雷帝
ガラン、奈美、ナンシーが合流した。
しかし相手側も神童と呼ばれる一番隊隊長と
あれ?
あいつは小太郎君と戦っていた奴?
兵頭と呼ばれる副隊長!
まさか小太郎君がやられた?
そんな事を考えているとカムイが
ブレスを放ってきた。
それをガランがブレスで相殺する。
最悪の場合が頭を過るが大丈夫と言い聞かせ
奈美に耳打ちをする。
回復魔方を扱える奈美には一旦此処を離れ
小太郎君を見に戻ってもらう。
奈美は頷き戦場を離脱しようとする。
「どこに行く気だ」
そう言いながら奈美に攻撃を仕掛ける神童。
しかしナンシーが魔法を使い神童との間に
光の壁を作る。
「クソッ」
悪態を吐く神童を他所に奈美は戦場を後にする。
「貴様の仲間は何処に向かった?」
総帥が話しかけてくるので事情を説明する。
納得をし敵に攻撃を仕掛ける。
総帥は勇者とカインと対峙する。
神宮寺は神童と激しい打ち合いを繰り広げている。
上空では三体の神竜が睨み合い
俺は兵頭と向かい合う形になった。
正に総力戦だ!!
「お前小太郎君はどうした?」
俺は兵頭に問いかける。
「某の仲間なら・・・」
「死んだぞ」
俺の頭で何かが切れた!
戦場で人が死ぬのは当たり前
そんな事は頭では分かっている。
でも
仲間をやられて怒らない奴なんていない!!
俺は兵頭に特効を仕掛ける。
スピードは圧倒的に俺の方が上!
拳を鳩尾に叩き込む!
「な、グハッ」
前に倒れ込む顔を膝で蹴り上げる。
奴が何かギフトを使おうとするが使わせない!
後ろに回り込み背中を蹴り前のめりに倒す!
そこにジャンプをして踏みつける!!
「ガッ」
兵頭は小さく呻き声を上げながら手を俺に
向けてきた。
その瞬間俺の身体は一気に重くなる・・・
重力か?
満身創痍の兵頭は尚も重力をかけて俺を押し
潰そうとしてくる。
「クソッ」
そう悪態を吐くが何とか腕が動く!
こんな奴に小太郎君が
負けるわけ無いだろうが!!
地面を殴りつけると地割れが起こる!
「クソーー!!」
満身創痍の兵頭は地割れに呑まれていく。
その瞬間兵頭が死んだのか重力が解除されたのとは
違うレベルが上がった時の身体の軽さを感じる。
小太郎君は奈美が助けてくれる筈だ!!
そう自分自身に言い聞かせ戦況を見る。
総帥はあの化け物二人を相手に互角以上の戦いを
している。
神宮寺は完全に押されているがかなりタフなのか
何度も立ち上がり真っ向勝負をしている。
そのどれよりも激しい戦いが上空で繰り広げられる
激しいブレスの打ち合いにより爆発音が鳴り
火花が散り大量の煙が上がる。
しかし数的不利な状況だがガランが押している様に
見える。
俺は一番分の悪そうな神宮寺の元に向かう。
「直ちゃん!助かるわー」
そう軽口を叩きながら神童の攻撃を防ぐ神宮寺。
「チッ兵頭はやられたのか」
舌打ちをしながら俺と神宮寺から距離を取る神童。
その間に神宮寺が神童のギフトについて説明をする
どうやら神童のギフトは一度見たギフトを
コピー出来るらしい。
ストックが何個かは分からないが今は重力と
神宮寺のギフトである「雷帝」を使っていると言う
離れた位置から何かギフトを使おうとする神童。
だがそれを許さない様にスピードを出し追いかけ
攻撃を仕掛ける神宮寺。
俺も加わり攻撃を繰り出す!
確かに離れた位置からの重力はヤバい。
それで神宮寺は電撃を纏い距離を開けず戦っていた
みたいだ。
雷帝を使いこなす二人には劣るがスピードがかなり
早い俺が加わった事でかなりこちら側が有利になる
どんどん神童を追い詰める神宮寺と俺。
そして遂に神宮寺が神童を捕まえる。
「チェックメイトだ仁ちゃん!」
一気に電流を流し込む神宮寺。
しかし同じ「雷帝」を持つ神童も同じ様に神宮寺に
電流を流し込む。
二人の放つもの凄い電圧に近づく事が出来ない。
二人は抱きあったまま我慢比べの様になる。
「俺ちゃんは誰よりも総帥に殴られてきたから
耐久力じゃあ負けないんだよねーー!!」
そう煙を上げながら言い放つ神宮寺。
あの耐久力にはそんな秘密があったなんて・・・
「グァァァーーーー!!」
そう声を上げて白目を剥き倒れ込む神童!
身体中ボロボロだが勝ったのは神宮寺!!