ジョーカー
一番隊の二人を撃破した。
「ちょい休憩したら行くわ」
そう声をかけてくる神宮寺だが動けそうにない。
残りの二組の戦況を見る。
先ほどより総帥が押されている。
ガランもまだ元気そうだが徐々に傷が増えている。
ガランの加勢に行きたいが上空では足手纏いに
なってしまう。
総帥の加勢に向かう事にして走り出す。
その時一筋の閃光が放たれ上空にいるラグナを
撃ち落とした。
「修也!!」
「直樹君大丈夫かい?」
「俺も居るぜ!」
俺の声に修也とエペタムが答える。
良かった無事だったんだ。
修也に小太郎君の事を言おうとすると何かを
感じ取り先に修也が口を開いた。
「小太郎はヤバい状況だけど奈美ちゃんに任せたよ
大丈夫!あんな事で死ぬ奴じゃあないさ」
そうか!修也が運んでくれたのか。
後は絶対奈美が何とかしてくれる!!
後は目の前の敵を倒すだけだ!
ラグナが墜落した事によりガランもカムイも地面に
降り立つ。
「直樹君僕ガランの方に行っても良いかい?」
そう聞いてくる修也。
どうやらエペタムと勇者が持つカーテナの相性が
最悪らしい。
まぁ飛び道具のある修也の方がガランの助けになる
だろう。
「分かった」
俺がそう言うと修也が拳を握り俺の前に出す。
その拳に俺も拳を当て俺達は二手に別れ走り出す。
・・・・・・・・・・・・・・・・
総帥の元に辿り着いた俺を見て勇者が口を開く。
「神童も使えない奴だ」
「それより魔剣が此処に来ましたよ」
勇者とカーテナが喋り出す。
「貴様やるではないか!さあ正念場だ」
そう俺に総帥が言う。
確かに正念場だ。
総帥が勇者に突撃し鋭い攻撃を繰り出す。
何とかといった感じで防ぐ勇者。
俺はカインに向かい攻撃を仕掛ける。
それを避けながらカインが口を開く。
「さっきから見ていたが魔族流の格闘術だな?
何処で覚えたんだ?」
そう聞いてくるカインを無視して追撃する。
「無視か。態度の悪い奴だな」
そう言うとカインは鋭い踏み込みで俺の鳩尾を
殴りつける。
アキさんやリリスが言っていたみたいにカインは
化け物じみて強い。
しかし更にレベルが上がり強くなった俺は何とか
カインに食い下がる。
総帥と勇者も隣で激しく打ち合いを続ける。
「これでもくらいやがれーー!!
闇最上級魔法「スコトス」」
痺れを切らしたのかカインが最上級の闇魔法を
唱えてきた。
真っ黒な闇がどんどん辺りを覆っていく。
そして俺という存在も闇に呑まれる様に消えていく
これはヤバい!!
焦るがどうする事も出来ない!
「喝!!」
突如鳴り響いた総帥の声で闇が晴れていく。
「クソッ大川の野郎邪魔しやがって!」
そう悪態を吐くカイン。
どうやら総帥に助けられたみたいだ。
「貴様行けるか?」
総帥が俺に聞いてくる。
意思表示に頷き行けるとアピールする。
今のは危なかったが助かった。
そんな事を考えているとカインがニヤリと笑った。
次の瞬間
「クソッ!!」
総帥が声を上げる。
その声の方を見ると首からおびただしい血を流した
総帥の姿。
何が起こった!?
そう思っているとカインの背後に現れたのは
幹部会で見たピエロ。
「こっちの切り札だ!」
そう笑いながらカインが口を開く。
「貴様ロアか?」
総帥がそう話しかけるとロアが口を開いた。
「ちゃんとしては初めましてだな 大川 景豪。
しかしあれで首を落とせないとは
噂通りの化け物だな」
そう話しながら更にロアは話し続ける。
「それと土産だ」
そう言って何故か空中にチャックが出現しそれを
開け何かをこちらに投げてきた。
ゴトッ!?
何??
落ちたのは相馬とガルフの首・・・
あの二人がやられた?
隣を見ると総帥が目を閉じ何かを考えている。
「おい!!直樹だったか?離れていろ!!」
俺にそう言ってくる総帥。
「単刀直入に言う激怒だ!!」
それを見てカインが口を開く。
「怒った所でその怪我で何が・・・」
一瞬で間合いを詰めロア、カインを
殴りつける総帥
何故か傷が塞がっている!
「怪我は気合で何とかなるだろうが!!」
いやそれは無理だろう。
心の中で思ったが今はそれどころじゃない。
切れた総帥の攻撃の巻き添えをくらわないように
距離を取る。
あのチャックを出しその中に入るロア!
何故か総帥が何もない場所を殴るとそこが割れ
殴られたロアが吹き飛ぶ!
「チッ化け物が!」
ロアが悪態を吐きながらも態勢を整え
地面に着地する
総帥が更に拳を振るう!!
直撃はしなかったが拳から放たれた風圧が辺りを
呑み込み勇者、カイン、ロアを吹き飛ばす!
その風圧は凄まじく遥か後方にある
ギルド王都支部の建物を半壊させてしまった。