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最高の能力が欲しい  作者: 大路
119/120

もう一つの混沌

 とある山岳地帯。


「何やら山風が、騒がしいな・・・誰だ?」

「お初に、ギフト「風」をお持ちのジュバル様

 ですね?」

「確かにそうだが、貴様は?」

「あぁ申し遅れました、アンモナと申します」

「それは分かったが何の用だ?こんな場所に」

「少し我が主が会いたいと」

「主?悪いが帰ってくれ」


 俺はその類稀なるギフト故にギルドや犯罪組織から

 の勧誘が多い。

 しかし以前行われた頂上戦争から「ギルド」「牙」

 その二つは壊滅。



 また新しい組織か??



「悪いが俺はギルドや組織に興味は無い!

 他を!?」


 俺の言葉を聞かず背後から現れた男が金棒で攻撃を

 仕掛けて来た。


「今の躱すとは中々やるねぇ!人間界もまだまだ

 捨てたもんじゃねぇって所見せてくれよ」


「貴様等何者だ」


「うっせぇよ!楽しもうぜぇ」


 そう言って男は金棒で攻撃を仕掛けてくる。

 仕方ない・・・


「ギフト「風」突風」

「おぉ凄ぇ!」

「まだ余裕か・・・レベル2ならどうだ」

「まだまだ!」

「では一気に終わらせよう、レベルMAXだ」

「う、・・・」


 この化け物も此処までだ。

 俺の突風により奴の周りは真空状態!

 声は勿論息も出来ないだろう!


「おい!アンモナとか言ったな?このままでは

 お仲間が窒息するぞ!大人しく帰るなら

 見逃してやるぞ?おい!聞いてい・・・何?」


 俺の言葉を無視するアンモナ、それを見ていると

 俺の突風が突如押し戻される。



「き、貴様」

「ふぅぅーー!!」



 目の前の化け物は俺の突風に対し激しく息を

 吹きかけ押し戻してくる。

 そして遂には反発し合った突風は上空に飛散して

 しまった。


 出鱈目だこの化け物は・・・


 本能が逃げろと俺に言う。

 ジリジリと詰め寄ってくる化け物。


「オラァーー!!」

「グハッ!」


 奴の金棒での攻撃を受けてしまう。

 咄嗟に風でクッションを作りダメージを軽減するが

 それでも肋骨が数本逝かれてる。


「くっ、癒しの風」

「へぇ便利だな」


 風の力で身体を回復する俺に奴は言う。

 何とか離脱しなければ・・・


「これならどうだ!「高熱旋風」」


 高熱を纏わせた旋風!!

 身体の内部から焼かれろ!!


「やっぱこんなもんか、期待外れだな!!」

「く、くそっ」



 化け物は熱風にも微動打にせず俺に近づき金棒で

 俺を殴打!

 全身に痛みが拡がる。

 足をやられ逃げる事が出来ない俺に奴は口を開く。



「もうすぐ主が来る。それまで熟成させてもらう」

「主?熟成?ぐぁぁー!!」


 俺の疑問の途中に奴は金棒で俺の腕を砕いた。



「舌を噛み切られたら大変だから抜くぞ!

 主は死肉は喰わねぇからな」


「あ、あがぁぁーー!!」



 そう言うと奴は徐に俺の口に手を入れ歯を

 一本また一本と抜き出した!


「も、もう許して、た、助けて」


 俺の願いを無視して奴は骨の折れた腕を踏み潰す。

 もう声も出ない。


 助けて、助けて、もう殺してくれ、


 地獄の時間が続く中声が聞こえる。


「酒呑!死んでないだろうな」

「大丈夫だ!いい感じに熟成しといてやったよ」

「ヴォルグ様!そちらはどうでしたか?」

「三人だな!「岩」「硬」「歪」意外にも歪は

 中々だった、後は駄目だな」

「それは良かったです」



 何を話しているんだ・・・



 あの狼は一体?



「歪ってのはどんなんなんだ?」

「ああ見せてやろう」


 そんな声が聞こえたと思った瞬間俺の身体が

 あちこちが捻れる。


 痛みで気を失いそうだ。


 その一歩手前でその捻れは止まり狼はゆっくり俺に

 近づき口を大きく開いた。


「た、助け・・・」


 グジュグジュと異様な音を立てながら狼に捕食

 される。


「始祖にしてはいまいちだな、「歪」の肉の方が

 良かったが仕方ない。まぁ次か」


 その言葉を聞き俺の人生は幕を閉じた。









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