小太郎VS魔武器
今日は朝から修也が食事の準備をしてくれた。
いつもの様に朝に弱い奈美を起こしに行き
食卓に着く。
綺麗に並べられたバランスの取れた和食が並ぶ中
1つの席にだけラーメンが用意されていた。
ガランのだな・・・
「おふぁよう〜」
奈美が眠たそうに起きてきた。
「おぉラーメン!!修也恩にきるぞ」
奈美とは対照的にテンションを上げて階段を
降りてきたガラン。
エペタムは生物になったとはいえさすがに食事は
必要ないらしい。
「いただきま〜す」
全員でそう言いながら食事を摂る。
大体皆んなが食べ終わった位にチャイムが鳴った。
「おはようございます」
小太郎君が挨拶をしながら入ってきた。
この後小太郎君の魔武器を召喚する予定だ。
食事の後片付けを奈美がやってくれている間に
エペタムが魔武器召喚のやり方を説明してくれた。
まずは地面にエペタムを使い魔方陣を書く。
そこにエペタムの主である修也と魔武器召喚をする
人物今日であれば小太郎君の二人の血を魔方陣に
流す。
それで召喚の儀は完了らしい。
「後は流れに身をまかせるしかねぇ」
そうエペタムは付け加えた。
後片付けが終わった奈美が来たので一連の流れを
説明し皆んなで修也の家の庭に出る。
一応何が起こるか分からないのでガランに結界を
張ってもらった。
「じゃあやるか!!」
エペタムがそう告げると修也が魔方陣を庭に
描いていく。
「出来たよ」
完成した事を修也が告げるとエペタムに小太郎が
呼ばれ軽く噛みきった指先から血を魔方陣に落とす
それと同時に修也も血を落とす。
ビカーーン!?
眩い光が現れたかと思うとそこにいた筈の
小太郎君の姿が消えていた。
「何だ?どうした?」
俺がそう質問するとエペタムが答える。
「取り敢えずは成功だよ!今魔武器との交渉中だ」
「そうか」
修也が呟き重苦しい空気が辺りを支配する。
「大丈夫だよ!小太郎君だって黒牙の幹部なんだし」
奈美が心配そうな皆んなに言う。
「そうだよね」
「そうだな」
修也と俺が答える。
後は小太郎君を信じて待つしかない!
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小太郎side
何なんですかこれは一体?
何も無い空間。
その空間の真ん中にポツンと置かれた宝箱。
「開けるしかないですね」
そう呟き恐る恐るだが宝箱を開けた!
ガチャ
その瞬間に飛び出して来たのはしわくちゃな顔をし
白い髭を蓄えた一人のおじいさんだった。
「お主がわしの主候補か?」
そう聞いてくるおじいさん。
「そうです!三川 小太郎と申します」
丁寧に受け答えをする。
何も言わずじっと開いているのか分からない
目で僕を見つめるおじいさん。
「役不足じゃな!殺さんでいてやるから帰れ」
目を見開きそう言い放つおじいさん。
もの凄い威圧感だ。
しかしはいそうですかとは帰れない!
僕にだってプライドがある!
何より修也さんの為に強くなる使命があるんだ!!
「何とかならないですか?」
無理なのは分かっていたが低姿勢でおじいさんに
交渉してみる。
「役不足じゃと伝えたじゃろ?」
やっぱりな
じゃあ仕方ない・・・
力ずくで言う事を聞いてもらうしかない!!