本気のマダラ
シャックスが空中に手をやるとまるでロアが使って
いた様に空中に裂け目が出来る。
そこにシャックスは手を入れデカイ鎌を取り出す。
「気をつけろ。あれはシャックスの武器庫だ」
そうマダラが俺と修也に言う。
その言葉を言い終わる位にシャックスが
鎌を振るう。
振るわれた鎌からは紫の液体が飛ぶ。
俺達三人はその液体を避ける。
液体の落ちた地面が煙を上げて溶けている。
毒か??
更に特大の液体を飛ばすシャックス。
斬撃を飛ばし吹き飛ばす修也。
「ほう、中々エペタムとの連携が取れている様だな」
「おいシャックス!俺が相手をしてやる」
感心した様に修也に声を掛けたシャックスに対して
マダラがそう言い放つ。
「お前が?」
「俺は此処にいる直樹が総帥を務める組織の一員だ」
「何だと!?気でも狂ったのか?」
そんなやり取りをするマダラとシャックス。
無言で鎌を構えるシャックス。
金棒を取り出し地面に叩きつけるマダラ。
「チッ本気か!」
「言っただろう?本気だ!!」
互いに見つめ合いながら動かない。
するとシャックスが鎌を空間に収めた。
「まぁまだ頃合いじゃないな、また取りにくる」
それだけを残しシャックスは消えてしまった。
何だったんだとマダラの方を向く。
えっ!?
胸に切り傷を負っているマダラ。
修也も驚いた様子だ。
「かすり傷だ気にするな!」
傷の心配よりいつ付いた傷かの方が気になる。
二人のレベルはそれほどまでのものなのか・・
まぁ気にするなとマダラが言うのでそのまま
神宮寺の聞き込みを再開する。
中々情報は掴めなかったが魔人シャグルの居た
氷山地帯に牙の幹部が潜伏しているという噂が
あるとやっと情報を掴んだ。
そしてこの街にも元幹部だった男が居るという
情報も掴めた。
街を三人で歩き元幹部らしき男を探すが中々
足取りは掴めない。
そんな中修也が口を開く。
「誰かにつけられてないかい?」
「確かに」
「誰か居るな」
修也の言葉に俺もマダラも返す。
気づかないふりをして捕らえる事にした俺達。
街の出口を目指し歩く。
まだ何かの気配を感じる。
気配が一瞬消えそうになる瞬間を修也の斬撃が
撃ち抜いた!!
ガシャン!!
そんな機械的な音を立てて何かが落ちる。
「おいおいまじかよ」
前方の木陰から聞こえた声の主。
黒牙 ナンバー10 北野 徹だった。
「修也、直樹!!」
「北野かい」
「北野さん」
俺と修也が声をかけるとボロボロの白衣を着た
北野は涙を流していた。
あの日俺達が居なかった後方での戦いの唯一の
生き残りらしい。
あの時俺達が居ない間に何があったのかを
知る人物。
詳しい話は皆んなが居る場所で聞くという事で
北野さんも連れて神殿に戻る事にする。
マダラは酒だけ購入してくると街に戻って行った。
「本当に心細かった」
そう言いながら北野さんは笑顔を見せた。
それはそうだろう。
俺には仲間が居たがあの戦場で一人になるなんて
並大抵の恐怖じゃないはずだ。
安堵しながら北野さんは口を開いた。
「実は神宮寺さんが捕まったらしいんだ!」