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夢
好きな人に、
好きと言うのは簡単じゃない。
あなたという、あなたからの言葉。
活気あふれる声。
息のような声で、つぶやく
呟かれた言葉は、聞こえないくらいに
流ていく。
身体の神経に、電気が流れる。
血液と溶けた刺激。
喘いでしまいそうになる。
····っ。
喘ぐの、禁止。
喘いだ時は感じやすい。
一瞬触れた手は
身体をよじらせる。
さむいのに、
やけに熱を感じる距離
聞こえた声は、
息を溶かし、身体を溶けさせる。
半熟に溶けた身体は、
あなたを欲する。
欲する先には、
見えない空間がある、
夢だった。
これは、夢。
現実と、夢の境。
きっと、幻夢