第05話:異世界か!?
目が覚めると、二人は見知らぬ場所にいた。
「お兄ちゃん、本当に異世界に来たのかな?」
恵美が心配の声を真に向けた。
「ああ。そのようだな」
あまり根拠はないが、とりあえず恵美を安心させるために、真はそう返した。
まず、二人は辺りをうろついてみた。どうやら、ここは小さな町のようだ。使われている言語は日本語ではないようだが、なぜか話せるし、読み書きできる。これも、あの女神の力なのだろうか。
うろついてみて気になったのが、武器屋や防具屋だった。こういうものがあるということは、ここは戦闘が必要な世界のようだ。なぜかポケットの中に入っていたお金(多分これも女神によるもの)を使い、軽く装備を整えた。
一通り町を探索したあと、次に二人は、パソコンを持っている者の手掛かりを得るため、聞き込みを行った。どうやら、パソコンを持つ4人の人間のうち、1人の名前は、二木 草原というそうだ。転生前に女神からきいたので、間違いないだろう。
町の住人にこの名前について尋ねたところ、彼女は西の町、カルザルベルズに行ったそうだ。そこへは、ここ、ヤンの町から歩いて半日程度で着くそうだ。
早速二人は、そのカルザルベルズの町とやらに向かった。
道の途中の洞窟では、沢山のモンスターが出現した。しかし、どうやら女神の言う通りだったようで、二人の戦闘ステータスはかなり高かった。二人は難なくモンスター達をやっつけた。その結果、戦闘能力が上がった。
「お兄ちゃん、なんか強くなった気がしない?」
「そうだな。レベルアップってやつかな?」
ふと右下を見ると、SF映画で出てくるような画面があった。空間上に存在している。
「なんか、画面があるな。レベル2って書いてあるぞ」
「本当だ。私の画面にも書いてある」
「レベルって、おそらくかなり大事だよな。いくら強い装備でも、もともとの能力が低いとだめだからな」
「そうだね」
そんな会話をしながら二人は洞窟を抜け、カルザルベルズの町に到着した。そこは、沢山の人で賑わっていた。
早速ここでも聞き込みを行おうと思ったが、もう夜遅い時間になってしまったので、今日は宿屋に泊まることにした。宿代については、モンスターを倒した時に結構貯まっていたので問題なかった。宿はそこまで豪華ではなかったが、風呂もトイレもついていたので、苦は感じなかった。
そろそろ寝ようと思い布団に潜った時、恵美が近づいてきた。
「お兄ちゃん、一緒の布団で寝ようよ」
「お前いくつだよ。駄目だ」
真は、はっきり断った。あまりにもスパッと切り捨てられてしまったので、恵美はほっぺたを膨らませて、隣のベッドへ移った。
◇この違和感はなんなのだろう。恵美と一緒に寝ることを断ったのは、恵美のためではないのかもしれない。もしかしたら、もっと重要な何かを隠すための行動なのかもしれない。どうにかはっきりさせたかったが、十年前に公園で遊んだ記憶のようにあやふやな心は、その違和感を解決することを阻害した。◇