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最高の能力が欲しい  作者: 大路
50/120

小太郎VS魔武器part2

 強引に力を貸してもらうべく素早くおじいさんに

 突っ込む。


「やれやれじゃ」


 おじいさんがそう呟いたと思うと

 僕は宙を舞っていた。


 そして次に気付いた時には地面に

 叩きつけられていた。


 何だ今のは!?


 追撃はしてこないおじいさんから素早く距離を取る


「役不足じゃと何回も言わすな!」


 そう吐きすてる様に言われる。

 そうは言われても諦められるか!!


 懐から素早く種を取り出し得意の

 ギフト「植物」を使用する。


 かなり強力な食人植物を召喚しおじいさんに

 向かわせる。


「ほう。ギフト持ちじゃったか」


 そう呟いた瞬間食人植物がおじいさんを咥え込んだ


 決まったか?


 そう思い見ていると・・・


 どうしたんだ?

 みるみる食人植物が枯れていく?


 そして枯葉の様になり地面に落ちてしまった・・・


「な、何をした?」


 思わず口から出た言葉だった。


「そんな事答える訳ないじゃろ?

 いい加減気づかんか自分が役不足じゃとな!」


 そう言うとおじいさんは一瞬で距離を詰めて僕を

 殴りつけた。


 老人のパンチとは思えない重さだ。

 何とか歯を食いしばり耐える。

 追撃は来ない?


「実力差が分かったら帰れ!諦めれば帰れる。

 命は取らんでやる」


 シッシッと手を振りながらそう言ってくる

 おじいさん


「逆に何回も言わせんなよ!!このクソジジイ!」


 諦められる訳ないって何回も言わすな!

 悔しさからか涙も出てきた。

 口も悪くなってしまっている。


「はぁ、諦めの悪い小童じゃな」


 一度ため息を吐きながらおじいさんは手を前に

 出してきた。

 その瞬間に僕の身体がどんどん重くなる。


 いや違う・・・

 何だよこれ?


 手を見ると皺だらけになっていた。

 恐らく顔も?

 何故かどんどん僕が老いていく・・・


「小童!わしの名は花咲石じゃ。何者も儂にかかれ

 ば咲くも枯れるもわし次第じゃ」


 花咲石?

 何だ聞いた事もない?

 ていうかジジイがどんどん若返ってる・・・


「小童わしが後少し手を下せばお主は死ぬぞ?

 諦めて帰るか?」






 帰ろうかな?

 このままじゃ確実に死んでしまう・・・

 悔しいけど無理だ・・・

 口に出す言葉も震える










「か、か・え・る・わ・け・ないだろうが!!」





 修也さんの足手まといになる位なら

 死んだ方がましだ


 あの人に僕は救われたんだ!



「我が儘な小童じゃな。その信念に免じて力を

 貸してやろう」


「えっ?」



 あれ?

 手のシワも無くなってる。

 身体も軽い。

 あれ?

 しかも力を貸してくれる?



 頭の中が混乱し追いついてこない。

 そんな混乱している僕を優しく微笑みながら

 見つめるおじいさんが口を開いた。



「わしの主に認めてやると言ったんじゃ。

 よろしく頼むぞ!我が主 三川 小太郎よ」



 そう花咲石が言うと目の前には赤と黒の入り

 混じった石が嵌め込まれた指輪が転がっていた。

 徐ろに付けてみると頭に言葉が響いてきた。



「一度先程のギフトを使ってみるんじゃ」



 言われるがままに食人植物を召喚する。

 何だこれ?


 そこに出現したのは一面を覆い尽くしそうな蔓を

 生やした見たこともない植物。


「帰れと命令してみろ」


 また言われた様に命令する。

 あの化け物は従順に帰っていった。


「植物」のギフトの威力がとんでもない事に

 なってる。


「ハ、ハハハ」


 思わず笑いが溢れる。

 また頭に言葉が響いてきた。


「わしが主を導いてやるから安心せい」


 頼もしく言ってくれる花咲石。

 自分が強くなれた事修也さんの足手まといになら

 ずに済んだ事に安堵すると涙が出てきた。


「やれやれ我が主は泣き虫みたいじゃな」


 花咲石に言われ必死で涙を止めようとする。


「まぁ良い。素直な主は嫌いじゃないぞ。ただもう暫くで外に出ねばならんからそれまでには泣き止むんじゃぞ!」


 花咲石のその言葉に頷き涙を止めるとどんどん

 視界が明るくなり気付くと修也さんの庭にいた。


「小太郎大丈夫かい?」

「小太郎君大丈夫?」

「大丈夫?」

「ラーメン」


 最後はおかしいが修也さんを始め皆さんが心配して

 駆け寄ってきてくれた。


「無事成功したんじゃねぇか?」


 エペタムがそう聞いてきたのでそれに頷き指輪を

 見せる。


「花咲石という石です!僕の能力も底上げして

 くれる最高のパートナーです」


「主は嬉しい事を言ってくれるのう」


 花咲石の言葉はどうやら僕にしか聞こえていない

 みたいだ。


「まぁ上手く行って良かったよ。それより小太郎

 目が真っ赤だけど何か泣いてたのかい?」


 修也さんがそう聞いてくるが


「泣いてませんよ」


 そう答える。


 花咲石の主は嘘つきじゃなという言葉だけが頭に

 響いた。



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