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ある受付嬢の非公開日誌  作者: 荒野ヒロ
七月から九月の終わりまで

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27/45

○○○年 八月 二十七日(後編)

本日四度目の投稿。

お読みくださった方に感謝を~


この少年を主人公にした物語ではメネレアや主人公のレイセアも、ちょっとだけ出ますが──レイセアの名前が出るのは、この「ある受付嬢の非公開日誌」の中だけだったりします(笑)

この日誌のお話はあくまで外伝的な物なので、率直に言えば「脇役たちのエピソード」でしょうか。

 その少年は夕方の中頃に戦士ギルドにやって来た。革の鎧を着込んだ駆け出し感満載の少年だが、気配が通常の少年や銅階級の冒険者と違う気がする。彼はゴブリンと、牙猪を倒して得た牙を呈示して鑑定を依頼した。


 私がそれを受け取り、後方の作業台に置いて受付の前に戻ると、少年は何かを言いたそうに荷袋を背負っている。


 何か気になることがあるのかと尋ねたら「いいえ」と、拒絶に近い言葉を返されてしまった。いけない、怖いお姉さんとか思われているのかもしれない。


 どう声をかけるべきか悩んでいると、少年の方から「ゴブリンから手に入れた、箱に入ったお酒」のことを話し始める。

「木箱入りの酒」という言葉に興味を持ち、それを見せてもらうことにすると──中身は高級な、海を越えて運ばれて来る、蒸留酒の入った瓶が二本、木箱に収まっていた。


 すると鑑定士のロメインじいさんが現れて、それを買い取ると言い出した。

 おい、待てじじい、それは私が先に目を付けた物だ。


 カウンターの前で争っていると、メネレアがやって来て。

「その酒瓶を箱に戻しなさい」

 と叱られてしまった……爺さん、あんたのせいよ。


 少年はこれを酒屋か雑貨屋に持って行くべきかと尋ねていたが、私たちが買い取る意志を示していると、ギルドで買い取ることを認めてくれた。


 私とロメイン爺さんが一本ずつ買い取ることにしてその場は丸く収ま……じゃない、あの少年がメイマックの冒険者訓練所を卒業した者かどうかを確認したかったのだが。──うっかりと酒に流されて失念してしまったのだった。

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