世界の破滅
食料を調達し神殿に到着した俺達。
俺達が事の次第を説明しようとしたがそれより先に
修也が口を開く。
「世界が大変だ!!」
話を聞くと広範囲の地域に飛ばした北野さんの
監視カメラが危険な現状を映し出したらしい。
あのシャックスの目がありとあらゆるカメラに
映し出されたと。
どうやら俺の予感は当たっていたらしい。
これで世界各地で争いが起こる・・・
俺達も街で見た事の次第を伝える。
重苦しい空気が神殿内を支配する。
そんな空気の中修也が口を開いた。
「最悪なニュースがもう一つ・・・北野さんの
カメラが彼奴らを捉えた!」
「あいつら?」
「ヴォルグ達だ!」
シャックスの目だけでも世界が混乱に晒されている
のに更にあの化け物達も動き出している。
しかも話を聞くとどうやらあの狼はギフト保持者を
捕食しその能力を奪うらしい。
このまま奴の捕食が進めば奴は最強の存在になって
しまう・・・
「奴等を早く止めないと!」
「しかし居場所が中々掴めん」
焦る俺にガランが返す。
確かに北野さんのカメラが捉えた場所からはもう
移動しているはず。
次のカメラで場所を捉えるまで動きようがない。
そんな悶々とした時間が過ぎ去る中、神殿を眩い光
が包み込んだ。
「な、何だ!?」
「敵か!?」
「それは無い!此処は我の結界の中だぞ」
各々声を上げる中威厳のある声が神殿内に響く。
「一人を除いては初めましてだな」
「だ、誰だ!?」
「申し遅れた、私は・・・」
「神だ!!」
一瞬神と聞いてロア達と一緒に居た人物かと
思ったがよく見ると違う。
そこには三人の老人。
それを取り囲む様に鎧を纏った兵士が二人。
「ま〜た神かよ!次から次に自分の事神とか
言っちゃう痛い奴ばっかだなぁ」
デセオがふざけた口調で話しかける。
「貴様!神を愚弄するとはただではすまんぞ」
二人の兵士が威嚇するがそれを意に介さない
デセオ。
「何だぁ?俺様とやんのか?クソ兵士が!」
「貴様ぁ!!」
「止めろ!ルシフェル!!」
一触即発の兵士を制し神と名乗った老人が話し出す
「まぁ少し抑えてくれ、デセオ・クレアーティオ」
「何で俺の名前知ってんだ?」
「全員の名を知っている。桐生 直樹これなら
分かるかな?」
「な、何で」
そう言った老人の姿は以前精神世界で出会った
サラリーマン時代の俺の姿に変わった!!