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最高の能力が欲しい  作者: 大路
3/120

VSゴブリン

 測定の間に長い沈黙が訪れる。

 その沈黙を破る様に俺の口から漏れるため息。


「はぁ・・・」


 そのため息を残し部屋を後にしようとする。

 後ろから奈美の声が響いた。


「直樹!あんまり気にしちゃ駄目だから・・」

「うん」


 フォローの言葉が妙に虚しく胸に突き刺さった。

 気の無い返事をし来た道を戻りドアを開ける。


「おい、どうだった?」


 ニヤニヤしながら聞いてくる翔太

 本当に嫌な奴だ。


「いや・・・」

「ぷっはっはっはっ。落ちこぼれは大人しく家で

 引きこもっとけよ」


 腹を抱え笑いながら肩を叩いてきた。


「翔太‼︎そんな言い方ないじゃない‼︎」

「そんなカスの事庇ってたらお前まで腐っちまうぞ」


 後ろから追いつき翔太に食って掛かる奈美。

 それに反論する翔太。

 二人の言い争いを聞いて人が集まりそうだったので

 奈美の肩を叩いて口を開く。


「奈美、翔太の言う通り俺は家に帰るから

 大丈夫だよ」

「ちょ、ちょっと」


 奈美は悔しそうに下を向き口ごもった。


 俺は足早にギルドの玄関を出て走り出し路地裏の

 壁にもたれかかり呟いた。


「はぁ頭の中はごちゃごちゃだし本当におかしく

 なっちまったのか」




 ガサ!?




 何か音がして振り向くとザコモンスターで有名な

 ゴブリンが敵意剥き出しの目でこちらを

 睨んでいる。

 いくらザコモンスターといえど俺の能力では

 殺されるかもしれない。



 でも何か無償にイライラしてきた。



 自暴自棄になっている俺はそのゴブリンを

 見つめて戦う意思を出す。



「もうどうでも良いや、やってやる!!」



 ゴブリンが飛び掛ってきた所にパンチを入れるが

 かわされ肩に噛みつかれる。


 今まで戦闘をせずに逃げてばかりいた俺の

 身体に激痛が走る。

 必死に反対の手を振り回す。

 偶然ゴブリンの目に指が当たりゴブリンの拘束が

 弱まる。


 ここぞとばかりに落ちていた木材で滅多打ちにする

 肩から血が溢れるが必死にゴブリンを叩く。



 叩く、叩く、叩く、叩く、叩く、叩く、叩く!!



「フシュー」



 不思議な鳴き声と共にゴブリンの身体が透明に

 消えていく。

 この世界では魔物は倒すとコアというものだけを

 残し消えていくのだ。

 このコアは商店で買い取ってもらえる。

 ゴブリンのコアはかなりの少額だが。


「はぁはぁ・・・やった」


 苦戦しながらも勝利した直樹はゴブリンに

 噛まれた肩に手をやる。


「あれ?肩の傷が消えてる」


 あったはずの肩の傷が消えてる事にも驚いたが

 驚く程身体が軽い・・・


 さっき持っていた木材の重さもあまり感じない。

 取り敢えずコアを拾い自宅に足早に戻る。


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