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ある受付嬢の非公開日誌  作者: 荒野ヒロ
七月から九月の終わりまで
23/45

○○○年 八月 八日

 今日は街でお祭りが催される日。

 収穫祈願のお祭りが元らしいのだけれど、ぶっちゃけパンや麦酒エールを大盤振る舞いするだけのお祭りという気しかしない。


 けど今年からは父さんは──出資しているいくつもの店を使って、屋台での売り上げを多く獲得することを目論もくろんでいるらしい。……確かにあのパンとお菓子の店の商品なら、飛ぶように売れるだろう。

 この日のために一週間以上前から仕込んであるのだと、得意げな様子。


 まあ好きにしてください、私はギルドで仕事です。


 夕暮れ間近に街の中は大盛り上がり、近隣の街などからも多くの人が訪れて、宿屋は満杯になったという。

 酒に酔ったバカ共が喧嘩けんかをおっぱじめたり、旅行客がスリにあったりと──衛兵も大忙し、お陰でギルドは暇でした。


 お祭り騒ぎの途中で、メネレアがギルドにやって来た。彼女は午前の仕事のみで帰って、お祭りを楽しみにしていたはず。


 私も誘われたけど、ギルドに──それなりに仕事ができる受付が待機していないと、困るでしょうと断ったのだ。本当はメネレアと行きたかったけど、ぐっと我慢。


 そんな私を労う(同等または目下の相手に使う言葉)ために、彼女がお菓子を買って来てくれたのだ。……というか、その横にれている男は誰なの!? 男なんて許しませんよ!


 それとなく尋ねてみたら、友達だと紹介されたのは何と女の子。あらやだ、イケメンな女の子もいたものね……


「お仕事がんばってください」笑顔で帰って行くメネレアたちを見送って、買って来てくれたお菓子を見ると、うちの父親の店の物だった……複雑な気持ちで、それを食べる──美味しかったけど。

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