○○○年 九月 十日
ちょっとだけ再投稿。
書き続けるかは不明です。
今日は大陸の南にある国から、若い受付嬢が来たわ。彼女は戦士ギルドが支援する特殊な──各地を回ってギルドの調査、確認をする受付嬢──らしい。
ギルド自体の平均化を行う為に、数十人の受付嬢が各地に派遣されているらしい、事務作業の効率化や、作業内容の統一化も含めて、ギルドを整備し直すつもりらしいが──多くの街のギルドは、それ程の違いが無いので、問題は無いはずだ。──勿論、ここルゲールトのギルドも、その範疇から漏れることは無いだろう。
私はその受付嬢の手伝いをして、今は書類の整理をしている最中だ。
「綺麗な仕事振りですね、書かれている文字も皆、読み易いです」
とその若い──十代半ばだろうか? こんな娘があちこちを移動しながら、ギルドの整備に当たっているなんて、きっと選ばれし受付嬢なのね。そう言うと少女は「あはは」と笑い、子供の頃から両親が居ない為に一カ所に留まり続ける事が無かったので、各地を旅して回る事に抵抗が無いだけですよ、と明るく応える。
私がつまらない質問をした事を謝罪すると、彼女は言った。
「お気になさらず、私にとってはギルドの皆さんが、冒険者の皆さんが家族ですよ」
その言葉に衝撃を受けた。
私の様な、ちっぽけな受付嬢じゃないわ、この娘……! きっと近い将来、ギルドの受付嬢にこの人あり! と謡われる様な人物になるに違いないわ。
正直、バカ丸出しで、若さしか誇るところの無い冒険者なんかと家族になるなんて、少しも共感できないことだけど、彼女の器の大きさには恐れ入ったわ──
「あら? お酒二瓶を冒険者から購入とありますが、こんなことも、ここではよくある事なんですか?」
彼女の言葉にギクリとして首を横に振った、そういうのは稀よ稀、鑑定士の老人達がお酒好きなのを知ってるから持って来たんじゃないかしら──そう言って誤魔化すと、少女は「ふーん」と言って紙を戻した。
「代金は鑑定士さんと受付嬢が自腹で払ったと追記されていますし、問題はなさそうですね」
誰よ! そんなことをご丁寧に書いちゃってくれた人は! と思ったが、そんなことを書くのはメネレア以外には居ない。
私は冷や汗を隠しながら「そうね」と応えて、次の書類箱を運ぶことにした──




