方々からお礼を言われた。どうもどうも。

「まあそうだな。なんとなく、暇を潰そうと思って、アリサに会いに来たんだ」

そういうと門番は、どこかに連絡を取る。

「はい・・・・・・はい、リュージさん御一行がお見えに・・・・・・はい、わかりました。皆さん。皇帝がお待ちですので、どうぞ中へ。まっすぐ進むと、案内の者がおりますので」

そういって門を開けた。しっかりと新調された門を。俺がぶっ壊したせいで、新しく作ることになってしまった門である。いや、ゴメンね。よく考えれば、別に壊さなくても良かったんだと思うと、心苦しくもある。



「久しぶりね、リュージ、エクス。あら?他のみんなは?」

「あー、今日はみんな、仕事があるんだとさ。だから、2人で暇を潰しに」

そういうと横からエクスが、茶化すように言う。

「ははは。リュージ君たら、恥ずかしがらずに、素直に言えばいいじゃないか。最近アリサ君に会っていないから、ここまで来たんだろう?」

「止めなさいエクス。そういうことを面と向かって言うと、とても恥ずかしいんだ」

「はっはー。そういって顔を赤らめる君は、なかなかにレアだね」

「うっせ」

恥ずかしい。確かにその通りなんだけど。いつもだったら俺がネタにするくらいなんだけど。あれおかしいな。スゲー死にたい。穴があったら俺を埋めて欲しい。

「ふふふ。相変わらず仲がいいのね。ほら、立ち話もなんだし、どうする?応接室にでもいく?」

アリサは微笑を浮かべながら、俺達のやりとりを見る。

「う~ん、いや。今日は、町を見たいんだ」

「あらそう?じゃあ、案内しましょう。歩いていく?」

「そうだな。町の様子が見てみたいから」


少し着替えてくる、といって自室に戻ったアリサを、門の前で待つこと数十分くらい(感覚なので正確な時間は知らない)。

「ごめんなさい、待たせたわ」

そういって軽く駆けて来たアリサは・・・・・・おぉ。

軽い。とても軽い格好だ。今までは、簡単なドレスって感じの格好だったが、今はどこか男の娘って感じの雰囲気を出している。

だって、だぼズボン(正式名称は知らない。ほら、ラッパーとかが穿いてるような)に大きめのTシャツという、ゴメンもろラッパーだったわ。

「おい。なんだ?その格好」

「う~ん。町に行くなら、軽い格好のほうがいいでしょう?」

軽いっていうか、チャラいって感じなんですけど。まあ、似合っているからいいことにしよう。ご丁寧に、キャップまで被ってらっしゃるし。

「じゃあ行きましょうか」

そういって歩き出すアリサには、皇帝であるはずなのに誰も護衛がいない。どころか、門番が笑顔で『いってらっしゃいませ~』とか言っている。

まあ、この皇帝が部下を大量に引き連れて町に下りるとか、想像できんからな。強いし。

そんなこんなで。チャラい格好の皇帝に連れられて、俺達2人は、インサーの町並み見学に向かった。



「ふーん。結構賑やかだな」

リュークブルナイのように多種多様の文化が~というわけではないが、それでも人々の賑わいといったら、リュークブルナイに引けをとらない。

「この辺は商業エリアだからね。町のほぼ中心だから、人がたくさん集まるのよ」

右を見れば魚屋。見たことのない魚がたくさん置いてある。その隣は八百屋で、俺達の世界にあるものと似たものもある。向こうは・・・・・・雑貨屋かな?

「う~ん。ついつい目移りしてしまうね。おや、アリサ君。あれはなんだい?」

そういってエクスが指差した先には、少し大きな建物の屋根が突き出ていた。

「あぁ。あれは学校よ。もう少し先にあるのだけれど、大きいからここからでも見えるのね」

「へ~、学校か。そんなものもあるんだな」

「興味があるなら、行ってみる?」

「え、いいのか?」

「えぇ。今日は学校、やっているから」

つまり、平日的な扱いだと。

「んじゃ、行ってみようかな」

そんな流れで俺達は、学校に向かったのだ。



「おぉ、広いな」

こんな町の中に、よくこれだけの土地を確保できたものである。ホント、都心の学校とかスゲー狭いからね。

「だってここは、国家の教育施設だもの。それに、この町を造る当初から建設予定だったから、土地はちゃんと確保されていたのよ」

ふーん。しっかり整備されているのね。素敵。

「じゃあ、ちょっと許可取ってくるわね」

そういって歩き出すアリサは、迷いなく正面玄関(おそらく校門)から入っていく。

(おい、エクス。アイツ、あの格好で入っていったぞ。いいのか、あれ。見た目ただのラッパーだぞ。通りすがりのミュージシャンだぞ)

(いや、いくらなんでも大丈夫なんじゃないかい?彼女はあれで皇帝なんだし、わざわざ締め出されるような格好で入ったりはしないだろう)

(まあ、そうか。皇帝だもんな。顔パスレベルだよな)


数分後。涙目になって帰ってきたアリサをなだめ、3人で事情を説明しにいったことは、言うまでもない。



「どうしてそれでいけると思ったんだよ」

「うぅ・・・・・・。だって、絶対大丈夫な気がしたのよ・・・・・・」

皇帝でもラッパーなのに、どこからその自信は出てきたんだろうな。こいつの頭の中では、自信の泉でも湧き出ているのか?

「ははは。いや申し訳ない、皇帝殿。まさか貴女が、そのような風体でお見えになるとは思わなかったのでしょうな」

「いや、仕方ないっすよ。誰もわかりませんよ。これが、一国を治める主だなんて」

「これとか言わないで。結構傷付いているんだから」

未だに落ち込んでいるアリサを、よしよしと宥めつつ、目の前の初老の男と向き合う。

「おぉっと、申し訳ない。名乗りが遅れましたな。わたくし、当校の校長をしております【エグバート・ゾルデ】です」

「俺はリュージです。こっちは、俺の相棒のエクス」

「よろしくお願いしま~す」

俺に続き、エクスが挨拶をする。すると、エクスを見たゾルデさんが若干驚いた顔をする。

「ほう、こんなに幼い娘が・・・・・・。うちにいる子達と変わらないように見えますが、立派なものですな」

まあ、見た目もいいとこ中学一年、いややっぱり小学生か。12歳とかが妥当かな。

「まあ、人は見た目だけじゃないですからね。こいつ、こう見えて俺よりしっかりしてますからね」

「ふふ。比べる相手が君じゃあ、大した保障にはならないよ」

「え?」

俺達のそんなやり取りを見て、ゾルデさんは笑顔を見せる。

「ほう。確かに、しっかりしてらっしゃる。ははは」

なんてこった。俺がダメな子認定されてしまったよ。

「ふう。あなた達のやり取りを見ていたら、なんか落ち込んでいるのがバカらしくなってきたわ」

俺達が色々話しているうちに、アリサが若干失礼な立ち直り方をしていたが、まあ元気になったのならいいか。

「それじゃあ早速、校内を案内してもらいましょうか」

「はいはい、わかりました。それでは皆さん、行きましょうか。今は授業中ですので、まずは施設のほうから」



一言で言うと、凄かった。

まあ大半の学校にはあるであろう飼育小屋。もう牧場だった。

プール。ウォータースライダーと流れるプールがあった。

体育館。東京体育館みたいだった。

などなど。とにかく広くてデカかった。町の中心から見えたにもかかわらず、建っているのは森の近く。町の中心から離れた場所だった。

「ここ、スゲー予算掛かってるだろ」

「まあ、未来のための投資だからね。それなりに割り振ったつもりよ」

「そのおかげで、われわれも色々な授業をさせてやれて、助かっていますよ。それでは、そろそろ教室棟に向かいましょうか」

棟って・・・・・・。かっこいいなぁ、その響き。何とか棟!



その教室棟に到着すると、ちょうどチャイムが鳴ったところだった。

チャイムと共に聞こえてくる、子供たちの喧騒。休み時間が楽しみであることは、どこの世界も共通らしい。

「ちょうど授業が終わったようです。それでは、適当に回ってみましょうか」

一歩。教室棟に踏み込んだ瞬間。

「あー!誰か来たー!」

早速、小さな子供に発見されてしまった。小学2年生とといったところか。しかし。彼女の一声で、近くにいた子供たちが一斉に反応し、ワッとこちらに迫ってきた。人の波に揉まれ、というほどではないが、大量の子供たちに張り付かれて、正直動きにくい。そして、子供の行動力ってスゲーな。一直線だよ。暗殺とか絶対向いてない。

「ゾルデさん、アンタ校長でしょ!?ちょっと落ち着かせてくんないかな!」

しかしゾルデさんは、ただ笑うだけで。

「ははは。いやいや、子供たちの自主性を無視するわけにもいきませんからな」

「いいこと言うじゃない。さすが校長ね」

あ、アリサのやろう。いつの間にか校長と離れたところに避難してやがる。あのラッパーめ。

とにかく・・・・・・誰か、助けてくれ。



「は?俺が教師に?」

散々生徒たちにもまれた後、授業が始まるという理由により解放され、再び校長室へ。そこで俺は、思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。

対してゾルデさんは、至って普通に話を進める。

「はい。リュージさんには是非とも、本校の暫定教師になっていただきたい」

ゾルデさんの話によれば、どうやら昨日から、1人の教師が怪我で入院をしてしまったらしく、約2週間ほどの入院生活を余儀なくされてしまったらしい。そこで急遽、代わりの人間が必要になったのだがどうたらこうたら・・・・・・。まあ要約すると、その人の代わりに俺が働け、ということらしい。

・・・・・・いやいやいや。

「なに言ってるんすかゾルデさん。俺に教師なんて無理に決まってるじゃないですか」

そもそも、何を教えればいいんだ俺は。教えられることなんて何もないぞ。

そんな考えが顔に出ていたのか、ゾルデさんは微笑を浮かべながら話し出す。

「いえ。その点に関してはご心配なく。リュージさんには科目教師ではなく、クラス担任となっていただきます。それでしたら、特別な専門知識も必要ありません」

如何でしょう?とでも言いたげな表情のゾルデさん。いや、そんな顔されても・・・・・・。

「いいじゃない。やってみたら?」

「お前は何を言ってるんだ?」

まあ、しかし。実際、少し興味はあったりするのだ、教師。だから、引き受けるのはやぶさかではないんだが・・・・・・。

「大丈夫よ。何か問題があれば、私の責任で代わりを立てるわ」

「アリサ・・・・・・」

さすが皇帝だぜ。かっこいいセリフをサラッと言ってくれちゃって。・・・・・・まあ、格好がチャラいから、全然締まらないけど。


そんなこんなな経緯で俺は、暫定教師になりました。



「・・・・・・どうしてこうなった」

現在俺は、薄暗い部屋の中に閉じ込められていた。

おかしい・・・・・・いくらなんでも展開が早すぎる!一体どういうことだ、世界よ!俺が何をした!絶対に、許さない・・・・・・!


「現実逃避は済んだ?」

「うん。まあ、一応」

一緒にいるのはアリサ。それと、眠っているのがエクスである。

一体なにがあったのか。俺にもいまいちよくわからないが、おそらくこれは、監禁というやつだろう。

「これはさすがに、予想外だったわ」

「まあ、予想できてたら、わざわざ訪ねてきてないだろうな」

お互いに、気のない会話を続ける俺たち。外の状況は全くわからないが、運ばれてくる食事の回数から、おそらく一日は経っている。今は、真夜中だろう。

正直に言えば、こんな扉、素手でも破壊できる。人型になっていたために武器だと思われずに回収されなかったエクスが一緒にいるので、そこらの壁も破壊できる。

しかし、それが出来ない状況に今、俺たちは置かれているのだ。


「まあ。さすがに生徒の命を抑えられたら・・・・・・ね」

そう。俺たちが監禁されていることに、おそらく学校側は気が付いていない。休日で学校が休みだからだ。明日になれば、俺が学校に来ないことには気が付くだろうが、それでは遅い。皇帝が留守なのは問題だが、まあそこはアリサ。一日や二日の無断外出なんてザラにある。

そして、もしも俺たちが逃亡すれば、この学校の生徒に手が及ぶ。いや、どころか、関係のない一般の国民にまで。

「しかし、奴らの目的はなんなんだ?」

俺の質問に、しかしアリサは明確な返事を出来ないでいた。

「目的・・・・・・。いえ、恐らくは皇帝である私への何か、なんでしょうが・・・・・・。明確な要求とかがないのよね。まあ、現在の政治状況とか、その他諸々を鑑みるに、どうせダイソンさんとかと同じだと思うわよ?」

「というと・・・・・・えーと、なんだっけ。強硬侵攻派?だっけか」

「そう。まあ、本人なのか、雇われた人間なのかはわからないけれどね」

つまり、姑息な小細工が通じなかったから、直接トップの人間を脅しに掛かったってことか。わからないでもないが・・・・・・どうして俺が?

「まあ、ここまで皇帝と、直接的に親しくしている人間っていうのも、珍しいからじゃないかしら?」

「ふん。それで、人質程度の価値はあると勘違いしたわけか。はっ、愚かな奴らだ。俺にそんな価値があるわけがなかろうが。無価値だよ、無価値!」

「自分で言っていて悲しくならないのかしら、この男は・・・・・・」

まあ、おふざけはこのくらいにして。どうしようか困っている、というのが本音である。現状、俺たち2人しか行動できないという状況で、わずかでも人命に危険が及ぶようなことは出来ない。ゆえに、強行突破はナシだ。

え、だったら外部と連絡取ればいいじゃない、あぁ異世界だから携帯電話とかないのかごめんなさいね~そっちの文化水準高く見積もりすぎたわ~携帯電話とかないのよね~異世界(笑)だから~。とか思ったヤツ。ちょっと表出ろ。

異世界バカにすんなよ?この世界にはな、【通信石】というとっても便利なものがあるんだよ。コイツはな、基本的に石自体が持つ魔力で動いてるからバッテリー切れなんて現象は起きないし、通信用のアンテナとか設置する必要もないから登録した石とはどれだけ離れていてもいつでも通信が届くし充電も必要ないし寿命もないし硬いからなかなか壊れないしもし仮に壊れたとしても別の通信石に登録石のデータを移すことも出来るし実はここだけの話だが石に音声で入力したデータをメールみたいに文面で送ることも出来るしで、ケータイ(笑)なんかとは比べ物にならないくらい便利な代物なんだけど回収されちゃったら何の意味もないですよね。

犯罪者舐めんな。そりゃ、そんな石いの一番に回収するわ。オマエ、犯罪を犯すようなヤツは総じて頭悪いとか思ってんじゃねえぞ。体は子供で頭は大人の名探偵のお話とか見てみろよ。あそこに出てくる犯人みんなメチャクチャ頭いいからな。発想のプロだよ。名探偵さえいなければ警察の目を欺いて完全犯罪コースだからな。


話が逸れたか。

まあ、そんな理由やらがあるため、迂闊に動けない俺たちは、こうして待機しているわけだけれども。


「暇だから駄弁ろうぜ」

「どうしてそんな発想に至るのか、不思議だわ・・・・・・」

え・・・・・困ったときはトークじゃないの?あれ、俺がおかしい?いや、世界がおかしい。

そんな俺を見て、額に手を当てながら息を吐くアリサ。おいおい、ため息なんて良くないな。ため息1回で幸せが1つ逃げているというではないか。そうでなくとも、ため息1回で余分に酸素を吸って二酸化炭素を排出している。そういう小さなところから、環境対策、クリーン・リュージです。まあ、だったらため息の原因を作るなって声には、貸す耳持ちませんよ、俺。

そんなことを1人でやっていると、アリサは考え抜いたゆえの結論みたいに、渋々答えを出した。

「はぁ・・・・・・仕方ない。いいわ、お話しましょうか。どうせすることもないし、もしかしたら何か良い案が浮かぶかもしれないから。浮かばないかもしれないけど」

大して期待はしていないと、その言葉は語っていたが。それでも挫けないのが俺である。いいと言うのなら、始めようか、俺の時代を!

「アリサって風呂に入るとき、身体のどこから洗うぶはぁっ!?」

顔面を、全力で殴られた。殴ったな、父さんにも殴られたこと・・・・・・あるんだよなぁ。このネタ、俺使えねぇんだわ。どうしようかな・・・・・。あぁ、そうだ。妹にも殴られたことないのに!・・・・・いや、あったな。むしろしょっちゅう。母さん、もあるし・・・・・・。おい、手詰まりじゃねえかよ。仕方がない。ここはあえてスルーだな。

「ぐぅ・・・・・・痛いじゃないか」

「あら、それは良かったわ。あなたに痛みをプレゼント出来て、私はとても幸せよ(はぁと)」

「素敵な笑顔をありがとう。その笑顔だけで、俺は痛みを忘れることが出来るぜ」

「それは便利な身体の造りをしているわね。じゃあ、もう少し痛みつけても構わないかしら?」

「ゴメン。俺の身体は、そんなに便利じゃないんだ」

「ふ~ん。それは残念。・・・・・・・・・・・・・・・脚よ」

「・・・・・・え?」

「だから、脚よ、あ・し。私は入浴の際、大体は脚から洗うわ」

「そ、そうなんだ・・・・・・。いや、まさか答えてくれるとは思わなかった」

「困るくらいなら、聞かないでよ。ここで私が素っ気なく無視したら、会話が止まっちゃうでしょ。せっかく話題を提供してくれたのだもの。感謝の気持ちで、答えたのよ」

なら何故殴った・・・・・・。しかし、脚か・・・・・・。うーん、そういわれると、どうしても見てしまうのが、男のさがだよな・・・・・・。今日のアリサの格好は、運良く(?)ホットパンツ。その美しい脚線美を、黒のニーソックスで覆っている。うーん・・・・・・脚か。

「ちなみに俺も、大体は脚からだな。なんでだろう、下から洗いたくなるんだよ」

「あ、その話題続けるんだ。私の脚を注視しながら?そんなにねっとり、上から下から見られると、凄く恥ずかしいのだけれど」

「構わん続けろ」

「なぜかGOサインが出たわ。いったいどういう立場から物を言っているのかしら、この男は」

「舐めるなよ。俺はあれだ。いわゆる、折坂Pだ。もしくはリュージP」

「Pが何を指す単語かはわからないけど、とりあえず、それはあり得ないとだけ言っておきましょうか」

「おいおい。この俺にそんな口を利いていいのか?消されるぞ、この物語から」

「まあ、そんなメタ発言をしている時点で、あなたが消されるんじゃないの?」

「え、マジで?俺、削除されちゃうの?」

「まあ、さすがに消されはしないでしょうけど。もっと上、頂点がどう動くか・・・・・・」

「は、頂点?何の話だよ」

「こっちの話よ。それよりも、ほら。なんだったかしら・・・・・・あぁ、そうそう、脚の話よ。あれを続けましょう」

「え、続けるんですか?」

「一度あがった話題を、ないがしろにするわけにもいかないでしょう?ほら、ちょうどエクスが就寝中よ。あの綺麗な美脚が無防備になってるわよ。襲わないの?」

「オマエは俺を何だと思ってるんだ?犯罪者に捕まっている最中に犯罪を犯す勇気はない」

「じゃあ、平時ならると?」

「や、ゴメン。普段でも襲いはしないから。期待してるんだったら止めろ」

「でも、興味はあるんでしょう?」

「オマエは誰なんだよ。俺の中に住まう悪魔か?ダークリュージか?」

「言うならダークアリサよ。ここに降臨」

「・・・・・・その決めポーズ、いつから決めてたんだ?バックにライトが見えるくらい決まってるじゃねえか」

「実は一月ほど温めておいたのよ」

「何のためにだよ」

「キャラ付けよ。皇帝としてのね」

「そうか。皇帝も大変だな。まあ、そのポーズから皇帝らしさとか微塵も感じないけど」

と、そこまで話が進んだ(?)ところで、『うーん・・・・・・』という声が聞こえた。

「あ、エクス起きたんだ。おはよう、つっても夜中だけど」

一方のエクスは、特に寝起きでボケている、とかいうことはないらしい。むしろ、メチャクチャ冴えている感じだった。

「全く君たちは、どんな状況でも雑談は欠かさないんだね。見ていてなかなかに楽しかったよ」

「え、なに。オマエ起きてたの?」

聞くとエクスは、ニヤニヤしながら答える。

「いいや、眠っていたよ。ほら、ボクと君はある程度繋がっているんだよ?ボクが意識を手放して眠りにつくと、夢と似た感覚で、リュージ君が見ている光景聞いている音声とかを、共感覚的に感じるんだよ」

え?じゃあなんだ。エクスが寝ている間、俺が見ていたことが全て筒抜け丸バレってことか!?

「凄い集中力だったね、リュージ君♪アリサだけじゃなくボクにまで。自分で自分を見るっていうのも、なかなかに面白い感覚だったから、別に構わないけど」

「仕方ないだろう、男なんだから!俺っていう男はな、自分に正直なんだよ!」

「正直だといえばなんでも許させると思わないことね」

前方と後方で、許されてるんだか怒っているんだかわからない笑顔を浮かべる2人の女の子。

あれ、おかしいな。俺、監禁されてるんだよな?なんで別の脅威にさらされてるの?


たとえ犯罪に巻き込まれていても、構わず楽しむ。それが俺たちである。うーん・・・・・・誰か助けて。

リュージ「はぁー・・・・・・。いやもう毎度のことだから、更新に関しては別にいいや」

作者「あざーす!」

リュージ「で?どうなんよ最近」

作者「はい!最近はですね、俺の周りで色々なことがあって、なかなかに楽しい日々を送っていましたが、しかし!ついに俺の身に、無視できない重大な問題が差し迫っているのだ」

リュージ「ほう・・・・・・。して、その問題とは?」

作者「題して。【期末考査はもう間近!勉強してないけど大丈夫!?~ポロリもあるよ~】です」

リュージ「見事な現実逃避乙です」

作者「いや~、もうホントね。毎度思うわけよ。もう2週間前だからそろそろやらないとなー、もう2週間切ったなーあぁもう1週間前だわそろそろやるぞー、え、なに今日2日前?みたいな(笑)」

リュージ「いや笑えねえよ。つーかオマエ、たしか通常とは違って、余分に講習を取ってるから、試験日が早いんじゃなかったか?」

作者「・・・・・・・・・あっ、やべっ。今日だ」

リュージ「・・・・・・・・・聞いたところによると、貴方様が大の苦手としている、英語らしいではありませんか」

作者「・・・・・・おぅ」


皆様。いままで・・・・・・ありがとう、ございました。さようなら


リュージ「死ぬなぁあああああ!!!」


リリア「というわけで次回!」

サタラ「『【過去編Ⅰ】捕らわれた者たちへ SECOND』でお送りするぜ」

リリア「ふるえるたかぶる異世界バトル『転生した俺は勇者として魔法世界を救うらしいですよ?』」

サタラ「次回もお楽しみに!」

エクス「かわまさよ。永遠なれ」

リュージ「殺すな殺すな」

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