第十七話:サプライズとかって、やられる側は本当に驚くよな。あと怖い
一ヶ月ぶり?お待たせしました、ではどうぞ!
後日譚、というほど大々的なものでもないが、まぁとりあえず報告をば。
あのあと俺は、サーシャを村へ連れていくときにサタラが気を利かせて運んでおいてくれたドラゴンを解体。とてつもなく固いその皮及び鱗を、箱作りに利用させてもらい、折坂竜司特製のお肉ボックスが完成した。
サーシャが負った傷は、通常ならば死に至っていたであろうほどの致命傷だったが、リリアの魔法による処置と、その後の治療により、何とか一命を取り止めた。というか、思ったよりケロッとしてた。何でだよ、腹抉れたんだよ?吸血鬼の体液でも使ったの?
さて皆さん。前回前々回と、二話連続での過去編(?)は如何だったでしょうか。あぁ、うん。そりゃそうだよな。みんなそれぞれだもんな。意見だって賛否両論だわな。
まぁそんなこんなで、早速今回の話に入ってみよう。
◆
「ん?あれは・・・セイさん?」
今日も今日とて、お肉ボックスを携えて森に入ろうと歩いていると、森の近くの道でセイさんを発見した。
こんな早朝に何をしているんだろうか。というかあの人、一人で出歩いて大丈夫なのか?
とりあえず、声をかけてみるか。
「セイさん!」
「ん~?」
お、気づいたようだ。
「あら、リュージ君。おはよう」
「どうも」
あぁ・・・癒されるなぁ。なんかこう、おっとり具合が。
「じゃなくて」
「?」
おっと、口に出ていたか。セイさんが首を傾げてしまった。素敵です。
「こんな朝早くにどうしたんですか?というか、一人で出歩いて大丈夫なんですか?」
「えぇ。おかげさまで、もうだいぶ良くなりました。その節はお世話になりました」
「あぁ、いやいや。そんな頭を下げられるようなことじゃないんで、気にしないでください。それに、俺よりもリズのほうが頑張ってましたからね。礼ならアイツに言ってください」
「そうそう、そのリズがね。どうも心配性すぎるようで、あまり私を外出させてくれないのよ。だからこうして朝早くに、リズの目を盗んでこっそりと、お散歩中なの」
あぁなるほど。そういうことか。しかし、会話の流れが自然すぎて、いまいち全体の流れが読みにくいな。どうもセイさんは、天然の嫌いがあるようだ。いや、決して悪いことじゃないが。
「そういうリュージ君は、今日もお仕事?」
「えぇ、まあ。仕事と稽古を兼ねた食料調達ってとこですかね」
帝国から帰ってきても、俺の役割は特に変わらない。
「あらあら。毎朝えらいわねぇ」
近所のおばちゃんか。という突っ込みは控えておく。こんなおっとり美人には、まだまだおばちゃんになって欲しくない。頑張れセイさん。
俺は一体、どういう目線でモノをいっているのだろうか。
「そういうことならセイさん。今日は俺がお供しましょう」
そういって俺は、彼女に手を差し伸べる。
「あら?そうね、それじゃあお願いしようかしら」
あぁ、なるほど。それが年上の余裕って奴ですね。その笑顔、素敵です。
◆
「しっかし、今日も暑いなぁ」
照りつける太陽が体を焼いていく。なにこの日光、俺をどうしたいの?こんがりじっくりいきたいの?いかせたいの?あぁ、逝かせたいのか。うん、知ってた。
「まだ朝なのになぁ~。セイさん大丈夫?」
「うん、大丈夫。心配してくれてありがとね」
まぁ、病み上がりなわけだし。あんまり無理をして欲しくないというのがあるが。あ、俺も一応病み上がりでしたな。
「で、セイさん。どの辺まで行くんです?」
「ん?あぁ、ごめんね。私に気を使わないで、お仕事してもいいのよ」
「あぁいや、そういう意味じゃないですよ。ただ、この天気の中、結構歩いてますから」
バカみたいに太陽光降り注いでますからね。病み上がりの身には辛いんじゃないか?
「特に決めているわけじゃないのよ。気の向くままに赴くままにって感じなの」
ぶらりですか。そういうの、憧れる。
「いいですね、そういうの。俺も好きですよ。ふらっと出かけるの」
「ふふ。でも、さすがに旅の人には負けるわ。だって私、この村から一度しか出たことがないから」
一度しか。セイさんの、たった一度の遠出には、大変興味があったのだが、しかし。その話題を掘り下げることは、俺には出来なかった。あんな遠い表情をされては、今の俺じゃあ、なにも言えない。言ってはいけないだろう。
「まあ俺も、本物の旅人には負けますよ。言うほど移動してないですし、なによりこんなに長期滞在してちゃあね」
「あら?その分、愛されているでしょう?」
俺が少しちゃらかすと、俺の気遣いに気付いたのか、セイさんも笑って、話題に乗ってくれた。どうも恥ずかしいな。そういうのに気付かれるっていうのは。
「だといいんですがね。まあ、村にはあまり迷惑を掛けないようにしたいですけど。それに、頼りすぎるのも悪い気がするし」
そういうとセイさんは、笑顔のままではあったが、さっきまでの笑顔とは少し違う種類の表情をみせる。
「別に頼ってもいいのよ。あぁ、私はこの人に必要とされてるんだって感じるから。頼ることは大事よ。みんながみんなってわけじゃないけど、大半の人は一人じゃ不安なんだから。頼ることと、使うことは違うのよ。だから君は、みんなを、少なくとも私を、頼っていいの。まあ、私じゃあ頼りないかもしれないけどね」
足は、止まっていた。その言葉に、俺は思わず黙り込む。それは、確かにその通りなのだろう。任せることは大事だと、頼ることは素敵なことだと、それは知っている。今まで何度も見てきたし、何度も感じてきた。
だが。自分から、自発的に、単発的にそれをすることに、俺はどこか躊躇いを見せる。本当にそれでいいのかと。後悔しないのか、と。心のどこかからそんな声が聞こえてくる。自分の失敗は自分を責めればいい。しかし、誰かに任せて、誰かを頼って失敗した場合は、何を責めればいい?いや、責める必要がないことは重々承知している。しかし、その誰かは、きっと己を責めるだろう。その姿が俺は、見ていられない。
何かを言おうとセイさんに向き合い、でも何も言えない。言葉が出ない。
しかし、俺のそんな悩みや苦悩など、この人にはお見通しのようで。
「あら?困った顔をしてるわね。やっぱり、いちいち言わなくてもわかってたのね。わかった上で、悩むのね」
理解したうえで、俺に言う。
「いいのよ。まだ悩んでも。そんな簡単に答えが出るような、軽い問題じゃあないものね。むしろ、簡単に答えを出してはいけない問題よ。でもね」
この人も、同じことで悩んだりしたのだろうか。
「いつかは決めなくちゃいけないのよ。時間は勝手に問題を解決してはくれないんだから。自分で、自分自身で、自分の答えを見つけるの」
そういうとセイさんは、話は終わりだと言う風に、俺を追い越し歩き出す。
本当に掴み所のない人だ。全く・・・。
俺は思わず、空を見上げる。どうも癖になりつつあるな。まだ昇りかけの太陽は、相変わらず元気に輝いていて・・・・・・普通にムカついた。暑いわ、はよ沈め。
そうして俺は。
セイさんを見失った。
「・・・・・へ?」
おや?ほんわか美人のお姉さんは、何処?
◆
「なぁエクス。どうしようか」
『そりゃ、探すしかないんじゃない?』
ですよね~。いやでも、さすがにセイさんが迷子になった、とは考えにくい。だってあの人は、よくここに来ているみたいだから。単純に、俺と逸れたってことなんだろうけど・・・。
いくらなんでも、このまま帰るのはどうかと思う。
「どうするかな・・・」
とりあえず、その辺りを探してみるか。いくらなんでも、そんなすぐに遠くまで行っていたりはしないだろうし。
――――――約五分後
うん、いないね。どこにもいないわ。どんだけのスピードで移動したんですかセイさん。サイヤ人かよ。
というか、こういう時って、元いた場所から動かないほうがいいんだっけ?絶対入れ違いとかが発生している気がする・・・。
「しっかし、そうなるとマジでどうしようか・・・」
あぁ、だめだ。経験がない分、余計に案が浮かばない。どうする?いっそ叫んで呼んでみるか?
『まぁ、他に手もなさそうだし、ダメ元でやってみたら?』
だな。よし、では早速・・・。
「セイさぁああああああん!!!」
『は~い』
すぐ近くで声がした。というか真上だった。
「って!なにしてるんですか!?」
セイさんは、ちょうど俺の真上。木の上にいた。
「何がどうなってそんなことに!」
「え~と実は・・・」
そこからが長かった。わずか五分の出来事とは思えないほどに濃密な時間を、この人は過ごしていた。
俺の後ろで転びそうになってから、何がどうなってこうなったのかが、納得は出来なかった、というかしたくなかったが、理解はできた。
崖から落ちそうになったり魔物に空へと攫われたりとかはまぁ、あえてツッコムまい。しかし、一言言わせてもらうなら。
「なに俺を省いてそんな大冒険してんですかセイさん!!!」
スゲー面白そうだわ!俺も一緒にいたかった!ぜひ同行させて欲しかった!つーかなにこの人、笑いの神様でも付いてるの?どこぞの新生徒会長なの?笑神様が降ってきてるよ。
「まあとりあえず降りてきてくださいよ、危ないですから」
そういうとセイさんは、困ったような顔をする。
「う~ん・・・でも、さすがにこの高さからは降りられないのだけれど・・・」
普通に困ってましたね。笑いの神様もうちょっと手加減しようや。
「えぇっと・・・どうしようか。飛び降りてもらって俺がキャッチするってのは・・・なんかがあると危ないしな・・・」
『君が上に行けばいいんじゃない?』
まあ、登れるだろうけど・・・そのあとは・・・まあ飛び降りれば何とかなるかな?
「・・・・・・ん?」
え~と、ああいってこういって・・・、うん。いけるかな?
「んじゃセイさん。迎えにいくんで待っててください!」
そういって俺は、木を登っていく。まあそれほど高いものでもなかったから楽だった。
「ほいっと。到着」
「まあ、早い」
軽く驚くセイさんを、俺は脇に抱える。
「ん?あら?」
「あんまり動かないでくださいね。しっかりつかまって・・・」
バンッ!と音を立てて、別の木に飛び移る。
枝に足をつけた瞬間に跳び、イメージは飛び石を飛ぶ感じ。
先ほど確認したとおりのルート(多少の変更はあったが)で進んでいくと、村に近づいていった。
「ほい、到着」
俺は地面に足をつけ、セイさんを下ろす。
「まあ、ありがとうね」
「いやいや。というか、そろそろ家に戻ったほうがいいんじゃないですか?リズに何か言われますよ?」
結構な時間が経ってしまったからな。
「あらそう?じゃあ、私はそろそろ家に戻るわね。ありがとう」
そういってセイさんは歩いていった。
その背中を見送っていると、エクスが話し出す。
『リュージ君。あのさ』
「わかってるよ。なにもいうな」
決して、忘れてなんかいない。今声をかけられなかったら、家に戻っていたとか、そんなことは全然ない。
「今日は背中が軽いなぁ」
そういって俺は、森に引き返す。
「さあ、狩りの始まりだ」
『忘れていた仕事を果たしにいくんだろう?』
そうともいう。
―――――side Unknown
『計画のほうはどうですか?』
『ええ。ここまでは概ね順調。特に問題は見られません』
『そうですか。ではみなさん。このままの調子で・・・』
『しかし、彼女はしっかり役割をはたしているのでしょうか?』
『その点に関しては問題ありません。あれで真面目な子ですから』
『では、これからもこれまで通りに』
計画は。物語は。出来事は。
主人公の与り知らぬところでも進んでいる。
――――――リュージside
村に帰ってくると、どこか物静かな雰囲気を感じた。というか、誰もいねえ。
「あれ?なあエクス。俺、そんなに早く帰ってきちゃったのか?」
「う~ん、ボクにもよくわからないや」
そうか。まあ別に構わないんだが。家に戻ればわかるし。
端的に言えば、何もわからなかった。正確に言えば、謎が深まった。
「あれ?」
誰もいない?みんながみんな、まるっきりいない?いくらなんでも俺に何も言わずに出て行くなんて・・・とも思わなくもないが、まあ特に文句もない。いちいち知らせないといけないルールなんてないし。
「じゃあどうしようかな・・・。とりあえず飯でも食うか?」
「・・・・・・」
ん?エクスがずっとこっちを見ている。というか俺の顔を。
エクスが仲間に入れて欲しそうにこちらを見ています。仲間にしますか?
A.元々仲間です。
じゃなくて。
「どうした?」
「・・・ううん、なんでもない。そうだね。ボクも動いて疲れちゃったよ。ご飯にしよう」
というわけで朝ごはん。本日のメニューは、作り置きの味噌汁に、さっき獲ってきたよくわかんない狼みたいな魔物の肉を塩と醤油ベースで炒めたものに白米である。なんてシンプル。これでお値段なんと・・・わかりません。多分、かかっても調味料と薪の分で三百円くらい?
とりあえず、みんなが帰ってきたとき用に多めに作っておく。
「んじゃさっそく」
「「いただきます」」
この時点で、俺は気付くべきだった。問題点も疑問点も違和感も。ありとあらゆるところにヒントは隠されていたのに。
とりあえず大前提として、アイツらが、あのアイツらが、ご飯時にいないなんて、ありえるか?
◆
「帰ってこないぞ」
待てども待てども、誰も帰ってこない。というか。
「村のどこにも、人がいない」
人っ子一人いないとはまさにこのことだ。
「・・・・・・そうだね」
ここまできてしまうと、さすがのエクスも口数が少ない。というか、まず自分から話し出さない。
「いくらなんでもおかしいだろ。家の奴らが帰ってこないってのは、まあ可能性としてはなくはないんだろうけど、村に誰もいないってのは・・・」
あれ?ということは、セイさんはどうしたんだ?あの人が村に帰ってきたときは、どうだったんだ?
そこまで思考が追いついて。そこまで考えが行き着いて。しかしその思考は、エクスの唐突な発言によって途切れることになる。
「さて!じゃあいつまでもこうしているわけにも行かないし、ちょっと村の外に出てみようか!」
「出るったって、どこいくんだよ。またぞろ森にでも行くのか?」
「いや、いくらなんでも入れ違いって可能性は低いだろうからそこは最後だ。とりあえず、なつかしの洞窟からでも行ってみようか!」
じゃあ最終的には帝国までお邪魔したりするんだろうか。そういや、あの皇帝にはまた会いたい気もする。
「まっ、たしかに手掛かりも思い当たることもないしな。じゃあとりあえず、行動してみるか」
よく考えたら俺は、昔から考えるより行動タイプだった気がする。普段はすごく冷静なクールキャラなんだけどな。
「ははは、それはない」
「笑いながら否定すんな!結構傷つくからそれ!」
「はっはっは!」
笑いながら俺の言葉を無視するエクス。あれ?女の子の笑顔って、もっときれいでドキドキするものじゃなかったっけ?おかしいな、黒いや。黄金の輝きを持つはずのエクスがどこまでも黒い気がする・・・。
―――――side Unknown
『リュージの動きが予想以上に早いですね』
『と、いうことは・・・』
『えぇ。こうなれば仕方がありません。対応策プランCで対処します』
『彼らは現在、森に向かっています』
『では、その森の中で対処を開始します。担当の方は準備をお願いします』
――――――リュージside
洞窟では、この村に来たばかりのころの思い出に浸り、山ではドラゴンに襲われたときの話題を掘り起こし、森では帝国に攻め入ったときの話をした。
色々あって、色々学んで、たくさんの物を得た。
「こうして振り返ると、そんなに時間は経ってないのに、ホントいろんなことがあったよな」
「うん。時々、本当の目的を忘れるくらいにね」
あぁ、たしかに。正直、頭の中にあるだけだったな。なんだっけ、魔王倒すんだっけ?
「でも、まあこうして過ごした時間も、決して無駄ではなかったな。いろんな奴に会えたし」
「得られるものもあったしね」
そうそう。かっこいいでしょ、二刀流。まあ、あんま使わないけど。
というわけで、現在森の中。と、ここまできたわけだが・・・。
「どこにもいなかった・・・」
村の奴が誰一人いなかった。なにこれ新手のいじめ?みんなで俺を避けようプロジェクトでも発動された?なんで俺、そんな村単位でいじめられてんだよ。
「はあ・・・どうすっかな」
このまま村に帰って、誰かいるかな?いなかったら俺、死んじゃうかも・・・。つーか、もうそろ夕方になりそうなんですけど・・・。まあ時計とか持ってないからわからんが、遠くの空の色が、若干変わってきた気がする。
『よし、全員配置に付いたな。じゃあ、構え・・・』
「なあエクス。このまま誰も見つからなかったら二人で旅しようぜ。むしろ結婚しよう」
「それは大変魅力的な提案だけど・・・来るよ」
「え?」
一呼吸、思わず息を飲むと。
「発射ッ!」
反射的にエクスの手を掴み、声がしたほうから反対の木に身を隠す。
ガスガスッ!
「・・・え~」
なにそれ急展開すぎる。ちょっといきなりすぎてテンション切り替えられないんだけど・・・。
「ははは・・・どうしようかリュージ君」
どうしよっか。というか誰だよこれ。
影からちょっと顔をのぞかせると、あぁやっぱ見えないうおっ!?
思わず顔を引っ込める。危ねぇ~顔面めがけて矢が飛んできた。
チラッと見えたけど、黒いマントにフードに・・・狐のお面?姿の人物が、ボウガンを携えて木の上に。
ヒュッ!ズガ!ガガガッ!
しかも一人じゃないっぽい。いろんな方向からスゲー撃ってくる。止まらないよ諦めないよアイツら。
「なあエクス。俺何かしたっけ?村の奴らはいないし、なんか狙われるし・・・」
「まあまあ。とにかく何とかしたら?あぁそれと。彼らを本気で倒したりしちゃだめだよ?見たところ普通の人たちみたいだし」
「普通の人たち?あれが?俺の知ってる普通の人ってのは、ボウガンとかで矢を飛ばしてきたりしない」
狐のお面をつけたまま木に登ったりもしない。
まあいいか。細かいことは気にしない。とにかくアイツらを何とかしないとな。
「上等だ!テメェら全員ボッコボコに―――て、あれ!?いねぇ!?」
すでに誰の気配もなかった。嘘だろ・・・。
「俺、敵にも避けられてるの・・・?」
俺のボッチ力がドンドン上がっていく・・・。
「じゃなくて、ただ逃げただけだと思うけど」
うん。俺もそうだと信じたい。
「ま、落ち込んでても仕方ない。とにかく森から抜けねぇと。行くぞエクス」
「妥当な判断だね」
「一応刀になっといてくれ。出来れば、いつかにも使ったスタンモードで」
「了解♪」
と、刀に変わったエクスを握りながら森を駆ける。
ヒュッ!
と、顔のすぐ横を矢が通りすぎる。
「そこかぁ!」
そう叫んで、体の向きを変えると、今度は別の方向から矢が飛んでくる。
「うおっ!」
ダメだ。やつらコンビネーションが半端じゃねえ・・・。とても相手に出来るレベルじゃねぇぞ。
しかもここは森のなか。身を隠す場所が多いという利点がお互いにある以上、人数が多くてしかも飛び道具を持った者を相手取るには分が悪すぎる。
「やっぱり、いち早く森を抜けるべきかっ!?」
俺の言葉に、エクスは答える。
『確かにその通りだけど、このまま村に逃げるのはおすすめしないね。彼らが君を暗殺するつもりなら、人目を嫌うだろうが・・・ただ殺すだけなら、村を巻き込む可能性がある!逃げるなら、出来るだけ人気のないところだよ!』
「なるほど」
確かにな。というか、今はゆっくり考えている暇がない。ということは。
「とにかく反対側、洞窟まで戻るぞ!」
あそこの手前なら、採掘場という場所柄、ある程度開けている。
目指すべき場所は決まった。あとは全力で逃げるのみ!
「燃え上がれ、俺のコスモ!」
ただの全力疾走である。
――――――Side Unknown
『対処、成功です。目標は洞窟へと向かっています』
『ありがとうございます。どうやら、エクスがうまくフォローしてくれたようですね』
『このあとはどうしますか?』
『引き続き対処と監視をお願いします。その後は、プランBを。こちらの準備も、もうすぐ終了しますので。なにかあれば逐一連絡を』
『了解』
こんな怪しい感じの通信が終了し、なんらかの計画はついに最終段階へと移行する。どんなクライマックスが待ち受けているのやら。
そしてリュージは、いつになったら村人たちと再会できるのか。
――――――リュージSide
「よし、ここなら」
なんとか開けた場所に出ると、予想通り、やつらの猛攻も止む。
「で、どうするか・・・」
このまま森に戻っても、また狙われるだけだしな。
・・・・・・うん、なにも思いつかないな。
というか、そもそも誰なんだよあいつら。何が目的だ?まさかのダイソンですか?くっそめんどくせえなあのオッサン。
と、とりあえずこのストレスを適当な奴にぶつける。ごめんね、ダイソンさん。
しかし、このまま持久戦に持ち込みたくはない。なぜなら、そろそろお腹が空き始めたからだ。そういやあ昼食ってねぇなぁ・・・。
時間で言うと、だいたい三時くらいか?前の世界の休日なら、ふらっとラーメン食いに行くような時間帯。
ということは、答えは一つ。
「やるっきゃねぇな」
全員倒してその辺の木にでも縛っておく。そうすれば問題あるまい。
「と、いうわけで行くぜエクス」
そう声をかけると、エクスは少し間を取ってから応える。
『・・・うん、そうだね。そろそろ動いてもいいかな』
そのわずかな間が、妙に引っかかった。が、すぐに紡がれたエクスの言葉に思考をさえぎられる。
『ではでは、いざ行かん!栄光の彼の地へ!』
彼の地ってどこ?ネバーランドでも行くの?ずっと子供だったら働かなくていいんだろうな。俺も気ままに海賊とかしたい。ついでにひとつなぎの秘宝とか探しに行く。
で、さっそく森に一歩踏み入れたんだが・・・・・・。
「・・・・・・なにもこないな」
また避けられてしまったようだ。
仕方がないので、そのまま普通に村に向かって歩いていった。べ、別に泣きそうになんてなってないもんねっ!
「はぁ・・・なんか今日は散々だったなぁ。なんだろう、厄日かな?俺今日死ぬのかな」
「ははは・・・大丈夫だよ、リュージ君。村に戻れば、全部解決するから」
「はぁ?なんだよそれ。村帰っても、みんながいるとは限らねぇだろ。いや、いて欲しいけど」
むしろいなかったらマジで自殺するかエクスと結婚する。結構本気である。
ん?
「あれ?そういえばエクスって歳いくつなんだ?」
「うん?質問の意図は全く分からないけど・・・そうだね。ボクは結構昔に創られたからなぁ。まあ、さすがにリリアほどじゃないにしても、人間からしたらかなりの高齢だと思うよ?少なくとも、500は超えてるからね」
「それを俺たちは高齢とは呼ばない」
きっと人体実験とかされるんだろうな。
「まあでも、安心したわ」
「うん?何がだい?」
「いや、お前十六歳以上だから、俺と結婚できるじゃん」
「本気で検討してたのかい!?」
「ん?いや待てよ。しまった!俺が十八歳以下だから結婚できねぇ!ちくしょう!」
不覚!
「いや、不覚!じゃないよ。それに、ボクの見た目はいいとこ十三歳くらいなんだから、見た目的にアウトだろう?」
「いや。その程度、俺の愛には関係ないし。俺のお前への愛情は肉体年齢とか軽く凌駕するから」
「それはなかなかに斬新なプロポーズだね」
「まあ、プロポーションといえば、欲を言えばもう少しふくよかさが欲しいことは否めないが」
「プロポーズね。あと、その注文はちょっと無茶だよ。それに、この容姿だって、なにもずっとこのままというわけではないんだよ」
「え?そりゃほっときゃ誰だって成長するだろうよ」
そういうとエクスは苦笑気味に応える。
「いや、そういう意味じゃなくてね。ボクの今の体は、あくまでボクの神性を表しているんだ」
「あ?なにどういうこと?」
つーか神性ってなによ。
「分かりやすく言うと、ボクがパワーアップすると、この身体も成長するんだよ。あぁいや、パワーアップという表現は適切じゃないかな?そうだね、ボクのそのときの力が、この姿に反映されていると考えてもらえばいいかな?」
「ふーん。てぇことはつまり、揺りかごから墓場まで、豊富なラインナップなんでもござれってことか」
「うん、まああながち間違ってはいないけど・・・さすがに墓場まではいかない」
「え?そうなの?」
よぼよぼおばあちゃん姿のエクスとか、ちょっと興味あったのに。
「まあそういうわけだから、ボクの身体にふくよかさを求めるなら、気長に待つことだね」
「いや、まあ別に、今のままでもぜんぜんイケるけど」
「君は世に聞くロリコンという奴なのかい?」
「はぁ?俺がその程度に納まるわけねぇだろ?いうなればオールマイティーだ」
「全部!?」
「あぁ。だからさっきも言っただろ?揺りかごから墓場までって」
「前代未聞の守備範囲だ!」
「守備範囲じゃねぇ。ストライクゾーンだ!」
「あくまで強気!」
「ちなみに、ロリっ娘のいいところは主に、その未成熟な身体だからこそ見え触れる、あばらだと自負しております」
「あばらフェチ!?」
「まあそれだけじゃないけどな。幼さゆえの性格とか、愛らしい容姿とか発展途上の身体とか立ち振る舞いとか話し方とか」
「うん、ありがとう。君のロリジャンルへの愛は十分伝わったよ」
「あとは幼いところとか」
「結局そこじゃないか!」
「ああん?何言ってんだよ大前提だろ。幼くなかったらそりゃロリっ娘じゃねえよブリっ娘だろ」
「そりゃそうだけれども!ごめんねなにか誤解を生んでしまったみたいで!」
「まあ別にいいけどよ。あとであばら好きなだけ触らせてくれるってんだ。この程度、甘んじて受けるぜ」
「そんな約束した覚えないなぁ!」
「おいおい大丈夫か?ボケでも始まってんの?いくらまだ500だからって最近調子に乗るからそうなるんだぞ?脳トレする?」
「いらないよ!老いじゃないよ!君のほうこそ大丈夫なのかい!?記憶がおかしくなっているよ!ありもしないことを話し出したよ!」
「バッカお前これはボケじゃねえよ。記憶の改竄と約束の押し付けだよ」
「いま自ら自白した!」
「冗談だ。まあ脇腹とか鎖骨とか触るけど。あと頭撫でる」
「もう好きにしてくれ!せめて最後のだけならまだほほえましい画だったのに!」
「大丈夫だよ。すぐに気持ちよくなる」
「もう嫌だ!君に会話の主導権握らせたらロクなことがない!」
なにやらエクスが発狂していた。大丈夫か?
まあそんな感じで歩いていたわけだが、あれだな。なんかすごいドキドキする。どうしよう助けてエクス。マジで誰もいなかったらどうしよう。あれ?さっきも同じこと考えたような気が・・・、はっ!まさかこれが、あの伝説の幻術、イザナミ!?
◆
「・・・なにがあった」
「いや、見てわかるでしょ」
見てわかるのは、村がいろいろデコレーションされていることだけだ。なんていったっけ?ほら、クリスマスとかに物好きが家にいろいろ飾る奴。あんなの絶対予算かかるでしょ。金持ちの道楽か?
あぁ、思い出した。イルミネーションだ。
「でも、やっぱ誰もいないんだよな」
しかしまあ、これでみんなが行方不明という線は消えた。とりあえず一安心。
「で、エクス。どういうことなんだ、これは」
コイツ絶対なんか知ってる。一枚噛んでるどころか、いろんなところを噛み噛みしている。ぺろぺろだってしているだろう。エロいなそれ。
「大丈夫だよ、リュージ君。怖いことなんて何もないから」
いや、別に恐怖で動けないんじゃないよ。理解できなくて動けないんだよ。・・・・・あれ?一緒じゃね?
まぁ、そういわれれば行くしかない。
「俺も男だ!覚悟決めるぜ!」
「その意気さ」
というわけで、第一歩を踏み出す。これは一人の人間にとって小さな一歩だが、人類にとっては偉大n―――――――――。
落ちた。穴に。というか、地面が抜けた。落とし穴というのだ。
「なんで!?」
意味がわからない!村のイルミネーションに落とし穴?何がしたいのアイツら。
「おいエクス!こりゃどういう――――――」
「お久しぶりです、リュージ」
と、リリアが穴の上から顔をのぞかせてきた。ヤロゥ・・・!
「おいリリア!こりゃどういう―――ッ!?」
「皆さん!やっちゃってください!」
『オラァアアアアアア!!!』
「ギャァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
なんか上から降ってきた!スゲー勢いで!何これキモッ!つーか痛い!―――――――――て、これ・・・。
「・・・・・・きゅうり?」
そしてこの匂いは・・・・・・。
「お 漬 け 物 ッ!!!」
嘘だろ・・・ここにはないと聞いたのに・・・。しかし、あいつら投げ込みすぎじゃね?もう踝辺りまであるぞ。
「おいリリア!どういうことだこれは!」
と、俺が穴から抜け出そうとしたところで。
「あ!待ってくださいリュージ」
そういうときゅうりの雨は止み、今度はロープに繋がれた籠や笊が落ちてきた。
「それにきゅうり入れてください!引き上げますから!」
「だったら最初から投げ込むんじゃねぇよ!しかもこんな大量に!」
まあ入れますけど。もったいないからな、きゅうり。
ちなみに俺は引き上げてもらえなかった。なんなのアイツら。
なんとか穴から這い上がり、顔を覗かせた瞬間。
『リュージありがとうッ!』
そんな、リリア・サタラ・エクス・ニーナ&村の衆の声と。
パパァン!!!
「うおぉ!?」
クラッカーだった。大量のクラッカー。
そんな音を聞きながら俺は。
再度穴へと落ちていった。そりゃ、誰だって驚くでしょ。
◆
「と、いうわけで。これより『リュージ御一行感謝祭』を始めたいと思います!」
『イエェエエエ!!!』
ニーナの掛け声に皆が応じ、宴が始まる。
どうやら、魔物討伐から始まり、俺達はそれなりにこの村に貢献できていたらしい。なので、感謝の気持ちとしてサプライズパーティーをしてくれたらしい。まあ、なぜか俺だけ、企画側からハブられていたのだが・・・。
「リュージさん。きゅうりのお味はいかがですか?」
「ん?あぁ、めちゃくちゃうまいよ。素材がいいんだろうな」
「ふふふ。全部この村で用意したものですよ!」
「でも、ここには漬け物ってないんじゃなかったっけ?」
「はい。いつかリュージさんに喜んでもらおうと、リリアさんに作り方を教わって、ずっと用意していたんですよ」
「そっか。ありがとう」
なんていい子なんだニーナは。嫁に欲しい。いや、娘に欲しいな。つーかリリア。アイツ漬け方知ってたのかよ。なんて家庭的。
「しっかし、サプライズなんてな・・・。村に誰もいねぇから不安だったけど、安心したわ」
「ごめんなさい、驚かせたくて」
「いや、マジでありがとな。なんかこういうの、すげーうれしいわ」
昔、友達にサプライズで誕生会を開いてもらったことを思い出す。懐かしいなあ・・・。まああの時も、隠し方がなかなかにひどかったが。
「ずっとモヤモヤしてた分、余計嬉しいわ」
ニーナと別れ、子供達やおじさんたちと『健全な意味で』絡み合った後、俺は、仲良く飯を食いながら談笑していた我らが一行のもとへ向かう。
「よっ」
サタラが振り向く。
「お、ふうひ」
「とりあえずお前は口の中のもんなんとかしろ」
物を口に入れたまましゃべるんじゃありません。つーかしゃべれてなかったが。
サタラが口に入っていた色んなもんを飲み込む。
「お、リュージ」
そこからやり直すんだ・・・。
「久しぶりだな」
「えぇ、本当に」
「お前とはさっき会った。つーかなんなの?あのきゅうり攻撃は」
「あれはサタラの案です」
「いや、だってお前、ツケモノ好きなんだろ?ツケモノ」
「漬け物自体はな。きゅうり投げつけられても驚きと痛みと困惑しかないわ」
でも、まあ。
「今となっちゃ嬉しいわ。ナイスアイディアだぜ、サタラ」
そういってサタラの頭を撫でる。
「ははは、もっと褒めろ。そして撫でれ」
「おう」
ナデナデ。
「うん・・・悪くないな」
ナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ
「いや長ぇよ!どんだけ撫でんだよさすがに想定外だわ!」
「あぁ、悪い。いや、お前の髪ってスゲーさらさらしてて気持ちいいんだ」
そういうと、サタラは黙り込んでしまった。ありゃ?怒っちゃったかな?身体より髪触られるほうが、女性にとってはランクが高いらしい。身体よりも髪。気軽に女性の髪を触ってはいけませんよ、皆さん。
「で、どうですかリュージ。楽しいですか?」
「ん?あぁ。楽しいし、嬉しいな。サンキュな、リリア」
「ふふ。いえ、構いませんよ。みんな、貴方に感謝してるんですよ。私も含めてね」
そういって笑顔を浮かべるリリア。あぁ、なんか久しぶりに見た気がするな。やっぱずっと一緒にいたから、一日会わないとスゲー懐かしく感じるわ。
「なぁ、リリア」
「はい?」
「これからもずっと一緒にいてくれな」
「――――――ふぇ?え、あの・・・ずっと一緒にというのは///」
「ん?いや、そのままの意味だけど」
「あ、あ・・・」
あれ?リリアも機能停止してしまった!?どうしたのこいつら・・・。
まぁ、準備で疲れたのだろう。そっとしておくか。
とそこへ、串焼きを持ったエクスがこちらを向いた。
「ふふん!ねぇねぇリュージ君。ボクの誘導うまかったでしょ!全然気が付かなかったでしょ!」
まぁ、確かに。しっかし、こいつこんな見た目して案外策略家なんだよな。
「・・・さすが500越え」
「どういう意味だい?」
バキャッ!
エクスの握っていた串焼きの串が砕けた。あの、それ鉄ですよね?持つとこだって、布とかで周り固めてるだけで、芯は鉄ですよね?
「あ、いや・・・・・・あぁっと、なんか急にトイレ行きたくなっちゃったな!ちょっと森のほう行ってくるわ!」
とりあえずこの場からダッシュで退避。これからは発言に気をつけよう。
「ふう」
ちょっと疲れたかな。そう思い、木陰に座り込む。あ、ここ涼しい。
休んでいると、誰かが歩み寄ってくる。セイさんだ。
「どうも、朝ぶりっスね」
「そうね~。朝はホントお世話になったわ」
なんとなく、二人とも宴のほうを見る。
「しっかし、あいつらスゲーことしますよね。まさか俺の動きを止めるために矢ぁ飛ばしてくるとか。あれ、村の人たちでしょ?さっき種明かしされました」
「ふふ。普段から狩りとかしてるからねぇ」
「つーかあいつら、俺が探しに行くって信じ込んでたんだな。いくらエクスの誘導があったとはいえ、あそこで俺が動かなかったらどうするつもりだったんだ」
そういうとセイさんは優しく笑う。
「みんなが言ったの。貴方なら、誰かがいなくなれば心配でいてもたってもいられなくなるって。でも1人だけだとつまらないから、いっそ全員で隠れようって」
「つまらないって・・・」
そんな理由かよ。
つーか俺って・・・。
「とっても、信頼されてるのよ。そして、愛されている」
「・・・えぇ。そうみたいですね」
「君の悩み。解決した?」
そう聞かれて。俺は答える。
「正直まだ、完全な答えは出ないです。でも」
そこで一度言葉を切り、大事なことをはっきりと伝える。
「アイツらのことは、心から信頼できます」
それは良かったわね。と、笑顔のセイさん。ほんと、敵わないなぁ。
『リュージさーん!皆さんの前で、なにか挨拶してくださーい!』
「あら?呼ばれているわね」
「挨拶って、んな急に・・・」
「ふふふ。君が今思っていることを、そのまま伝えればいいのよ。言葉足らずでも、心から」
「・・・はい。じゃあ、行ってきますね」
泣いても笑っても時は流れるし、こんな素敵な一幕も、そのうち失うのだ。俺はこの村を去る。その事実は揺るがない。
それでも。
このひと時を、決して忘れることはないのだろうと思いつつ、俺は第一声を発した。
作者「いやぁ、お待たせしました~」
リュージ「約一ヶ月ぶりだな」
リリア「えぇ、本当に待ちました。私達の活躍は一体いつなのだろうと。しかし・・・」
サタラ「結局今回もほとんど出番がないってどういうことだゴラァ!」
作者「ひぃ!?」
エクス「まぁまぁ。とにかく話は続いたんだし良かったじゃないか。今後に期待だね」
サタラ「いやいやエクスさんよ~。コイツはこの程度じゃわかんねぇよ。きっとまた次話一ヶ月以上先だよ!しかもその上、なんか番外編も書こうとしてんだろ!」
リュージ「え?そうなん?」
リリア「まったく貴方はそうやって・・・いつもいつも出来もしないことを始めて、途中で投げ出すんでしょう?」
作者「べつに投げ出すわけじゃない!俺にだって調子の波ってのがあんだよ!それに、今度書く話は完全新作ってわけじゃないしな」
リュージ「あぁ?何書くんだ?」
作者「お前の話だよ!お前の前の世界での日常ショートストーリー!」
リュージ「な、なにぃいいい!!!」
リリア「なんと。ついにリュージの隠された過去が明かされるんですね!」
サタラ「いままで適当に散りばめた伏線がようやく回収されんだな」
作者「いや、そんな大々的なもんじゃない。ただの日常ストーリーだ」
エクス「じゃあ、また新キャラがでるんだね」
作者「まぁ、多少はな。なるべく増やさずに、基本固定のメンバー少人数プレイでいくつもりだが」
リュージ「ふーん。つーか作者お前。そんなことして、本編のほう疎かになったら本末転倒じゃね?」
作者「・・・・・・善処いたします」
リュージ「まぁお前も、高2の夏ってことで予備校とか色々あるんだろうが、しっかり勉強もしろよ?パソコン取り上げとかになったら洒落にならんぞ」
作者「・・・うん」
エクス「というわけで!」
リリア・サタラ「震える《ふるえる》昂る《たかぶる》異世界バトル『転生した俺は勇者として魔法世界を救うらしいですよ?』」
リュージ「次回もお楽しみに!」
作者「あ、期末考査について触れてねぇ。とりあえず、一学期の合計では、赤点はありませんでしたよっと。まぁ期末単体ならあったんですが・・・化学が。ホントなくなればいいと思う。俺文系だよ?文系クラスになんで化学あるの?化学なのか化学なのかはっきりしろってんだ畜生!」




