#:1 〜理不尽な兄妹〜
間違っていた箇所があったので、修正させていただきましたm(__)m
報告遅れてすいません。
俺は、今日から執事だ。
普通なら、「異性と一つ屋根の下」なんて、恋愛キーワードだろう。
だが、俺の場合は違う。
こんなわがまま姫に、どきどきなんてしない。
「守ぅ〜。明日あたしを起こしたら、制服着替えさせてね!じゃ、おやすみぃ〜。
あ。襲わないでよ〜。」
襲うか!!つーか、制服着替えさせて、だと!?
それぐらい自分でやれよ!!
…と、ここまで言おうと思ったが、その前に神崎にドアを閉められてしまった。
「ああ…着替えとか…どうすんだよ…」
俺は、幸せ(?)な悩みを抱えながら眠りに落ちた。
……。
まず、朝はあいつ…神崎を起こすところから始まる。
一応、ノックをする。
「…寝てやがる。」
ぼそっと呟き、ドアを慎重に開ける。
しかし、どきどきしないとはいえ…女子の部屋に入るのは緊張した。
入ると、女子特有のいい香りがした。
「…おい、神崎〜。お、き、ろ。」
低く、小さな声で言った。
シーン。
つーか、何だこいつの寝顔は…!
昼間のわがまま姫とはまるで別人だった。
か、かわいい…。
ああ、いつもこんな感じだったらかわいいのに…
そう思いながら、更に体を揺さぶる。
「お、い。起きろよ、いい加減」
「…ん…?うんん…」
神崎は寝ぼけている。
「うふ、ふふふ…」
「え、ちょ?神崎?おま…壊れたか?」
「守…」
神崎はそう言い、俺に抱きついてきた。
俺は硬直し、どうすることも出来ない。
「やへふからついろえおえお」
どうやら、本当に寝ぼけているらしく、発する言葉は宇宙語だ。
「おい…いい加減起き…って、ちょ…」
神崎は、俺に抱きつきながらベッドに巻き込んだ。
「ちょ、ヤバいって!それは…神崎、はなせって!」
俺は必死にもがくが、神崎は相変わらず宇宙語を発している。
神崎の部屋に人が入ってくる気配がした。
俺はもがいている為、人を確認する余裕なんてない。
「…何してやがる…」
その人物は俺達を殺気立った目で見ている。
「いやいやいや!こっちが助けてほしいっつーの!…って、あなたは?」
その人物は答えず、いきなり神崎をこしょばした。
「きゃはははははっ!あははは…」
「お目覚めか。奈緒」
「げっ。お、おはようございます…お兄様。」
よしよし。やっと起きた。お兄様のおかげで…
って…
「お兄様ぁぁぁぁ!?」
俺は絶叫した。
「お前が奈緒の新しい執事か。…ふん。顔は悪くない。だが、女癖は悪いようだな。しっかり心にとめておくよ。」
「え、ちが…」
「ほら、守。お兄様に挨拶の一つも出来ないの?」
相変わらず、最悪だ。なんなんだ。人の話は聞かないお兄様、俺の誤解を解かずに自分勝手にわがままにことをすすめていく神崎。
なんなんだよ、この兄妹は!!
「あの…昨日から、神崎の…いや、奈緒さんの執事になりました。守です。よろしくお願いします、お兄様。」
「ふん、自己紹介する前に、その女癖の悪さを直してくるんだな。」
どっちなんだよ!!つーか、それは誤解なんだって。
しかも、もっとむかつくのが、神崎だ。俺の横で呑気に口笛なんかを吹いてやがる。
そもそも、お兄様に軽蔑されたのは神崎、お前が原因なんだからな!!
と、言いたいのだが。お兄様がいる手前、そんなことは言えない。
「まぁいい。せいぜい、しっかり勤めろ。新米。」
「あ、…はい。」
お兄様超こえぇ〜!
「新米」って呼び方からすると、認めてもらっていないみたいだな。
これからこの家で執事やるんだから、認めてもらわねぇとやばいよな。
追い出されたら…俺、自伝出せるな。『ホームレス中●生』みたいな。俺は、『ホームレス高校生』だ。
まぁ、俺はそんなことを考えないように頑張るしかないんだろうけど。