頼もしい仲間
修也side
真っ二つになり落下して行くラグナ。
「ラグナの野郎何やってんだ!!」
驚きを見せるカムイ。
「余所見してる暇はないぞ」
そう言いながらブレスを浴びせ攻勢に出るガラン。
「修也!!すぐに動けはしないが死んでない」
え!?
ガランの声に驚いていると二つに割れたラグナが
立ち上がり光に包まれ元に戻っていく。
「いやはや、やられましたよ」
そう言いながら僕を見据えるラグナ。
身構えようにも身体が動かない僕。
「構えなくても大丈夫ですよ。私は一旦戦線離脱
ですからね」
そう言葉を発しながら光の粒子になり消えていく
ラグナ。
正直ホッとしたよ・・・
あれで生きてるって事は神龍を完全に殺そうと
思ったら粉々にして燃やすしかないね。
後は頼もしい仲間に任せてちょっと休憩かな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガランside
修也は天才だとは思っていたがラグナを
撃退したのは驚いた。
まぁこれで我は目の前におるカムイに集中する
だけ。
「ガラン!!今日こそお前をぶち殺してやる」
そうカムイが我に向かって突っ込んでくる。
我はそれを受け止める。
そう言えばカムイとはよく昔から喧嘩をした。
タイマンでの喧嘩では我が負ける事はなかった。
直情的で負けず嫌いなカムイは何度負けても
執拗に我に突っかかってきた。
本来龍族の中で金色の鱗を持つ者は龍族の王として
称えられる存在。
それが黒い鱗の我に負けたのが奴のプライドを
酷く傷付けたようだった。
「ガラン!龍族の王はこの俺カムイだ!!」
未だにその事に強い拘りを持つカムイはそう
言い放ちながらブレスを放ってきた。
我もブレスで相殺する。
打撃、ブレスの応酬が続く。
周りの地面は抉れ木々はなぎ倒される。
我の知っているカムイより強さが増している。
「ガラン!魔国と王国の戦争の時テメェを
殺し損ねてから俺は本来の王の力を手に入れた。
その力を見せてやる!!」
そう言うとカムイは眩い光に包まれ二対の翼は
神々しく大きさを増し体長も一回り以上大きく
なった。
何より全身の金色の鱗が更に輝きを増している。
「これが神龍の王の姿だ」
そう言うと我の目でも追えないスピードでカムイに
殴りつけられる。
とんでもない威力だ・・・
更に爪による攻撃は我の硬い鱗を易々と切り裂く
何とか得意の空間魔法でバリアを張り
距離を取ろうとしたが簡単に破壊され
強烈なブレスで全身を焼かれる
全身から大量の出血。
翼はボロボロで空に舞う事も出来ない。
これ程までにカムイが強くなっていたのは誤算だ。
我にはカムイは勿論直樹や仲間達にも言っていない
秘密がある。
実は我にもカムイ同様神龍を超えた形態に進化を
する事が出来る!
恐らくだがその形態になればカムイに負ける事は
ない。
だがカムイの神々しい姿と違い我の姿は
悪そのもの。
姿だけならまだしも過去に一度森でその形態に
なった時は我から発せられる瘴気に当てられ
森の生物は全て死に絶えた。
その姿にさえなれればカムイに勝てる。
しかし大川やカイン、勇者辺りは大丈夫だろうが
手負いの修也達は死んでしまうだろう。
そんな事を考えているとカムイが更に攻撃を
仕掛けてくる。
正直ダメージが蓄積して身体が思うように
動かない。
最後と言わんばかりにカムイはブレスの溜めを
作っている。
口元にエネルギーがどんどん蓄積されていく。
我もここまでか・・・
「ちょっとガラン負けてんの?」
緊張感のない声が聞こえ振り向くと
奈美とナンシーが居た。
その瞬間カムイの口からエネルギーの塊が
発射される。
「空間魔法「スパティウム」」
奈美とナンシーがそう唱えると我のバリアに
勝るとも劣らないバリアが出現しブレスを阻む。
しかしブレスの勢いは多少減少したものの
バリアを突き破ろうと押してくる。
必死に手を前に出し魔力を送る奈美とナンシー。
しかしいつの間にこんな高度な魔法を?
我も魔力を送るがカムイのブレスの勢いは
止まらない。
「防げ!「龍硬樹」」
突然バリアの前に龍の鱗の硬度を持つと言われる
幻の大木が大量に現れる。
「小太郎!!」
「小太郎君まだ怪我がヤバいから無理は駄目だよ」
奈美に声をかけられ頷く小太郎。
「クソッ虫けら共が」
そうカムイが悪態を吐くとブレスが相殺された。
「奈美助かったぞ」
我がそう言うと私にも礼を言いなさいよと横から
ナンシーが言ってきたが無視だ。
「奈美結界を張ってくれ」
カムイに勝つ為にはあの姿にならねば無理だ。
奈美とナンシーそれに小太郎に我の瘴気を抑えて
もらいカムイを倒す。
しかし奈美達が瘴気を抑えられる時間は長く
見積もって5分!
充分だ!!
「カムイ!我も本気を出すぞ!!」
「まるで今までが本気じゃなかったみたいな
言い方だな。強がりはやめてさっさと死ね!!」
そう言うと攻撃を仕掛けてくるカムイ。
「奈美!頼むぞ!!」
そう言うと我の身体は二対の翼は禍々しく
巨大化し身体も一回り以上大きくなる。
そして鱗は黒さを増し漆黒の身体になり紫色の
瘴気が身体から溢れ出す。
「な、何!それがお前の真の姿か?」
カムイがそう聞いてくるが答えてる時間も
惜しいので攻撃を仕掛ける。
横目で見た瘴気を抑えている奈美達がかなり
キツそうだ。
「カムイ!終わりにしよう!」
そう言い漆黒のエネルギーね塊をカムイに放つ。
カムイも黄金に輝くブレスを放つが簡単にそれを
はね除けカムイに直撃する我の攻撃。
「カムイ!貴様は中々良いライバルだった」
先程より更に威力を高めた我の最大級のブレスを
カムイに放つ。
「クソがーーーー!!」
エネルギーに呑まれ遥か彼方に吹き飛んでいった
カムイ。
我の放った漆黒のブレスは大川が半壊させた
ギルドの本部を全壊させ上空で爆発した。
それを確認し我は元の形態に戻り直樹を助けに
向かう。
かなり時間を使ってしまい直樹が心配だ。
しかし我の仲間は頼もしく良い奴ばかりだ。
この神龍ガラン仲間の為に全身全霊闘うぞ。