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○○○年 五月 十四日
今日は平穏な日、そう決めた。
だから来ないで、おバカな冒険者さん。
そんな日に限って新米冒険者が、やらかしてしまう。
例の二人組のガキが、近くの森で牙猪に襲われたんだと、何事かと思ったら、片方のガキが死にかけているらしい。
ああ、だから言ったでしょうに。調子に乗って、出来ないことを出来ると言わずに、小さな仕事から──こつこつと積み重ねなさいと。
まぁ牙猪の討伐なんて、銅階級のお仕事ですけど。
ところがどっこい、ガキは回復魔法ですぐに動けるようになったんだと。ギルドに転がり込んで来た片方のガキが、大袈裟に喚いていただけだったのだ。
もうやだ、このガキ共……