獣耳幼女の話 三
「お兄ちゃーーーーーーーーーん!!おっきろーーー!!!!」
「わかったから目潰しだけはやめて」
俺が目を覚ますと目の前にみかんの二本指がせまってきていた。
そのまま起きていなかったら、まぶたの上からグチャとやられていただろう。
「朝ご飯つくっといた!ほらチャーハンの上にハンバーグ!」
絶対これ、オムレツつくろうとしただろう。下の奴はチャーハンで、上の奴は卵こんがり真っ黒で、それをハンバーグと言っているのだろう
「ちょっと腹減ってないからいいや」
「でも、朝ご飯健康にいいって言うし、みかんのつくったやつ、食べてくれないのー?」
下から目線で目輝かせるのをやめなさい。
「じゃあ…じゃんけんで負けたら食べて!」
「わかった」
結果、食べることになった。
「上の黒いの捨てていい?」
「だめ」
真っ黒卵は苦かったが、チャーハンは結構うまかった。
「そういえば、今日は仕事休みだったな」
「ほんと?!やったー!」
「じゃあ近くのショッピングモール行くか、服買いに」
そう言って、俺は外に出た。
少し曇ってはいるが、傘を持っていけば、大丈夫だろう。
「お兄ちゃん、みかんの傘は~、靴は無しでいいけど傘ほしい」
「帰りには雨が降ってると思うからついでに買っておくか」
俺がそう言うと、みかんも靴をはかずに、外に出てきた。
家の門から出ると、友達に会ってしまった。
「よぉ。って何そいつw 猫みてぇな耳して、尻尾生えてるし」
「あー、路地の奥で一人ポツンと立ってたから拾ってやった」
「名前あんの?」
「うん。みかん」
「みかんw」
そう言って笑った瞬間友達が吹っ飛んだ。
「おい、てめぇ兄のつけてくれた名前笑うとかふざけんなよ」
それは、あのみかんだった。
赤く光る目が友達に向けられている。
「す、すいませんでしたぁ!」
そう言って友達は走り去っていった。
「さぁ行こ!お兄ちゃん!あれ、どうしたの?」
俺は驚きのあまり、地面にすわりこんでしまっていた。
その後、ショッピングモールに向かっている間にみかんに聞いてみたのだが、「そんな記憶はないよ」とみかんは言っていた。
どうやら、いつの間にか狂気が出ていたらしい。
みかんと話している間にショッピングモールに着いた。
今回はみかんの狂気(中二病)が出ました。
あのみかんがまさか主人の友達を吹っ飛ばす程の力を持つとは…
まさに、野生の本能ですね!
それでは、次回もぜひごらんあれ!