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ある受付嬢の非公開日誌  作者: 荒野ヒロ
七月から九月の終わりまで

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○○○年 七月 二十日

本日最後の投稿です。今日だけで四話か五話も進んじゃいました。

このお話とリンクしている(世界観が同じという意味)『剣の魔女と英雄志願』というタイトルの物語も投稿させて頂いております。こちらは一人称書きの作りではなく、やや堅めの文体と内容になっていますが(三人称書き)、なるべくリアリティを持たせようと頑張って書いています。

どうかブックマークや評価をお願いしたいと思います。

 一週間ほど前から噂になっている店がある。何でもパン屋と菓子屋を合体させた店らしい。


 ある日そこで買って来たという焼き菓子を食べさせてもらった……とても美味しいお菓子だった。


 その店は短時間ですっかり、この街の多くの人々──特に女たちを虜にした。今ではパンやお菓子が焼き上がる度に、行列ができているんだとか。


 久し振りに帰って来たちちう……お父さんにその店のことを話すと、「そうだろう、私が出資した店だからな」と得意げに言う。

 なるほどそういうことだったのか、私は納得した。


 材料などの手配も商会を持っている父なら簡単に行えるのだ。短期間で出店の準備を整えて周囲への宣伝も行い、あっと言う間に街中の評判をさらっていったのだ。


 その手腕は脱帽するけど、日々、観光だ湯治とうじだと言って、まったく帰って来ないははうぇ……お母さんのことはどうする気なのだろう。

 いや、たぶんどうでもいいことなのだ──父にとっては、金を稼いでいるときが一番、生き生きしているのであろう。


 何ともつまらない男だと改めて思う。

 やっていることは素晴らしいことのはずなのに、この男はあまりに空虚で空しい。


 まるで私みたいだ。

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