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十八話:そして、俺たちはようやく進撃する


え~、謝罪は後書きで・・・。とりあえず、短いですが本編をば・・・

「後腐れなく・・・・・・ね」

俺は、そんなリリアのセリフを思い出しながら、村を振り返る。

もう小さくにしか見えなくなってしまった村。長く、永く滞在し、様々な経験をさせてもらった村であるが、どうもな。

しかし、これが俺の本来の役割だ。この世界を救わないとな・・・・・・。しかし、元ただの高校生に、これほど似合わない言葉ってのも少ないよな。なんだよ〈救う〉って。おこがまし過ぎるだろ。

「でも、まあ。別にこれからは会えないってわけじゃ、ないしな・・・・・・」

しかし、あの賑やかな食卓や、和気藹々とした村の風景を思い出すと、やはり一抹の寂しさを感じるな。

「そんな、あからさまにしょげた顔してんなよ。オレたちがいるじゃねぇか」

「そうですよ。それに、確かに彼女たちと会えなくなるのは寂しいですが、私たちにはやらねばならないことがあります。その役割を放棄してまで、彼女たちに依存してはいけません」

確かに・・・・・・そうだよな。結果的には、最終的には究極的には、この世界ということはつまり、あの村のことでもあるんだ。いつまでも、優しさに取り付いてちゃいけないな。

「そうそう、その意気だよリュージ君」

エクスもこう言っているんだ。俺だけがいつまでもクヨクヨしてちゃいけないよな。

「よぉうし!んじゃ、気合も入ったし、ガンガン行こうぜ!」


さて。読者の皆さんには、念のため、というかおそらく忘れているであろう簡単な設定をおさらい致しましょう。

ま~ず。この世界には〈魔王〉がいます。そして、その魔王は、無数に存在する無限の世界を管理する〈天界〉を攻め、支配しようと企んでいます。さ~ら~に!天界に行くための移動手段として、この世界にある三つの大陸にそれぞれ二つずつ存在する〈遺跡〉、その中に隠された〈秘宝〉を手に入れようとしています。

そしてそして!わたくしリュージの役割は、魔王のその目論みを阻止しよう!ということであります!

以上!作者も忘れかけていたこの物語の基本設定でした!


「ん?なんだ今のは・・・・・・。頭の中で変な情報が・・・・・・」

ふむ、どうやら寂しさに頭が少しおかしくなってしまったようだ。疲れもあるのかな?

「リュージ」

リリアが俺の名前を呼ぶ。

「ん?どうした」

「このあとは、どうするんですか?」

「とにかく、町に向かおう。ずっと歩いていても仕方がないしな」

「町なら、この先少し行ったところに、そこそこの大きさの町があるぜ」

というわけで、その町に向かったわけだが・・・・・・。



「お~お~、スゲーにぎわいだな」

町は大勢の人で溢れ返っていた。なんだ?祭りでもあるのか?

「どうやら今日は、闘技大会があるようですね」

建物の壁に貼ってあるポスターを見つけ、リリアが答える。

「闘技大会?ってのは、コロシアムみたいな?」

「別に殺し合いではないようですね」

「まあ、ここウルーザじゃあ定番のイベントだな。この町一番の財源といっても過言じゃねぇ」

「へ~。なになに・・・・・」

ポスターをよく読んでみる。へー、一般参加OKなんだ。優勝賞金5千万チャル?おいおい、マジかよ。儲かるのかよ、それで。

ちなみに『チャル』とは、この世界の共通通貨である。正確には他にも、細々したものが存在するのだが、基本的にコイツがメイン。価格感覚は、まあ1チャルが1円だと思ってくれれば、大体あってる。

「お。本戦開始時間は午後の一時だってよ。見に行こうぜ!」

サタラがウキウキしながら提案する。好きそうだよね、こういうの。

「う~ん。まあたしかに、何かの参考にでもなるかもしれませんしね。今日はこの町に宿を取る予定でしたし、部屋を取って昼食を食べてから、行ってみましょうか」

「いいな。んじゃまずは、宿探しだな」

「ふふふ~。それなら、あっちの方からいい気配がするよ~」

そういうエクスは、クルクルテケテケと、行ってしまった。

「いやいや、迷子になるだろうよ。あの勢いじゃ」

サタラさんの言う通りである。わかってるじゃないかい。

「よし。追いかけるぞ!」

「リュージたちは先に。私は少し、寄るところがあるので、後から追いかけます」



「マジであったな。宿」

「ふふふ~。だから言ったじゃないか、サタラ君」

マジであったのである。いい造りで内装なのに、なぜか客が少ない宿が。おかげで二部屋取れた。前と同じような轍は踏まないぜ。

「昼飯はどうする?というか、ギリギリに行って入れるのか?時間的にも人数的にも」

俺の人生経験上な。こういうイベント事は、開場の四時間前くらいにはいないと、満足に楽しめない。年二回の同人誌即売会とか、マジで大変。何時間並ぶことか。何時間もかけてようやく館内に入れても、中でも並ばされるからな。

「安心してくださいリュージ。抜かりはありません」

そういってリリアが取り出したのは・・・・・・チケット?

「指定席のチケットです。なんとか人数分確保できました」

リリアはチケットを広げる。おぉ、ちゃんと四枚、つまり四席分ある。さすがだぜリリア。

「ありがとうな、リリア」

「いえいえ」

チケットの裏面の説明を見てみると、どうやら開場後も自由に入出場できるようだな。

「んじゃ、安心して飯を食いに行くか!」

「おいリュージ!あれ食おうぜ!ウルーザ特産パジュラドッグ!」

「え、パジュラってなに?おい、まさかアレのことじゃないだろうな。なんだあの果物っていうかもう食べ物として認識したくないフォルムの物体は!なんで口に入れるはずのものが、デロデロのグジョグジョに溶けて謎の紫色の液体を垂れ流してるんだ!?垂れた液体は地面でジュージュー煙上げてるし!嫌だ嫌だ絶対に食いたくない!だってダメだよそのビジュアルは!もうこれがアニメだったらモザイク確定だよそれ!あぁもうなんで買ってきちゃうのかなそしてどうして俺に勧めるんだよおい止めろその笑顔ニコニコするないい笑顔をするな!ちょっ、ホント待って待ってせめて心の準備を――――――――――――!?」

俺の口の中が、グチョグチョネチョネチョとした不思議な食感に襲われた。



一言だけ、コメントさせていただこう。

凄かった。

「まあ、ゲテモノほど美味いとも言うしな」

大量に買い込んだパジュラドッグの一つをくわえながらのサタラ。勧めといて自分でゲテモノって言うなよ。いや確かに見た目はひどいが。物事を外面で判断してはいけないと思い知らされた。そして、お値段が一つ25チャルである。まじか安すぎだろ。大手のファーストフード店よりお手軽ってなにそれチート。これが俺たちの世界に進出してきたら、マジで一世を風靡するだろ。あ、でもまず見た目で苦労しそうだな。いやしかし、世に言うブームというのは、一度世間様に批判されてから火がつくという謎の法則が存在するしな。やっぱりワンチャンあるかもしれん。

「しっかし、どうする?まだ開始まで時間あるぜ?というか、俺の腹も満たしきられてないんだが」

「そうですね。やっぱり、適当なお店に入っておきますか?」

「そうだね。それがいいかもね。じゃあ、ボクに任せておくれ」

エクスセンサー発動☆と言わんばかりに目をキラッと輝かせ、鼻をヒクヒクさせ始めた。匂いでも探ってるのだろうか?



「お前の鼻はカーナビよりも便利だな。ハズレがねえ」

満腹になった腹をさすりながら、まさにお手柄のエクスを褒める。いや~美味かった。幸せな気分だ。このままでは、昇竜拳の如く昇天してしまうかもしれない。まさに無敵。昇竜拳中は無敵である。そうか、俺は無敵の勇者だったのか。ちなみに、そのあとのカウンターには十分な注意が必要です。足払いとかされるぜ。


「じゃあ、そろそろ行こうぜ、闘技場!」

「楽しそうだな、お前」

ウキウキワクワク。もうスキップでもしそうな勢いのサタラ。あ、マジでステップしてた。

「まあまあ。とりあえず行きましょうか。途中からよりは、初めからのほうがいいでしょう」

なんかホント、お母さんかお姉さんのようなことを、リリアはいう。まあそうだな、その通りだ。

「んじゃ、行きますか」

そんなこんなで、俺たちはようやく闘技場に向かった。いやホント、長くてすいませんね、どこかの誰かさん。

・・・・・・いや、マジで誰だよ、誰かさん。



『え~、それじゃあ早速・・・・・・えーと、第8万6526回闘技大会、本戦を、は~・・・・・あぁ。開始したいと思いま~す・・・・・・』

『・・・・・・い、イエー・・・』


え?なにこの空気。みんなに慕われてた人物の葬式でも、こんな空気には・・・・・・。

「おい、なんだここ。俺たち、闘技大会に来たんだよな?会場の空気おかしくね?普通なの?ねぇこれ普通なの?」

「大丈夫だよ。そのうち何とかなるから。それよりも、これ美味いな。おい、リュージも食ってみろよ!」

うーん。サタラもこんなだから、これが普通なのか?俺の世界とこっちの世界じゃ、やっぱ細かいところじゃ違うのな。あと、口からポロポロこぼれてるからな。そのポップコーンみたいな謎の食い物。


『第一試合、赤コーナーは・・・・・えーと、ん?つ、つね?つ、じょう?じょう・・・え、なに?とこ?なに、これ『とこ』って読むの?そういうのは先に行ってよね!』

司会の女の子が、ちょっとキレ始めている。なにを読もうとしているのか知らないが、仕事なんだから難しい字も読めるようにしとこうぜ。しっかりしようぜ社会人!

『えー、改めまして。赤コーナー【常夏とこなつの料理人】ゾルディックだー』

『イエェエエエエエエエエ!!!』


「それくらい読めようぜぇえ社会人!!!」

しかし、なぜか会場の空気は急上昇。隣に座るサタラも、席から立ち上がって興奮しながら叫んでいる。マジかよ。この世界の常識が俺にはわからない。



トントン拍子でガンガン試合は進んでいき、いよいよ第三試合。本戦における最後の組み合わせである。

え?今までの試合?あぁ、うん凄かったよ?なんか武器がガツンとかカツンとかなって、魔法がバババッとズガガッと。ゴメンね、なに言ってるかわからないよね。


『はいはい。そんじゃあさっさと進めましょうか。第三試合、赤コーナーは【飢えた暴虐の化身】エグバルー』

『ウオォオオオオ!エグバルぅううう!!!』

端から出てきたのは、マジで強そうな暴虐の化身。全長4メートルはありそうな、筋骨隆々の巨人。そして、紫色の肌に刺青、口から覗いた尖った八重歯。どう見ても魔物の類だろ。

「ありゃ、人間との交流があるタイプのの魔物だな。別に珍しいもんでもないだろ。特に知性のあるタイプはな」

「はー、なるほどね。まあ、アリだろうな。ある意味、テンプレだ」

『対する青コーナー【人畜無害なホワイト紳士】シエンだー』

『キター!シエンだぁああああ!』

どうやら反応を見るに、このエグバルとシエンの対戦カードが当たりらしい。つーか、人畜無害のホワイト紳士って、盛りすぎだろ。見た目厳ついのに。

いやまあ、暴虐の化身であるところのエグバルと比べたら小さく見えるけど、それでもあのシエンって人。身長2メートル以上はあるぜ?黒いフード付きのマントをつけてるからわかりにくいが、時々覗く腕を見ると、あっちもかなり筋肉質っつーか、引き締まった身体な気がするぞ?

「・・・・・・あ?シエン?」

なぜかサタラが、シエンさんの名前を繰り返す。

「ん、なに?有名なのシエン。いや、人気ではあるんだろうけど」

「あぁ、いや。多分気のせいだろ。悪い」

とは言いつつも、シエンを注視してるんですけど。うーん、まあ雰囲気的に強そうだけどな。いや、強いっていうか・・・・・・なんだろうな。不思議な雰囲気が・・・。いや、うまく例えられないんだが、前の世界にいた友人に似てるな。元気かなーアイツ。


『ふははははは!観客の諸君、今日はよく来てくれた!』

おい。ホワイト紳士がいきなりマイクパフォーマンス始めたぞ。アリなの?それ。

『そしてエグバル!俺は君と闘えて非常に嬉しい!君のような戦士とのこの一試合は、俺にとっての貴重な一戦となるだろう!』

すげーなあの人。若干上から目線気味なのは否めんが。エグバルのこと見上げてんのにな。

『いやシエンさん。オレも嬉しいぜ。五大会連続優勝のアンタとヤりあえるなんてな』

・・・・・・え?あの人、そんなに強いの?

『ふはは!もっと言え!俺は謙遜しないからな』

なにあの人スゲー。

『はいはい。いいからさっさと始めてください。はい、定位置について』

そして女の子もスゲー。



ブー!という試合開始の音。それと同時に走り出す二人の手には何も握られていない。つか、なんであの勢いで走って脱げないの?あのフード。

『『オォオオオオオラアアアアアアア!!!』』

そして始まる、近距離での殴りあい。おいおいマジか。いや、避けたり受けたりもしてるから、ただの殴り合いじゃあないんだろうけど、どう見ても暴力のぶつかりあい、暴虐の嵐だ。さっきまでの試合が可愛く見える。

5分、10分とたっても、一向に鳴り止まない殴打の音。


――――――しかしそれも、甲高く鳴り響くサイレンの音にかき消された。


ビィイイイイイイ!ビィイイイイイイ!

「あ?なんだ?」

思わずの俺の問いに、サタラが落ち着いたまま答える。

「これは緊急事態って意味のサイレンだ。まあ、どうせそんなにデカイ被害になることはないだろ」

しばらくサイレンが鳴り、そのあとにアナウンスが続く。

『観客、および選手の皆様にお知らせいたします!緊急事態です!闘技場管理下の魔物が突如暴走を開始しました!観客、選手の皆様は、係員の誘導に従い、速やかに非難してください!なお、魔物の中には、飛行や地中を移動するものも存在するため、十分にご注意ください!』


こういう場合って、大会側の管理不足って事になるのか?まあ、魔物が突然暴れだすってのは、あれか。闘技場の猛獣が暴れだすのと同じようなことなのか?ライオンとか。


「―――――さて。行くか、エクス」

「ふふ。行くって、何をしに?人命救助かい?」

笑いながら、わかっているであろうことを聞いてくる。相変わらずだな。そして、このノリも。あ、でももしかしたら久しぶりかもしれないな。

「いいや。そんな殊勝な目的じゃない」

まあ、だからこそ俺も。そしてリリアもサタラも。笑顔で立ち上がる。

「ただのバイトさ」

さーて。お久しぶりの戦闘シーンと洒落込みますか!

作者「え~皆様。このたびはわたくしかわまさ。実に2ヵ月。約2ヶ月ぶりの投稿となりましてですね、はい。お久しぶりでございます。そして、大変申し訳ありませんでした」


リュージ「もっと謝れ。つーか、前回危惧した通りになってんじゃねえか」


作者「全く返す言葉もありません、はい。重ね重ね申し訳ありませんでした。しかし、軽く言い訳をさせていただきたい。夏の終わりにかかり始めたスランプに始まり、夏休み明けの勉強ラッシュや生活スタイルの変化による体調不良、休み明けから始めた友人とのコラボ作品の構成思案や執筆、そしてもうすぐ開催される文化祭に向けての、学級委員・実行委員・所属部部長・掛け持ちしている各種部活&団体の仕事などなど、多種多様な出来事に見舞われてですね。このたびの次話投稿が遅れました。しかも、今回投稿した作品も、無い頭から無理矢理ひねり出した、いわば絞りカスのようなものでして。スランプに関しては友人から、中身がすっかすか。まるで骨粗しょう症のようだ。との評価を頂きました」


リュージ「いや長げーよ言い訳。全然軽く無かったよ」

作者「いやしかし。今回のスランプがまたなかなかに深刻で。アイディアは浮かばない表現や言葉が出てこない話が思い付かないなどなど・・・・・」

リュージ「つーかオマエ、スランプ多いよな。もうスランプの時期のほうが長いんじゃないか?」

作者「・・・・・・もしかしたら」


リュージ「は~。まあなっちまったもんは仕方がねぇな。これから挽回していくしかねぇよ。頑張れ」

作者「おぉ・・・・・・。さすがだぜ!さすが主人公!コラボ作品で師匠ポジションやってるだけあるぜ!」

リュージ「うるせえ。いいからとっとと続きを書きやがれ」

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