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終わる夏、始まる春

 これはとある夏の少し涼しかった日に起きた不運。

そう思うのはきっと遥か先の自分。高校2年のその日、俺は最高の恋に落ちた。


あの日の事は今でも鮮明に記憶している。夏の終わりごろの涼しい日で、夏休みの終わりを実感しながら学校へ自転車を走らせていた。


赤い鞄に赤い靴、赤い自転車でいつもより少し遅めで通学していた少年、高梨樹(たかなしいつき)の眼は心なしか覇気がない。

久々に会う友に気分が高まり騒いでいる群衆を横目に自分の席へと座る。


イヤフォンから流れてくる邦楽を口ずさんでいると横から肩をたたき声をかけてくる青年、梅崎双葉(うめざきふたば)もまたやる気のない気怠そうな目をしながら「おはよう」とあいさつをする。

「おう、おはよう。どうした元気がないぞ?」

と聞く高梨に当たり前だと言う様に

「今日元気に学校来られる奴はただの馬鹿だ。」

と2人で軽口を飛ばしあっているうちに仲のいい面子が集まってきて3,4人で世間話をしていた。


そうこうしているとチャイムが鳴り担任が重そうに教室のドアを開けホームルームを始めた。

それと同時に皆自席に戻り話を聞いていた。

提出物の連絡や気を引き締めろだの言っていたが眠くてよく覚えていない。


朝のホームルームが終了し移動教室へ行き授業の準備をしていた。

朝から2つの組で合同授業という事で教室がまたざわつきを取り戻していた。

憂鬱な気分をごまかそうと少し騒がしかった女子の群れへと耳を傾けた。

何やらイメチェンをしてきた少女がいるらしい。

女子たちは1人の少女を囲い大賑わいだった。気になった俺は席を立ち様子をうかがった。


そこにいたのは初雪のように白く透明な肌に整った顔立ちで細く綺麗な手足で少し細身のウルフカットの少女がそこにはいた。

あまりの美しさに3度見してじっと見つめている俺に気が付いて視線をこちらに向ける彼女の瞳はどこか寂しそうでとても冷たかった。

思わず目をそらしたその時にチャイムが鳴り騒がしかった教室は静まり夏休み終了後初めての授業が始まった。


その後1日何事にも全く集中できなかったのは「やる気がなかったからだ」と言い聞かせていた。

最後まで読んでくださってありがとうございます。今回が初めての執筆という事で拙い文章だったかと思います。そんな中読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。少しでも面白いと思ったらブックマーク、評価のほどよろしくお願いします。

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