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詩やエッセイ

Erinyes(復讐の女神)

悪魔は生贄の少女に手斧を渡しました



───さあ、これを持って村にお帰り

    もはやお前は帰らぬものと

     安眠をむさぼる村人たちを

      さらに深い眠りへ導いておやり



生贄の少女は悪魔に言いました

 どうしてこんな酷いことをするの!



───それは私に聞いてるのかい

    それともお前を選んだ村人たちかい

     いずれにせよ同じことさ

      お前は選ばれたのだから



生贄の少女は悪魔に言いました

 あなたが災いを呼ぶからでしょう!



───私は便乗しているだけさ

    私がいなくても

     災いは必ず訪れる

      それは仕方のないことさ



生贄の少女は悪魔に言いました

 だったらどうして生贄を求めたの!



───それは私が

    最初の生贄だからさ

     悪魔なき災いの

      生贄だったのさ



悪魔は黒い翼を広げ

 生贄の少女に言いました



───犠牲を強いられた者にとって

    この世は地獄

     人に捨てられた者が

      人であることを捨てるのは当然だろう?



生贄の少女の背中から

 黒い翼がはえてきました

  彼女は手斧を掴み

   村に帰っていきました



───さあ、お前を選んだ村人たちを

    こんどはお前が選んでやるんだよ







噂によると辺境で

無人の村が増えているらしい

そこは惨劇の跡が残り

黒い羽根が散らばっているという

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