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第02話:パソコンと天川家
パソコンが大好きな人間が、ここにいた。
名は、天川 真。
彼は高校1年生だ。少し硬くて黒い短めの髪の毛に、すっきりとした顔立ち。身長は175センチメートルだ。
三年前に母の「雪」をなくした。今は父の「達郎」が男手一つで家計を支えている。
天川達郎は、51歳。がっちりとした顔つき、体つきである。学生時代からそれなりに優秀であり、頭もよい。頭のまわりはあぶない。今は課長として会社で働く。
ちなみに、「天川」は母方の苗字だ。だから、妻の雪が亡くなった時、父の旧姓である「金井」に戻す案もあったが、便利上そのままにした。なんとも、現代らしい。
真は1日に最低でも3時間、パソコンを使用する。またなんとも、現代らしい。まあこれはあまり珍しいことではない。人間が楽をすることにおいて、パソコンという物はとても適している。現代では、会社や家庭で、その機能が猛威を振るっている。