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#:19 ~真相を、少しだけ。~

最近これしか更新していない…クライマックスだから、ポンポン思い浮かぶので…

ああ~、作家失格だよ;


なんか…こんな作者ですみません;;

落とした資料を拾い上げ、不自然に笑みを浮かべてみる。


「はは…まさか…な。」


“神崎奈緒”の字に、何故か素直に喜べないでいる自分が居た。

俺は今まで、神崎を見つける為にいろんな苦労を施した。だから、神が助けてくれたというのだろうか?それにしたって、都合がよすぎる。こんな、すぐに見つかるなんて…。テレビドラマじゃあるまいし。

…よく考えたら、あれこれ考えている時間がもったいないのではないか?それに、もしかしたらこの「神崎奈緒」は、俺の探している神崎ではないかもしれないではないか。しかし、もしもこの神崎がそうでないとしたら…俺は、少なからず落胆するだろうな。


「ったく…どこまでも俺を振り回すのがお好きなようだな、神崎。」


社長室で一人、ソファにドカっと腰をおろす。出てくるのは、溜息ばかりのようだ。要因は明確。彼女のことが気になって仕方がない。俺らしくないと思った。それなら、調べるまでなのに。しかし、調べるのが怖いと思っている自分がいる。そんな自分が情けなくて、心の中で嘲笑ってみる。だが、俺の気はなかなか晴れてくれないようだ。先程、あれこれ考えるのをやめようと誓ったばかりだ。なのに、今受話器を取り、内線をかけようと思っている。


そして、中村に聞こうと思っている。


「…中村。悪いが、社長室に来てくれるか?」


俺は中村の返事を聞く間もなく、受話器を乱暴に置いた。今コールをかけたところだというのに、中村が遅いと感じた。早く、早く。早く…来てくれ。違ってもいいから、真実が知りたい。俺の探している神崎じゃなくてもいい。話がよすぎる、なんて結果になっても構わない。否、むしろその方が手間が省けていい。

 中村は、俺がコールしてから五分も経たぬうちにドアをノックしにきた。


「立花社長。」

「…入れ」


落ち着きがないと思われるのはいやなので、俺は自分の椅子に腰掛けていた。


「失礼します」


間もない二度目の呼び出しに、正直うんざりであろう彼女だが、表情は業務的だった。今更ながらに、さすが俺の右腕、と感心する。


「ご用件は?」


彼女がこの言葉を発するのに、結構な時間がかかった。多分、中々用件を言い出せない俺にしびれを切らしたんだと思う。小さな溜息をすると、俺はゆっくりと「神崎奈緒」の資料を中村に差し出した。彼女は一瞬だけ怪訝な顔をしたが、黙って資料を受け取った。


「調べろ、ですよね」


同意を求めるような言葉ではあるが、語尾が上がっていない辺りから彼女の仕事に対してのプライドが読み取れる。指示されなくては出来ない、そんな無能な社長秘書ではないと示したかったのだろうか。全く、こいつの能力の高さは評価してやるが、このプライドの高さだけは鼻につく。


「分かっているなら、早くしろ」


吐き捨てるように言った。俺自身、このありえないような状況と中村の態度に脳が混乱を招いているのだ。イライラするのは当たり前だと自分で独り合点した。


「時間をいただけますか?」


俺の気持ちが少しは読み取れたようだ。中村は、ようやく俺に疑問を投げかけてきた。早くな、と一言言うと彼女はいつも通り、「承知しました」と言い社長室を出て行った。


今頃、中村は彼女のことについて調べているだろう。有能(・・)な中村のことだ。早急に結果は出るだろう。

 俺は、中村の報告結果を待っている間、思い出していた。当時の神崎のことを………。



あいつ、いつもいきなりだよな。お嬢様じゃなくたって、きっとあの傲慢さは変わらない。理不尽すぎて、気が強くて…。あんな女は嫌だ、と思っていたはずなのに…

いつしか、あいつのことを思うようになっていた。何故だ?


ああ、あいつには敵わないと思ったからか。

ああ、あいつの照れた顔とか、可愛いと思ったからか。

ああ、あいつ自身を…心のどこかで、独占したいとでも思っていたからか。


しかし、考えれば考えるほど自然と笑みが浮かんでくる。そして、「アイタイ」という感情が、渦を巻く。


どうか、神様。俺を哀れだと思って夢を見させてくれてるなら、最後まで責任とってくれよ。

俺の探している神崎であってくれよ…。


目を瞑り、連想する。

久しぶりに会う神崎の容姿は、きっと高校生の時よりも少なからず綺麗だろう。

きっと俺を見るなり、「社長!?守が!?」なんて言って、笑うだろう。


…いや、待て。よく考えてみれば、神崎がこの会社に来るなんてそもそもおかしな話じゃないのか?

あいつはお嬢様だ。そもそも、会社で働く必要なんてないんじゃないか?


そこで、俺の思考は一旦停止した。


…神様のバカヤロー。俺に夢見させやがって。やっぱり、この神崎は俺の求めている神崎じゃなかった!

大袈裟に溜息をつき、舌打ちまでする。あくまで、自然に出た行為だ。

 俺がまさにイライラの絶頂にいる時に、社長室のドアがノックされた。


「立花社長。」

「…………」


もはや応えることも出来ない。やはり、有能なだけで空気を読めないのは問題だな。なんて思っていると、中村は俺の返事を聞かずに小さく失礼しますと言って入ってきた。

うん。ここでもう一回俺のこと呼んでたら、多分中村は俺の八つ当たりを受けるところだろう。空気読めないとか思って悪かったよ。


暫く続く沈黙。きっと、今の俺に何を言っても頭に入らないと思っているのだろう。しかし彼女は、意を決したように話し始めた。


「社長。お茶でも入れましょうか。」

「……………」


中村。今は、お前の気遣いにも構ってやれないほど落ち込んでいるのだよ。悪いが。


「彼女…社長の思っていた通りでしたよ。」

「…………は?」


と思っていたが、中村のこの一言だけは聞き流せなかった。思っていた通りって、どっちの?つーか、中村は俺の考えていることが分かるのか?


「高校は、社長と同じ。神崎グループの令嬢で、元恋人である神崎宏明と家族になる。社長とは婚約の関係にあり、社長は神崎奈緒の元に修業として執事になる。しかし、神崎グループは徐々に落ちぶれていく。結果、神崎グループは業界から姿を消した。結局、社長との婚約も破棄された。…違いますか?社長。」


思わず目を見開いた。神崎グループが、落ちぶれただと…?だとしたら、神崎が突然俺を解雇しだしたのにも説明がつく。そして、俺の前から姿を消したのも…。


「そして、社長は今でも彼女のことが忘れられない…。今も、その面影を探している。そうですよね、社長…?」


そう言った時の中村の表情は業務的なものではなく、切なげな、「女」の顔だった。そして、どことなく神崎に似ていた。俺の中のなんともいえない感情が…俺の脳を支配してゆく。しかし、俺はそれを仕舞いこんだ。そして、中村に「もういいぞ」と伝えると中村はいつもの「承知しました」を言わずに、「失礼しました」とだけ言って静かに社長室の扉を閉めた。


明日は正社員の最終面接。正直、まだ心が定まっていない。


…はぁ。何やってんだか、俺は。

結構頭の中で話が出来てきました☆

ネタバレになったらすみません。


この先…コメディじゃなく、結構恋愛とシリアス的な感じになってしまいますので、検索キーワードやカテゴリを変えたいと思いますf(^_^;

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