落とされる混沌
エペタムも帰って来た。
修也の腕も北野さんが何とかしてくれるだろう。
総帥の加入で戦力的には大幅にアップした。
後はあの強敵達の企みを阻止するだけ・・・
「変態の直樹さん!大変です!!」
「アキさん!どうしたんですか?」
考え事をしていると慌てたアキさんの声がした。
そろそろ変態呼び辞めて欲しいけど。
「昨日で食料、酒類共に全滅ですわ」
「え、まじか。彼奴ら底なしかよ」
この事件の主犯はガラン、マダラ、デセオ、総帥
まぁ俺も昨日は呑んだし修也もか。
「仕方ないですね、買い出しに行きますか」
「そうですねぇ」
「私も行くーー!!」
俺とアキさんの会話に奈美が割って入る。
結局俺、アキさん、奈美、ナンシー、
ガラン、マダラで行く事になった。
ガランには街まで送ってもらう役割。
マダラは荷物持ちという感じだ。
ガランの背中に乗りいざ街へと出発する。
たわいもない会話をしていると街の一番近くの森が
見えて来たので一旦そこに着陸する。
「何か久しぶりだね買い物とか」
「確かになぁ」
「ついでにケーキ屋さんも寄ろうよ」
「我はラーメンを食べたいぞ」
「まぁ総帥から金は大量に預かってるし久しぶりに
楽しむか」
「オー!!」
皆んなでそんな事を話しながら森を歩いている。
「う、うわぁー!!た、助けてーー!」
ほのぼのした空気を切り裂く悲鳴。
俺達は顔を見合わし声の方向に向かう。
「な、あれは食品店の店主」
俺達が見た光景はハイウルフの群れに襲われる
いつも良く行く食品店の店主の姿。
俺と奈美、ナンシーがいち早く飛び出し
店主を救う。
飛び掛かってくるハイウルフ達を俺は体術で奈美は
魔法で追い払う。
ガランやマダラも加勢し一瞬でハイウルフを
全滅させた。
「大丈夫ですか?」
「あ、た、助かったよ!ありがとう」
店主は怪我もなく無事だった様だ。
でも何で戦闘の出来ない店主がこんなモンスターの
居る森の中に?
そんな疑問を浮かべているとガランが俺に近づき
話しかけてきた。
「直樹、様子がおかしいぞ!我達にハイウルフの
雑魚どもが襲い掛かるなぞありえん」
「あ!た、確かにそうだ」
モンスターはレベル差があると逃げるのが通常。
ましてや神龍のガランに襲いかかるなんて・・・
俺達の様子を見ていた店主が口を開く。
「きっとあの目のせいだ!」
「目?」
店主の話を聞くと突然街のシンボルの教会に大きな
目が現れたらしい。
それと同時期位から街に盗賊の集団が現れ街を占拠
売り物の商品を強奪されたので仕方なく森にある
果実を取りに森に入ったと。
「一体何なんだあの目は」
「とりあえず街に戻りましょう!俺達も一緒に
行くので」
「ああ!ありがとう助かるよ」
狼狽える店主に声を掛けて一緒に街に向かう。
目??
一体何が??
そんな事を考えながら歩いていると街の入り口が
見えてきた。
「な、何だあれは」
「あの目・・・」
街の入り口から見える教会にそれはあった。
大きな
俺達には見覚えのある。
オッドアイの目が!!