表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/25

#:15 〜衝動〜

「「…………………」」


重なったモノを瞬間に離すと、二人は背中を向け合った。

流れる沈黙が、高鳴る鼓動のおかげで気にならなかった。


俺、ファーストキスしちゃった!!しかも、神崎と!!嬉しいような…いや、うん。嬉しいんだよ。嬉しいよなぁ、俺っ!!ホラっ、神崎も顔真っ赤じゃん!もしかして…俺のこと好きなんじゃ…?って、つまらない自惚れはいーんだよっ!


「守…………」

「なっ…なんだよ…」


いきなり名前を呼ばれた俺は、少し声が裏返ってしまった。


「最低っ!!」


ええええええええええええ


「見損なった…」


あややややややややややややや


「あたしの、半径二メートル以内に近づかないでっ!近づいたら即解雇っ!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


あー俺、


泣きそう。


その後、神崎は教室から出て行った。俺は教室に一人取り残された。

あの仕打ちはねぇよ。うん。助けてやったのに。つかあれ、事故チュウなのに。ひどすぎる。

俺だって、下心があって助けたわけじゃねーんだよ…っていうのは、ちょっと違うかもしれない。もし、倒れかけたのが神崎じゃなかったら、俺は助けてたのかな…?

なんてな。



奈緒は、自宅へと向かっていた。時折、あの時の守の唇の感触が蘇る。しかし、不思議と嫌じゃなかった。思い出しても、嫌悪感というよりは…。恥ずかしくなった。あの時、咄嗟に否定できたからよかったけど。実は、このままでもいい、と思ってしまった。守が好きとか、きっとそういうのではない。自分の中に、守への恋愛感情があるなんて考えられない。奈緒はそっと目を閉じた。その時思い浮かぶのは、守の顔。


(こんなに鮮明に思い浮かべるなんて…)


奈緒は、思い出しては顔を紅潮させた。“それは恋だよ”誰かが言った。“でも、奈緒は宏明のことが好きなんだよ!”また誰かが言った。そんな声を聞く自分は、相当病んでいるのだろうか。そう考えながら、二つの意見を頭に浮かべて考えた。頭の中が混乱してきて、考えるのを止めた。そして、一人で叫んだ。


「守のことなんか…だいッッッッッッッッッ嫌いだ〜〜〜〜〜っ!!!」

                             ・・

振り向き、大声で叫んだ。少しすっきりした反面、ココロに何かもやのようなものがかかった気がした


「何…コレ…」


奈緒は気づいているだろうか?自分の顔が、真っ赤であることに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ