尋問魔法
「本題なんだけど実は昨日帰りにまた修也に
会ったんだ」
「えっ!!」
びっくりして声を上げてしまったが奈美に
何もない事を確認して一先ず安心すると
落ち着きを取り戻した。
その姿を確認して奈美が口を開いた。
「とりあえずこれを渡して欲しいって言われた」
そう言うと奈美は黒い粉が入った小さな袋を
渡してきて使い方の説明をしてくれた。
そして昨日の修也との会話の内容を丁寧に話
してくれた。
「でも私は直樹には危険な目にあって欲しくないし
他のやり方があると思う」
確かに修也の言う事が本当なら俺はかなり
危険な状態なのかもしれない。
でもだからと言って修也の言う事を鵜呑みにも
出来ない・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドンドン!!
長い沈黙を破ったのは扉を叩く音だった!
扉を開けると意外な人物がそこにいた
「やあ」
タイミング良く現れ気の抜ける様な挨拶をしながら
ズカズカと家に上がり込んで来る。
いらないかもしれないが一応俺も奈美も戦闘出来る
様に身構える。
「そんな怖い顔しないでよ、僕達仲間じゃん!」
「仲間になった覚えはねぇよ!!」
「話しは奈美ちゃんに聞いたでしょう?」
「確かに聞いたがお前の言ってる事が信用出来る
訳ないだろ!」
そう力を込めて言うと髪をかき上げながら
困った顔をしている。
そこに様子を見ていた奈美が口を開く。
「修也!尋問魔法受ける覚悟はある?」
驚いた様な顔をする修也に対して訳の分からない
俺は話についていけず黙って様子を見ていた。
俺が分かっていない様子を見て奈美が
説明してくれた。
尋問魔法とは魔法とは名ばかりで呪いの一種で
捉えた捕虜などから情報を引き出す為に使われる物
らしく効果としてはしっかりと呪いにかかると
相手はいくつかの質問に対して嘘は吐くと
呪いの効果で死に至るらしい。
質問の数は術者の力によりまちまちらしい。
「もちろん受けるよ、ただそんな高度な術式を
扱える術者がこんな所にいるのかい?」
「ええいるわ」
修也の質問に対して即答で答える奈美。
黙って頷く修也。
訳が分からず話しが進行していく俺。
その三つ巴の中奈美が口を開いた。
「じゃあさっそく行こうか?でも修也はこの街では
指名手配中なんだからばれない様に
着いて来てよね」
「それは分かってるよ」
普通に馴染み過ぎて修也が犯罪組織の幹部と
言う事を忘れかけていた。
そんな中奈美に案内され着いたのは街の教会だった