大巨人ガンテ
手招きをする巨人にいち早く攻撃を仕掛けたのは
クロウ、クルワムの赤龍兄弟!
「調子に乗りやがって!なぁ兄ちゃん!」
「デカ物が殺してやるよ!行くぞクルワム!」
二人は特大のブレスを巨人にお見舞いする!
しかしそれを受けながらも倒れる事もなく前進して
距離を詰めてくる巨人!
その前進に乗じて一斉に猿達も襲い掛かってくる。
そこに何発もブレスを撃ち込む赤龍兄弟!
しかしノーダメージで距離を詰めた巨人の拳が
弟クルワムを捉え吹き飛ばす!
「グアッ!」
「クルワム!!」
クルワムは木を薙ぎ倒しながら森の奥まで吹き飛ん
でしまった!
焦りを見せるクロウにも巨人の容赦無い拳が
振るわれた!
一瞬で二体の赤龍を吹き飛ばした巨人は近くに居た
修也に狙いを定める。
しかし拳は修也に当たる前に血を吹き上げ止まる!
「斬撃鎧式」
その血塗れの拳を見ながらゆっくり口を開く!
「面白い技だなぁ!俺の身体に傷を付けるとは!
名前位教えといてやる!俺の名はガンテだ!」
「そりゃどうも!僕は片桐 修也!よろしく」
「しかし良いのか?そんな立派な技を披露して」
「うん?何を言ってるんだ?」
修也とガンテが会話をしてると猿達と交戦中の
メンバー達から声が上がる!
その声を聞き驚きの表情を見せる修也!
「クソッ!猿共が修也の技を!」
「こっちもだ!」
「ま、まさか僕の技まで!」
一部の猿達が斬撃鎧式を使用しながら戦っていた!
中々にあのガンテとかいう巨人もこの猿達も厄介だ
俺にも斬撃を纏った猿達が襲い掛かってくる。
何とか避けながら様子を伺う!
そんな俺にガンテの拳が飛んでくる!
危ない!!
そう思った瞬間一人の人物がその拳を止める!
「マダラ!!」
「この巨人は俺に任せろ!直樹は猿共の
駆逐を頼む」
そう言ってガンテと睨み合うマダラ。
その中でガンテがゆっくりと口を開く!
「アンチェインか何か知らんがさっき俺に吹き飛ば
されたのを忘れたか?」
「あれ位で余り調子に乗るなよ!」
俺は猿共を倒しながら二人の様子を伺う。
言葉を少し交わした後に二人のパワー対決が
始まる!
先手を取ったのはマダラだった!
驚く事にあの巨人を力任せに投げとばす!
地面を揺らし木々をなぎ倒して倒れ込むガンテに
マダラはゆっくり言葉を放つ!
「ただでかいだけか?」
「クッ、クソッ!」
そう言ってガンテは立ち上がりマダラに拳を
叩き込む!
しかしこれもマダラは受け止め逆にガンテの鳩尾に
拳を叩き込んだ!
ガンテの身体がくの字に曲がる!
そこにマダラの強烈な膝がガンテを襲う!
先程殴り飛ばされた事に相当ご立腹なマダラは
容赦無い攻撃をガンテに浴びせる!
そして倒れたガンテの足を掴み周りに声を掛ける!
「全員少し離れていろーー!!」
そう言うと腕や額に血管を浮かび上がらせガンテを
ゆっくり持ち上げ回転し始める!
ジャイアントスイング・・・
マダラの化け物じみたパワーで振り回されるガンテ
の巨体が猛威を奮っていた猿達を巻き込み
倒して行く!
あり得ないパワー・・・
これがアンチェインマダラ・・・
「は、離せ!き、貴様ーー!」
「オラァァーー!!」
焦りを見せるガンテを御構い無しに振り回し
最後には遠心力を付け投げ飛ばした!
かなりの数の猿達を巻き込み吹き飛ぶガンテ!
呆気にとられる猿達をガランのブレスが襲う!
それを皮切りに数の減った猿達を次々
仕留めていく俺達!
そんな中土煙が収まると共にガンテが姿を現わす!
「くそがぁぁーー!!」
「やはりタフだな」
一方的にやられ怒り狂いながら雄叫びを上げ
マダラに突っ込むガンテ!
そんなガンテを冷静に見つめるマダラ!
突っ込んできたガンテの拳を簡単に避け
マダラは口を開く!
「戦場で冷静さを失うと死ぬぞ!これで終わりだ!
鬼術 羅刹鬼!」
以前俺が総帥に言われた事がある様な言葉を
マダラは言いながらガンテを黒く変色した拳で
貫いた!!
「グァァァーー!」
断末魔の悲鳴を上げガンテは大の字に倒れた。
ガンテが負け、数がかなり減った猿達の動きは
単調で簡単に討伐する事が出来た!
敵が居なくなり静けさを取り戻す森!
そんな中兄弟龍の声が聞こえてくる。
「あの巨人野郎は何処だ!」
「やられっぱなしは性に合わねぇ!」
殴り飛ばされ気絶でもしていたのだろう。
復活し反撃しようと戻って来たみたいだ
あの負けず嫌いな性格は正直凄いな・・・
そんな二人にガランが声を掛ける!
「もう終わったぞ!本当に貴様らはよく負けるな」
「終わったのか?」
「それより俺達は負けてねぇよ!」
「そうだぜ!死ななきゃ負けじゃねぇんだ!」
「イコール俺達は無敗なんだよ!」
ガランはそんな二人に呆れた目を向けていた。
そんな空気の中突如地面を激しい揺れが襲う!
「な、何?」
「何だ?」
仲間達が焦りの声を上げる中激しい爆発音と共に
地面から三つの影が飛び出した!
「こ、小太郎!」
「神宮寺!それに正志も」
三人はかなりの怪我を負っているが息はある。
急いで奈美とナンシーが駆け寄り回復魔法を
かける!
顔色が戻り大分回復してきたみたいで一安心する。
何が起こったのかは分からないが三人が
無事で良かった!
三人の意識が戻るまで暫く休憩を取る事にする。
そんな中二人の兄弟龍が口を開く!
「俺達はあのクソ狼を殺しに行くからな」
「ガラン!お前は今度殺してやるよ」
「あぁ、分かった分かった!」
そんな二人に軽い返事をしながら逆にあの狼に
殺されるなよと付け足していた!
「何だ?俺達の心配をしてんのか?」
「柄にもねぇ!気持ち悪ッ!」
「う、うるさい!!さっさと行け!消すぞ」
ガランの怒鳴り声を聞いて急いで走り出す兄弟龍!
悪い奴らでは無さそうなんだけどな・・・
そんな事を思いながら兄弟龍を見ていると
先程三人が飛び出して来た穴から一つの影が!
「グァァァーー!」
「に、兄ちゃん!」
その人物に突如攻撃をされこちらに
吹き飛んでくるクロウ!
何が起こったんだ!!
しかしクロウに攻撃をしたのは意外な人物だった